田中宇の国際ニュース解説
世界はどう動いているか

 フリーの国際情勢解説者、田中 宇(たなか・さかい)が、独自の視点で世界を斬る時事問題の分析記事。新聞やテレビを見ても分からないニュースの背景を説明します。無料配信記事と、もっといろいろ詳しく知りたい方のための会員制の配信記事「田中宇プラス」(購読料は2024年から半額化して半年1500円)があります。以下の記事リストのうちがついたものは会員のみ閲覧できます。


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トランプがウクライナ戦争を終わらせる?
 【2024年3月13日】欧州諸国やEUの上層部は、米国がトランプになってNATOをやめていくことに猛反対だ。だが、米国がNATOをやめる代わりにウクライナが停戦和解して欧露の緊張が緩和され、欧州がロシアからの資源輸入を再開できるようになるトランプ案と、米国がNATOを率いて負け続けるウクライナ戦争が長期化し、戦争がエストニアやモルドバ、ポーランドに拡大していくバイデン案のどちらが良いかと問われたら、欧州はどう答えるか。

BRICS共通通貨の遅延
 【2024年3月10日】習近平はロシア提案に部分的にしか賛成していない。ロシアは資源大国なので、資源の価値を下支えにしたBRICS共通通貨を作ってドルを押しのける案を出した。だが、中国は資源大国でない。製造業の能力と、巨大な消費市場の成長が取り柄だ。ロシアは資源を売る側、中国は買う側だ。グラジエフの共通通貨案は、資源大国ロシアの野望でもある。その部分になると中国が乗ってこない。残りの部分では中国も賛成して動いている。

ガザ虐殺からエジプト転覆へ
 【2024年3月9日】イスラエルのラファ攻撃によって国境が開き、ハマス支持の百万人以上のガザ市民がエジプトに移住すると、エジプトの同胞団は大きく加勢される。エジプト人の反政府感情は同胞団支持へと転化し、アラブの春が再燃し、シシ政権が倒されて再び同胞団(ハマス)の政権になる。この流れを引き起こすなら、今回の為替暴落・金利高騰によるインフレ激化が、エジプト人の反政府意識と同胞団支持を煽ることが重要だ。これは偶然のタイミングでなく、IMFなど国際金融行政界にたくさんいるイスラエル支持者(シオニスト、ユダヤ人)たちが意図的に起こしたと勘ぐれる。

ピエロにされていたヌーランドが辞任
 【2024年3月8日】ヌーランドは、自分ではウクライナを動かしてプーチンを潰して米国を勝たせる主役のつもりだったのだろうが、実際は正反対の、米欧ウクライナを自滅させてプーチンを勝たせる米上層部の隠れ多極主義者に騙されて動かされ、最後は権威を失って笑いものになるピエロ役にされている。米国の外交政策を決める場には、ピエロやピエロ使いがたくさんいる。ネオコンの中にも、ピエロとピエロ使いが混じっている。ニセの諜報をつかませると、大間違いな戦略を立案実行してしまう。

ちゃっかり繁栄する印度、しない日本
 【2024年3月6日】印度は、イスラム圏と中華圏にはさまれた独自の孤立文明だ。孤立文明という点では、中国の影響を受けつつ独自性が高い日本と同じだ。同じような孤立文明の国なのに、印度はそれを利用してうまく繁栄し始めている。日本は、独自文明のくせに無理やり欧米側に入りたがり続け、対米従属だけに固執した挙げ句、米国からリベラル全体主義を強要され、米国と一緒に自滅しつつある。

中国に棚ボタな紅海危機
 【2024年3月3日】フーシ派は米軍の攻撃を乗り越えており、イランなどからこっそり兵器を支援されているので、紅海危機はずっと続く。その間、米国側の船は、紅海からスエズ運河の欧亜航路をほとんど通れず、米経済覇権に打撃を与え続ける。対照的に、中国や印度など非米諸国は、この航路を使い続けて発展する。世界経済の非米化と多極化に拍車がかかる。

沿ドニエストルへの回廊
 【2024年3月1日】ウクライナ軍は破綻し、露軍は優勢だから、ロシアがオデッサやノボロシアをウクライナから奪い、沿ドニエストルへの回廊を構築するのは難しくない。だがプーチンがそれをやるのは、欧米が窮乏し、ウクライナ戦争をやめて対露和解したがるようになってからだ。欧米の対露和解の気持ちを削ぐように、ロシアが沿ドニエストル支援の名目でノボロシアやオデッサを強奪して回廊を作る。

消されていくガザ
 【2024年2月25日】イスラエルは、ラファ周辺も含めてガザ全域の市街を破壊し続け、市民がガザに戻ってこれないようにする。イスラエルは今後のラファ本格攻撃で市民を全員エジプトに追い出し、ガザを消してしまうことを目標にしている。イスラエルは、西岸のパレスチナ人もヨルダンに追い出し、ガザ消滅と合わせ、パレスチナの存在を消そうとしている。巨大な殺戮と破壊を伴ってパレスチナはなくなっていく。誰も止められない。

ナワリヌイ死去の裏読み
 【2024年2月22日】ロシアは、欧米が現実策に転換してロシアに和解を求めてくることを望んでいない。だから、ミュンヘン安保会議がユリア・ナワルナヤを呼んで演説させるタイミングに合わせて夫のナワリヌイを殺して発表し、ナワルナヤに情緒的なプーチン敵視の演説をさせ、会議の雰囲気をプーチン敵視で充満させ、会議で対露和解の話を出そうとしていた欧州の現実派を黙らせたのでないか。

金融システムの詐欺激化
 【2024年2月18日】権威筋はすでに米覇権を守る気がないのだから、ドルや米連銀の信用失墜につながる巨額の裏帳簿を使った金融延命策が行われても不思議でない。米覇権自体、すでに不可逆的に潰れていく道をたどっており、いまさら米覇権を守る気を持っても意味がない。権威筋や米連銀が、以前のように信用を大事にして裏資金に頼っていなかったら、昨年9月からの金利上昇や株安が10-11月に悪化してリーマン級の金融危機に発展していた。危機を先送りするために裏資金の注入が始まった。

印度は意外と居心地良い
 【2024年2月13日】印度のヒンドゥ寺院を巡礼すると、私のような日本人にの宗教観に合っている感じ、居心地の良さが感じられた。それは何なのかを考えていくと、日本の宗教の歴史や現状についての考察が必要になった。日本の仏教や今の神道は宗教性が低く、宗教というより役人の管理機構だ。管理機構になる前の日本の宗教はどういうものだったのか。その考察・試論が必要だ。

2つの世界秩序
 【2024年2月9日】世界は米国側と非米側に深く分裂しており、多分この状態は今後何年も続く。だがこの分裂は、人類の大半である非米側にとって悪いものでない。非米側は、米欧から支配・ピンはねされてきた状態から脱し、独自の世界経済を構築している。この新秩序は非米側の人々の生活を良くしていく。

イスラエルでなく米覇権を潰すガザ戦争
 【2024年2月8日】パレスチナ建国は、英国の中東支配の一環としてのイスラエル弱体化策だった。米英の中東覇権が永久に続くなら、イスラエルの弱体化が確定できるパレスチナ建国が、イスラム諸国にとっても好都合だった。だが、もう米英支配は終わる。イスラム諸国を主導するサウジやイランやトルコにとっても、米英支配よりイスラエルとの共存の方がはるかに良い。米英支配の一環であるパレスチナ国家の概念自体が、イスラム諸国の政権にとって「用済み」になっている。

印度に来た
 【2024年2月2日】印度の列車はよく遅れる。7時間とか。列車の現在位置を示すアプリがいくつもある。列車の遅れには落とし穴がある。1時間の遅れと表示されたので駅前で食事した。15分後に見ると、5分後の到着に変わっている。よく見ると、手前の駅との間が3キロしかないのに、所要時間が50分になっている。3キロは5分で走れる。残りの45分は「追いつくための余裕」だ。余裕時間は、都市の手前に作ってある。早く着くと長く止まる。早く着いたのに、予定より遅れて出発とか。そして、次の都市の手前でまた追いつく。印度国鉄は趣きが深い。

トランプ主義を機関化しリベラルエリート支配と戦う米共和党
 【2024年1月26日】世界的なエリート支配の強化を見て暗澹としている人が多いかもしれないが、心配することはない。エリートたちはこれから、当然の報いとして極悪のレッテルを貼られ、インチキ全体主義の体制もろとも、負けて潰れていく。エリートの今後の敗北を、うれしそうに予測した著名人の一人が、米ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長だ。

言論統制強まる欧米
 【2024年1月21日】ウクライナは敗北と腐敗が露呈し、欧州エスタブが対露戦争を全面支援し続けると、欧州人がエスタブを嫌悪し支持しなくなる。温暖化問題も、排出規制で欧州人の生活悪化やインフレと不況がひどくなっており、温暖化対策を減退しないとエスタブの支持が低下する。エスタブは支配力維持のため、ウクライナ支援や温暖化対策の優先度を下げ、失敗している政策を縮小せねばならない。縮小すれば、右からの反対論や、エスタブが作ったウソ構造を指摘する声も減り、強く言論統制しなくてもエスタブ支配を延命できる。

エスタブ自滅策全体主義の実験場NZ
 【2024年1月19日】インチキ全体主義は、ダボス会議を主催するWEFなど米欧エスタブ権威筋を統率する米覇権運営体(米諜報界、DS)が考案し、NZが実験場としてちょうど良いのでアーダンをたらし込んでやらせた。いまや米覇権の運営自体が、インチキ全体主義を信奉するリベラル権威筋のエスタブに委ねられている。NZアーダンはその象徴だが、この構図そのものが米覇権の自滅を加速している。

米中逆転の現実化と台湾
 【2024年1月14日】「ウクライナとガザの次は、台湾での米中戦争だ。だから台湾の選挙が大事だ」と、マスコミが喧伝するが、それは意図的な歪曲話だ。米国は台湾支持の第一歩である「一つの中国」の否定すらやらない。米中がこっそり結託して進める東アジアの転換まで、まだしばらく時間がかかる。台湾民衆党の柯文哲は、ゆっくり政権をとっていけばよい。

イスラエルの虐殺戦略
 【2024年1月11日】ガザ戦争の強烈な人道犯罪は、イスラエルでなく、米英覇権の一部だった人道犯罪の断罪システムを崩壊させる。イスラエルが人道犯罪をおかしたのに、米国はイスラエル傀儡だからそれを指摘できない。イスラエルはガザで大っぴらに虐殺と民族浄化をやることで、自国への拘束だったパレスチナ問題を抹消すると同時に、米覇権の衰退に拍車をかけ、世界の多極化を推進している。イスラエルはすでに米覇権を見捨てている。

まだまだ続くウクライナ戦争
 【2024年1月2日】ウクライナ戦争の構図が続くほど、欧州は反露・米傀儡なエリートの支配が弱まり、親露・非米的なポピュリスト右派が台頭する。ロシアとしては、ウクライナの戦線を適当に膠着させつつ、ゼレンスキーを生かしておくだけで、欧州が反露から親露に転換していく。ウクライナは停戦和平になりにくい。

今年のはずれ記事
 【2023年12月31日】当たりの自慢より、なぜ予測がはずれたかの再分析が大事だ。はずれ続けているのは、米国金融崩壊の時期についてだ。米連銀は、表向きのQT=資金引き揚げと並行して、裏でそれ以上の規模の資金注入を続けている可能性が高い。不況でインフレなのに当局が統計を粉飾し、マスコミは粉飾を糊塗する歪曲報道を続け、連銀が裏資金で株や債券をつり上げて不調を隠している。だが、裏資金の実体は不明だ。

北朝鮮とロシア
 【2023年12月27日】ロシアが北朝鮮との交流を突然復活した今夏は、ちょうど露主導の非米世界システムの構築が軌道に乗りだした時期だった。ロシアは、ウクライナ戦争での武器弾薬不足や、経済成長で人手不足が深刻化したので、武器弾薬や出稼ぎ労働力を北朝鮮から買っただけ、と考えるのは多分近視眼的だ。ロシアは、もっと巨視的・長期的に、北朝鮮を非米的な世界システムに招き入れるために、武器弾薬や労働力の購入を皮切りに北朝鮮に接近したと考えられる。

パレスチナを人権外交ごと潰すイスラエル
 【2023年12月24日】イスラエルは、パレスチナ人を大量虐殺しつつガザと西岸から追い出してパレスチナの存在そのものを潰そうとしている。それだけでなくイスラエルは、いくら大量虐殺しても米国から制裁されないことを世界に示すことで、米英覇権の基盤の一つだった「人権外交体制」(敵性国に人権侵害の濡れ衣をかけて潰す策)を破壊しつつ、それを「持参金」として米国側から非米側に転向しようとしているように見える。

BRICS共通通貨への道
 【2023年12月14日】BRICS共通通貨は、うまくいけば来年のBRICSサミットで決定され、再来年のサミットで通貨創設の最初の段階を発表できる。とりあえずデジタル人民元などBRICS加盟国の諸通貨をドル代替の非米側基軸通貨として使う。そのかたわらで共通通貨として、BRICS諸国の通貨を経済規模に応じて加重平均した新デジタル通貨「R5+」を作る。

多極世界でロシアから中国を見る
 【2023年12月8日】この四半世紀、米国は敵視や制裁や戦争を多発し、世界を不安定化するばかり。それはまずいので、露中など米傀儡でない諸大国が集まり、別の安保システムを作ることにした。それが多極型世界だ。極の策は政治支配でなく、経済と安定化だ。「安保」が持つ意味も、米覇権下での「脅威誇張・戦争・敵視・制裁・不安定化」から、「現実直視・交渉・和解・相互繁栄・安定化」へと大転換する。

多極型世界システムを考案するロシア
 【2023年12月4日】非米諸国間の関係は、どこかの国が支配的な力・覇権を持つべきものでない。非米側は今後の世界体制について理想主義で考えている。第2次大戦終結時に国連を作った時に米国が掲げたのと同じ理想主義だ。

米州大陸の独自性
 【2023年11月29日】アルゼンチンのミレイ当選は、トランプらの米国独自の右派ナショナリズムや孤立主義(米州主義)が一過性のものでなく、今後の多極型世界における南北米州の政治潮流になっていくことを示している。世界覇権や地政学は、本質的にユーラシアでの陣取り合戦だ。南北米州はユーラシアと別の位相にある。

ずっと続くガザ戦争
 【2023年11月25日】パレスチナの大義にこだわらなければ、ガザ市民がエジプト人になり、西岸市民がヨルダン人になっても生活的には問題ない。(英国の詐欺に騙されたままの)思想信条に拘泥しなければ、西岸パレスチナ国家は要らない。

イスラエルの戦争犯罪
 【2023年11月16日】ガザ戦争の開戦時点で、IDFがシファ病院に突入してくることをハマスは予測し、ハマスが病院を使っていた痕跡を消してトンネル網経由で退避していたはずだ。イスラエルも、ハマスが逃げたことを十分予測できたはすだ。それなのに、イスラエルは開戦直後からシファなどの病院群を空爆・射撃し続け、入院患者や避難民をたくさん殺す戦争犯罪をわざわざやらかした。

非米側が作る新世界秩序
 【2023年11月10日】ウクライナ戦争がなかったら、非米側の台頭や多極化は、あと25年ぐらいかかっただろう。開戦により、世界の非米化と多極化がものすごく早回しされた。だからこの戦争が起こされた。国際政治的にも、非米側が米国側のやり方を拒否する状況が増え、米覇権の影響力は米国側(米欧日)だけへと縮小した。

ガザ戦争の長期化
 【2023年11月8日】イスラエルがガザ戦争を終わらせるには、ハマスと和解して停戦するしかない。現時点ではイスラエルが和平に動くとは考えられない。だが今後、戦争が長引き、米欧からイスラエルへの支持や支援が失われていくと、唯一の解決策である和平にイスラエルが応じる可能性が増す。

どっちが妄想なのか?
 【2023年10月25日】権威筋は「経済は良い」という自分たちの意図的な妄想を鵜呑みにせず、自分分析して「経済は悪い」「権威筋は大間違いをしている」という正反対の結論を出す人々(オルトメディア)に「妄想屋」「偽ニュース」「陰謀論者」「無知な素人」「ロシアのスパイ」とレッテル貼りして排除する策略をやっている。実のところ話が全く逆で、妄想屋とか偽ニュースなのはマスコミの方だ。これは経済分野だけでなく、地球温暖化、新型コロナ、ウクライナ戦争、多極化(米覇権崩壊)、今の中東紛争など、近年の多くの問題に対して共通する権威筋の策略だ。

ガザ地上戦の瀬戸際で
 【2023年10月22日】イスラエルがガザに地上侵攻しなければ中東大戦争は起きない。だからイスラエルはハマスや米国に扇動されたものの躊躇し、寸止め状態で侵攻を延期している。イスラエルはガザ市民のを侵害していくという宣言を発し、米欧がガザ侵攻に反対するように仕向けている。米欧の反対を口実に自滅的なガザ侵攻をせずにすむ。

ガザから中東大転換への発展
 【2023年10月17日】ハマスやイランは、仇敵であるイスラエルが夢見た「ガザの消滅」を実現している。そう考えると奇怪だが、さらに大きな視点で見ると、今回の展開は、パレスチナやエジプト、ヨルダンなどイスラエル近傍のアラブ諸国におけるムスリム同胞団(ハマス)の席巻につながる。

イスラエルとハマス戦争の裏読み
 【2023年10月10日】イスラエルは窮地に陥ったが、この状況はネタニヤフ自身が誘発した意図的な策略だろう。ネタニヤフは、ハマスの攻撃準備を放置して侵攻させ、人質を取られることで、わざとイスラエルを弱い立場に追い込み、アラブや中露の仲裁でハマスやヒズボラ、イランと和解せざるを得なくしたのでないか。ネタニヤフは、入植者に依存して政権を維持しているが、入植者が猛反対するイランとの和解を進めないとイスラエルが潰れる。この難問を解く妙案として、ハマスとの戦争誘発を考えたのでないか。

多極化を急ぐ
 【2023年10月10日】米の隠れ多極派は米覇権の自滅をゆっくり進める余裕はないし、プーチンや習近平も多極化を急いでやらねばならない。ドル崩壊まであと10年かかってもかまわない状態ではない。隠れ多極派としては、できれば今秋のうちに長期金利を高騰させてドル崩壊を引き起こしたいのでないか。

サウジがウラン濃縮のイランごっこ
 【2023年10月6日】サウジアラビアが、イスラエルとの国交正常化に踏み切る条件の一つとして、自前でウラン濃縮して核燃料を作って新設の原子力発電所で使うことを、仲裁役の米国に対して出している。サウジがウラン濃縮の「イランごっこ」を演じていくと、ウラン濃縮を核兵器開発と直結させて濡れ衣をかけて制裁してきた米国のイラン政策が大間違いだったことが露呈する。ウラン濃縮の茶番劇は、イエメン戦争を解決してくれるイランへの、サウジからの返礼だろう。

米国債の金利上昇
 【2023年10月4日】世界の長期金利の大元締めである10年もの米国債の金利が急上昇している。10年米国債は、住宅ローンや社債などすべての長期金利の原点だ。米国では商業不動産市場が崩壊しかけており、米国債の金利上昇は、とどめの一撃となって米不動産市況を崩壊させかねない。

ナゴルノカラバフ紛争の終わり
 【2023年10月1日】カラバフ勢力は、パシニャン首相に引責辞任を求める反政府デモを展開しているが、すでに弱い。2020年の敗戦後の選挙を勝ち抜いたパシニャンは、今回も続投する。パシニャンが続投する限り、アルメニアとアゼリはもう対立しない。25年間続いたナゴルノカラバフ紛争が終わった。パシニャンはトルコとの和解も達成し、アルメニアを大きく安定させた。

世界経済を中国の傘下に付け替える
 【2023年9月19日】習近平の中国は、ロシアやサウジ、イランなど(や米中枢の隠れ多極派)の協力を得つつ、これまで米欧日など先進諸国の傘下についていた世界経済を、中国の傘下に付け替える戦略・世界経済の非米化を成功裏に進めている。

中露と米国の対立を長期化する
 【2023年9月16日】中露と長く対立するというブリンケン国務長官の宣言は、BRICS拡大など非米側の台頭を受け、米国自身が単独覇権体制の終わりを認めたことを意味する。中露敵視は不必要で不合理な策だ。中国もロシアも、米国側に何の脅威も与えていない。中露敵視は、敵対構造を長期化し、中露が非米諸国を率いて米国抜きの世界体制を作るように仕向け、世界を多極型の覇権構造に転換させる隠れ多極派の策である。

ロシアの戦略とプリゴジンの死
 【2023年9月13日】ロシア政府の上層部がワグネルを露軍の傘下に組み込もうとしたのに対し、プリゴジンがそれを拒否し続けたため殺し、露政府は予定通りワグネルを軍の傘下に組み込んだ。私は従来、プリゴジンはプーチンに対して強い忠誠心を持っているはずだから、プーチンがワグネルを露軍の傘下に組み込むならプリゴジンはそれに従うと考えていたが、実際はそうでなかった。

多極化と米覇権低下を示した印G20サミット
 【2023年9月10日】この9か月間で、政治的にも経済的にも、米覇権の傘下にいることの馬鹿馬鹿しさが露呈した。非米諸国は、貧しいけど対米自立できる自由を持っていた。日欧は(国が)豊かだが不自由で洗脳された哀れな傀儡だった。ウクライナ開戦まで、米覇権傘下の端の方にいた新興諸国や途上諸国は、今や離脱し、中露やBRICSの提案で非米側としてのまとまりを強め、非米・非ドル的な決済システムを作り、米国側に洗脳されない国際政治力をつけた。

ロシアと北朝鮮の接近
 【2023年9月9日】ロシアが北朝鮮を軍事支援することで、米国側は、抑止力が増した北に対して軍事挑発しにくくなり、中長期的に緊張緩和していく。北が弱い状態だと、米韓日は軍事的な現状維持を目的として北との対立を扇動し続けられたが、北が強くなると挑発策のリスクが高すぎる。米国は覇権崩壊で軍事力が低下し、日韓は、中露と和解せざるを得なくなり、中露の仲介で北とも和解していく。

BRICS拡大を読み解く
 【2023年8月27日】外国の紛争に対する中国の戦略は、地元の仲裁役に任せてそれを支援する間接関与の傾向だ。中国はアフリカ北東部でエチオピアと組んでいる。中国が主導するBRICSの新規加盟国にエチオピアが入るのは自然なことだ。

中露と米国の大戦代替
 【2023年8月24日】南アフリカでのBRICSサミットは、第2次大戦終了時の「ヤルタ会談」に匹敵する「覇権争奪戦後の新しい世界体制を宣言する会合(の1回目)」だ。習近平は、閣僚に代読させたフォーラムの演説の中で「中国は、歴史の正しい側にしっかりと立っている」と述べた。今の世界対立で中国が「正しい側」ならば、米国や日欧は「間違った側」だ。そう。中国は第2次大戦でも、対日ゲリラ戦の功績を認められて戦勝国に入れてもらい「歴史の正しい側」にいた。日本やドイツは今回も前回も「歴史の間違った側」に立ってしまっている。

日米韓豪の中国敵視は茶番から自滅に
 【2023年8月22日】8月18日に日米韓の首脳が米キャンプデービッドで開いたサミットは、3か国が結束して中国の台頭・脅威に対抗する決意を示す意味があったと喧伝されている。だが、会合で取り決めた声明文を見ていくと、中国の「脅威」「悪さ」についての十分な指摘すらできていないことがわかる。

新しい世界体制の立ち上がり
 【2023年8月19日】非米システムの準備が整い、非米側が米国側の金融システム(金融兵器)に頼らなくなったら、米国側が非米側を潰すことができなくなるので、安心してBRICSサミットで多極型世界の完成を宣言し、中国とインドが和解して「龍」の眼が描き込まれる。それは今年かもしれないし、来年以降かもしれない。

形成されていく非米世界システム
 【2023年8月15日】米国が敵視するほど中露は結束する。中露が結束すると米国は世界最強でなくなり中露と対等になる。他の諸国は安心して中露に接近できるようになり、非米側が拡大している。米国より中露の方が経済的な未来があるので、米国から離れやすい国から順番に、中露の周りに集まってくる。

アフリカの非米化とロシア
 【2023年8月13日】サヘルの行き詰まった事態は、2019年ごろからロシアの登場で変わった。ロシアは2015年に、米軍を使いたくないオバマに頼まれてシリア内戦に軍事介入し始め、2017年ごろまでに内戦をアサド政権の勝利で事実上終わらせた。米国が壊したシリアをロシアとイランが救った。安保面でロシアの信用が上がり、近隣の中東やアフリカの国々が「うちも米国に壊されているので救ってほしい」とロシアに頼み込んできた・・・

サウジ主催ウクライナ和平会合の真意
 【2023年8月7日】中国やサウジがロシアを見捨てたのでなければ、なぜサウジが米国側の露敵視会合を主催して中国がそこに参加したのか。「非米側は、自分たちの資源本位制の経済システムの構築に時間がかかる。その間、非米側の結束を維持するため、ウクライナ戦争の構図が継続され、米国側と非米側との決定的な経済分断が維持されている方が良い。ウクライナはすでに負けているので、放置すると、ウクライナ支援や露敵視をやめて中露と和解した方が良いという意見が欧米で強まる。それを防ぐため、中国やサウジはロシアを見限ったかのような演技を開始した・・・」

新型コロナと習近平
 【2023年7月29日】新型コロナの大騒ぎは、習近平の権力を中国と世界で増強するために起こされたのでないか。偶然に発生した新型コロナが偶然に習近平の権力を強化する結果にたまたまなったのでなく、最初から意図的に、米諜報界を牛耳る隠れ多極派が動き、中国の武漢ウイルス研究所で米中共同で研究されていたウイルスを外部に漏洩させ、同時に習近平に対し、新型コロナの騒動を使うと中国での独裁と世界での覇権を強化できると入れ知恵したのでないか。

米覇権ゾンビの裏で非米側が新世界を構築
 【2023年7月24日】非米側が新世界秩序の構築を一段落させたら、米覇権のバブルが崩壊してゾンビ化が剥がれ落ち、米欧の弱体化が露呈し、日韓は中国の属国として生きていくことを覚悟し、多極化が完成する。それがわかっているので、プーチンはゆるりと戦うふりを続けている。米国はプーチンを打ち負かすまで欧州を引き連れて戦う姿勢を崩さないのでウクライナの戦争構造はずっと続く。

トランプ復権と多極化
 【2023年7月15日】トランプが再登場するなら、その前に中露の新世界構築が完了するか、ドル崩壊で米英の弱体化が格段に進むか、その両方が起きる。それらの準備が整っていないなら、民主党がまたぞろ不正をやってトランプの返り咲きを阻止し、バイデンが続投し、米国側と非米側の敵対と、非米側の新世界構築が続く??。トランプが優勢すぎると、民主党が不正をやっても勝てなくなりそうだが・・・。

ドル崩壊しそうでしないのはなぜ?
 【2023年7月13日】米中枢の多極化勢力がヘッジファンドなどを動かせば、すぐにドル崩壊を誘発できる。習近平でも誘発できる。しかし米国も習近平も動かない。これは意図的っぽい。もし今ドル崩壊が始まって米国の金融システムが全崩壊したらどうなるか。英国などが「米覇権根幹の金融システムが壊れたのだから仕方がない」と言い訳しつつ米国から離れ、中露への敵視をやめてすり寄り、多極型の新世界秩序の一員として協力すると言いつつ内側から壊しにかかる・・・

ロシアでなく欧州を潰してる
 【2023年7月10日】ウクライナ戦争は、ロシアを潰す策として米国が起こしたが、実際は欧州を潰している。フランスは暴動が拡大して内戦になっている。仏内戦は、20年以上前から断続しつつ激化してきた長期戦であり、今後もずっと続く。米諜報界はロシアがすでに勝っていることも、もうウクライナが勝てないことも認めず、報道も全面的に歪曲させたまま、米国覇権を崩壊させる戦争の構図を頑迷に長期化している。

BRICS新通貨登場でどうなるか
 【2023年7月2日】米国側がBRICSが創設する共通通貨を攻撃し、米中の金融分野での「果たし合い」へと発展していく。米国の金融覇権の源泉は、ドルの基軸性と、無限にバブル膨張できる債券金融システムの資金力だ。これらの金融力が残っている限り、米国は弱体化しても中国など非米側を金融攻撃して脅威を与え続ける。非米側を主導する中国は、米金融システムを完全に破壊しておく必要がある。

ロシアでワグネル反乱の意味
 【2023年6月25日】プリゴジンは、ウクライナ戦争を長期化することがロシアの国益と敵である米欧の自滅になるというプーチンの策略を知らなかったのか。そんなことはない。もしくは、プリゴジンはプーチンの戦略を知っていたけど反対だったのか。実態はわからない。プリゴジンは、ルカシェンコに説得されて反逆(強硬な政府説得策)を中止した。ウクライナ戦争を長期化してロシアと非米側全体の繁栄と強化、米国側の覇権崩壊につなげるプーチン(と米隠れ多極派)の策略は今後も続くことになった。

ウクライナ戦争体制の恒久化
 【2023年6月19日】ウクライナ戦争の長期化は、覇権の多極化と、米覇権の終焉もしくは大幅縮小を引き起こすために画策されている。この転換によって米国は中露にとって脅威でなくなり、中露は安泰になる。だから最近プーチンと習近平が非米側の体制づくりなど多極化を熱心に進めている。この転換によって、これまで米英に阻止されてきた非米側の経済発展が軌道に乗る。世界経済が均衡ある発展を始める。米上層部の資本家が2度の大戦以来やりたかったことが実現する。

ウソや歪曲話を濫造して米欧を自滅させるAI
 【2023年6月18日】ネットの対話型AIは、ウソや歪曲まみれのネット情報に依拠する機能であることを棚に上げて礼賛されている。ネットの情報の多くは英語で、米国側のものだ。最も影響を受けるのは米国である半面、非米側の諸国はほとんど関係ない。AIによる歪曲情報の乱発は、覚醒運動など他の大リセット系の混乱醸成の仕組みと合わせ、米国側の社会経済の自滅を促進し、多極化に寄与している。

安保理改革の表裏
 【2023年6月17日】米国はロシアなど非米側を封じ込めるために安保理改革をやりたい。中露など非米側は逆に、勝手な覇権行使を拡大する米国を封じ込めるために安保理改革をやりたい。一見、米国と中露は国連改革で対立している。しかし詳細に見るとそうでない。常任理事国を増やすほど、多数決した場合に非米側が有利になり、米国側が不利になる。そして、安保理の参加国を増やした上で拒否権を廃止すると非米側の常勝になる。

世界の運営を米国でなく中露に任せる
 【2023年6月7日】コーカサスやバルカンで、これまで覇権国だった米国は事態を不安定にするばかりだった。米覇権が低下してロシアとトルコが担当するようになると、事態は安定に向かう。ロシアと中国は密接に連絡しあっている。米国よりも、中露の方がはるかにうまく世界を安定させている。世界の運営は米国でなく中露など非米側に任せるべきだ。べきだというよりも、すでにそれが現実になっている。米国はいじわるを試みて失敗するだけだ。世界はすでに多極型になっている。

中国経済の減速と米中分離
 【2023年6月4日】米国側から見ると、中国経済は米国に制裁されて不況に陥り、コロナ規制をやめていったん回復したのにすぐ悪化し、中共の失策で株価や不動産市況も崩壊寸前になっている。中国はもうダメだと喧伝されている。だが実際の中国は、ダメになっているのでなく転換している。世界最大の市場と生産国であることには変わりなく、それが米国の下請けから離脱して、世界の大半を占める非米側に新たな世界システムを作っている。長期的に見て、ダメになっていくのは中国でなく米国側だ。

トランプの返り咲き
 【2023年5月31日】諜報界は、自分たちを潰そうとするトランプを決して容認できない。諜報界傀儡の民主党は2020年や22年と同様、2024年の大統領選でも選挙不正をやる。共和党の優勢が大きいほど、不正をやっても選挙結果を変えられない。トランプの得票がバイデンより10%以上多ければ、トランプを不正に落選させるのが困難になるのでないか。これからウクライナや、米景気インフレなどの状況がさらに悪化し、バイデンの不人気が増す。トランプには追い風が吹いている。

これからの世界経済
 【2023年5月28日】今後の世界の経済発展の中心は、中国主導の非米側になる。ドル崩壊後の次の基軸通貨体制も非米側が決める。彼らは、金地金や石油ガス鉱物など資源類が、多極型の基軸諸通貨の価値を裏打ちする「金資源本位制」の世界体制を作りたい。中印がロシアから資源を旺盛に買っているのは、買った資源に自国通貨をひもつけて金資源本位制を形成するためだ。

決着ついたが終わらないウクライナ戦争
 【2023年5月26日】ウクライナ戦争は軍事的にバフムト陥落で一段落した。しかし、政治的な意味でのウクライナ戦争はまだまだ続く。米国とロシアは別々に、軍事的に終わっているウクライナ戦争を、政治的(プロパガンタ的)にどう継続していくか策略を考えている。策略の一つは、米国側がF16戦闘機をウクライナに送る話だ。

中露が役割分担で中東安定化
 【2023年5月18日】ロシアはイスラエルの相談にのりつつ、軍事と外交で中東の安定を維持している。中国はアラブと組んでイスラエルを批判する側に立ちつつ、経済や外交で中東を支えている。露中は中東で、2人ひと組で演じる芸人や営業マンみたいなことをやっている。米国も、隠れ多極派の戦略で中露をこっそり支援している。ロシアはシリアの制空権を持ち、イスラエル周辺が一定以上の戦争になるのを防ぐ。中東は大戦争のハルマゲドンにならず、いずれ中東和平が進む。

最後にわかる米財政赤字上限引き上げ騒動の結末
 【2023年5月17日】今回もギリギリで上限引き上げが合意されるかもしれないが、今回は従来と違って交渉が破綻してデフォルトするかもしれない。昨年から隠れ多極派が米中枢を牛耳っている。米覇権を劇的に崩壊させる米国債のデフォルトは隠れ多極派にとって大変好都合だ。そのため、赤字上限引き上げ交渉が失敗して米国債がデフォルトする展開がありうる。

米中戦争は起きない
 【2023年5月14日】国連安保理P5どうしが戦争しないので米中の直接戦争はない。米国は待っていれば覇権崩壊していくので、中国の方から米国を攻撃する理由もない。台湾は、中国に戦争を仕掛けたら自滅なので、米国にけしかられられても戦争しない。中国は、米国覇権が崩壊して台湾が政治交渉に乗ってきて譲歩するまで待ちたいので、台湾を攻撃して破壊したくない。直接的にも間接的にも、米中戦争は起きない。

トルコの選挙と中東非米化
 【2023年5月13日】エルドアンは、トルコを欧米かぶれから引っ張り出した点で偉大な指導者だ。欧米がインチキで自滅的な存在になっても自国を欧米かぶれから脱却させる指導者が出てこない日本、権威筋が米覇権の崩壊をまともに語らない日欧とは違う。欧米や米覇権の崩壊は不可逆的だ。今回の選挙でクルチダルオールが勝っても、トルコは欧米かぶれに戻らず、反米イスラム主義から、多極型世界の形成に円滑に協力する現実主義に転換するだけだ。エルドアンが再選されれば、これまでと同じゴネ得戦略が続く。両者の間に本質的な違いはない。

アポロ月面着陸の事実性
 【2023年5月11日】月面着陸の事実性は当初から疑われていた。米政府がアポロ11号に関する文書の機密解除を上手に進めていたら、延々と事実性を疑われる事態を避けられた。だが米政府はそれをせず、事実性に対する疑いが強い状態を野放しにし続け、疑う人々をマスコミ権威筋が敵視攻撃し続け、2大政党間やエスタブvs草の根の対立を米社会で激化させた。その結果起きたのがトランプ革命や、左翼リベラル過激化による悪質な覚醒運動で米国が自滅する今の事態だ。

多極化観察録 2023/5/9
 【2023年5月9日】豪政府がジュリアン・アサンジを支持して米英を非難し始めた。前代未聞の大転換だ。米英覇権が崩壊しているので、豪エスタブがアサンジの問題を口実に米英への批判を開始し、米英から距離を置いて共倒れを防ぎつつ、今後の覇権国である中国に再接近したいのでないか。(多極化観察録とは

米国の銀行危機はまだ序の口
 【2023年5月6日】金利上昇によって銀行や企業が持っている債券類が減価しても、下落が会計上の評価額に反映されず含み損の状態になっている限り、損失が顕在化せず破綻に至らない。会計規則上、含み損のままで良い債券が多いので、表向き銀行は健全に見える。だが、含み損をすべて損失計上すると、全部で4800行ある米国の銀行のうち2315行が、今すでに債務超過で破綻の状態だ。米国は銀行の半数が「ゾンビ状態」だ。

米国を破壊するメキシコとの麻薬戦争
 【2023年5月2日】対墨侵攻したら米国の自滅が不可避だから、米上層部の反対論は今後も強い。だが、バイデンが決めた、違法移民阻止でなく麻薬組織との戦いを目的にした米墨国境への米軍予備役部隊の配備など、侵攻への道はすでに隠然と進んでいる。今後911事件のような米自作自演のテロや軍事攻撃が米墨間で起こり、犯人は麻薬組織だという(濡れ衣)話になると、それを機に米軍の対墨侵攻が現実になりうる。

同盟諸国を自滅させる米国
 【2023年5月1日】米国の隠れ多極派は、米国自身より先に欧日の同盟国を先に自滅に追い込んでいる。その理由は、米国が自滅を試みると、対米従属の方が居心地が良い同盟諸国が勝手に米国を助け、米国は自滅させてもらえないからだ。ニクソンショックからプラザ合意への流れが好例だ。米国は今回、欧日が音を上げて対米自立するか、もしくは潰れるまで自滅策を続ける。

決着ついたウクライナ戦争。今後どうなる?
 【2023年4月26日】もうウクライナが勝てないことは確定している。事態を軟着陸させて漁夫の利を得るために和平提案した習近平が勝ち組に入っているのも確定的だ。ウクライナが西部だけ残ってポーランドの傘下に入る可能性も高い。米国と西欧の崩壊が顕在化し、東欧は非米側に転じ、NATOが解体する。ウクライナの国家名はたぶん残る(その方が和平が成功した感じを醸成できる)。ゼレンスキーが生き残れるかどうかは怪しい。EUも解体感が強まるが、国権や通貨の統合を解消して元に戻すのは困難だ。EUは再編して存続する可能性がある。

資源戦争で中国が米国を倒す
 【2023年4月24日】ウクライナ開戦後、米国側がロシアを強烈に経済制裁し、中立を米国に拒否された非米側の諸国がロシアを支持して米国側と敵対しつつ結束した。非米側は石油ガスから金地金、リチウム希土類、穀物までの資源類の多くを握って結束した状態で、米国側から敵視された。非米側は米国側に資源類を渡さなくなった。その一例が今回のリチウム争奪戦なのだろう。

中東和平も仲裁する中国
 【2023年4月19日】中国が中東和平をやり出したことは、サウジとイランの和解と連動している。中国が仲裁したサウジとイランの和解は、単に2国間が和解する話でなく、米国の分裂策に巻き込まれて対立してきたサウジとイランが仲良くなり、中国やロシアの協力や後ろ盾を得ながら、米国が破壊してきた中東各地の平和と安定を再構築していく動きだ。パレスチナやシリアの問題解決も、それに含まれている。

欧州を多極型世界の極の一つにする
 【2023年4月16日】マクロンが訪中し、欧州を対米自立させて多極型世界における極の一つにするんだと言い出した。欧州エリートの多くがマクロンの動きを歓迎している。訪中後のマクロンは、欧州各国のエリートたちと目立たないように話し合い、欧州をどうやって対米自立させて世界の極の一つにしていくか考えているのだろう。

単独覇権とともに崩れゆく米諜報界
 【2023年4月13日】欧日など米同盟諸国はこれまで米諜報界の多極主義的な傾向に見てみぬふりをしてきた。米覇権の崩壊が加速しているのに、同盟諸国はいまだに見てみぬふりだ。米諜報界の多極派は、見てみぬふりの同盟諸国を困らせてやろうと最近、米国が同盟諸国をスパイしていることを示す国防総省の機密文書の束を意図的に漏洩させ、騒動を作り出している。

OPEC+の石油減産は米覇権潰し策
 【2023年4月4日】OPEC+の石油減産によって、米欧は不況になっているのにインフレがぶり返し、金融救済のために利上げをやめたい米連銀は、インフレ対策への再注力が必要になって利上げをやめられず、利上げ傾向が米欧の金融危機を再燃させ、ドルや米覇権の崩壊が早まる。サウジの転向で非米側の組織になったOPEC+は、米国側との対立激化の中、米国側の覇権やドルを潰すために今回の減産を決めた。

意外に早く多極型になる(2)
 【2023年4月4日】米国は覇権を維持しようとしてマクロンやネタニヤフに意地悪したり、プーチンやトランプに司法攻撃を仕掛けている。だが、それらはいずれも頓珍漢な逆効果で、むしろ米国の覇権崩壊と多極化を加速する。この自滅策はひどくなる一方だ。

世界は意外に早く多極型になる
 【2023年4月2日】米国側と非米側に決定的に分裂した今の世界は、資源類を非米側に握られ、欧日など米国側の傀儡諸国は、中国など非米側を敵視できなくなり、主導役の中国にすり寄って非米側に非公式参加せざるを得ない。日本は安倍晋三が数年前に米中両属路線を敷いたが、今や欧州も米中両属になる。それがマクロンとフォンデアライエンの訪中の意図だ。米国は金融崩壊に直面し、政治的な頓珍漢も悪化している。世界は意外に早く多極型になる。

ウクライナで兵器を浪費し尽くし和平を余儀なくされる米国側
 【2023年3月30日】米欧から全力で軍事支援されてきたウクライナは、支援された兵器や弾薬を思い切り使い続けてしまい、米欧が兵器工場を全力で操業しても武器弾薬が底をつき、米欧自身の防衛力が低下してウクライナを軍事支援できなくなっている。ゼレンスキーは「米欧が追加で武器弾薬を送ってこない限り、戦闘を続けられないし、ロシアに勝てない。中国の和平仲裁に乗らざるを得なくなる」と言い出し、ウクライナ戦争は武器弾薬不足から停戦状態や和平に向かう道(米覇権低下と中露の台頭)が始まっている。ハンガリーやオーストリアに続いて、ブルガリアがウクライナ支援をやめて中立(隠れ親露)に転じると宣言した。欧州は内部分裂が進んでいる。独仏は国民の反政府感情が高まってゼネストが続き、欧州は政治的にも軍事的にもウクライナ戦争を続けられなくなった。フランスのマクロン大統領は間もなく中国を訪問し、習近平のウクライナ停戦案に賛成する。ブラジルはBRICS全体でウクライナ停戦和平を進めようと中国に提案している。習近平のウクライナ和平策は、意外に早く現実になっていく。まだ2年ぐらい続きそうだと思っていたウクライナ戦争が、今年中に停戦和平するかもしれない。その前にEUとNATOが機能不全に陥り、米欧金融システムとドル基軸体制=米国覇権が崩壊する。

田中宇のツイッターが増加抑止監獄に入れられている??
 【2023年3月28日】私のツイッターは昨年から、ツイッター社が問題視する登録者たちを隠然と抑止する「見え方操作策」(visibility filtering)の一つとおぼしき「フォロワー増加抑止監獄」(growth prison)に入れられている疑いがある。ウクライナ戦争など国際政治経済について鋭く分析している米国のブログ「アラバマの月」が、フォロワー増加抑止監獄に入れられていたと書き、それが私自身の状況に似ていたので、自分も「囚人」かもと思った。

悪化する米欧銀行危機
 【2023年3月25日】連銀がインフレ対策として1年続けてきた利上げとQTはいずれも失敗し、インフレがおさまらないまま銀行の連鎖破綻を引き起こしている。利上げもQTも超愚策で、何もしない方がましだった。いったん失われた銀行の信用は回復しない。米国の多くの銀行が、連銀からの資金注入という生命維持装置で形だけ生きながらえている植物人間・ゾンビになっている。名門ドイツ銀行までが、預金者や投資家からゾンビとみなされている。

中露モスクワ会談の意味
 【2023年3月23日】米欧が金融崩壊してドルの基軸性が失われていきそうな中で、中露主導の非米的・多極型の世界が立ち上がってきている。今回の習近平の訪露は、その立ち上がりを象徴する出来事だ。中露の政府は最近、多極化とか多極型世界といった言葉を頻繁に使っている。習近平の訪露の主眼は、中露結束による世界多極化推進・多極型世界の構築の加速であろう。

クレディスイス潰れたら欧州崩壊や米欧分裂
 【2023年3月19日】今の金融危機で、米覇権の衰退がさらに加速する。米国側はウクライナ戦争を続けられなくなり、欧州人が激怒して対米従属のエリート支配体制を打ち破り、欧州が対米従属をやめて対露和解していき、NATOが機能を停止する。クレディスイスがすぐに潰れれば、それが早回しされる。UBSによる合併で延命したら、この転換は少しゆっくり進む。

リーマン以上の危機の瀬戸際
 【2023年3月17日】クレディスイスは「大きすぎて潰せない銀行」の筆頭格だ。昨年の危機露呈後、延命しているがかなり脆弱で、今回のSVB発祥の新たな危機の影響を簡単に受けてしまっている。昨秋の繰り返し的に、スイス中銀が500億フランを「予防策」と称して注入したが、それでは足りないという指摘が出ている。クレディスイスが破綻すると、欧米両方の経済に大打撃を与える。それはリーマン倒産以上の衝撃になる。世界は、リーマン以上の危機の瀬戸際にある。

サウジをイランと和解させ対米従属から解放した中国
 【2023年3月17日】サウジは2018年ぐらいからイランと和解したかったが、中東の分断支配とイラン敵視を続ける米国に阻止されてきた。今回、中国が和解の仲裁に成功したことで、サウジや、サウジを盟主とするアラブ諸国は、米国より中国(中露)を頼る傾向になった。中露が中東の覇権を急拡大し、米国覇権の終わりが近づいている。

銀行救済を口実にQEが再開される?
 【2023年3月15日】米金融界では今回の銀行危機を利用して米連銀が銀行救済の名目でQEを再開し、その資金で銀行界の預金流出を穴埋めするだけでなく、利上げ停止とQE再開で債券価格を反騰させ、下がっている株価もテコ入れしてほしいという期待がふくらんでいる。今回の金融危機は、連銀がインフレ対策の名目でQEをやめてQTを進めていることから発生している。連銀が金融危機を止める名目で利上げを停止し、QTもやめてQE再開に転換すれば、銀行の危機は去り、債券や株の価格も反騰する。金融界は、何でもいいから理由をつけてQEを再開してもらいたい。

シリコンバレー銀行破綻の影響
 【2023年3月12日】今回のSVB破綻が、一直線にもっと大きな金融破綻につながっていくとは限らない。金融危機は、直截的でなく潜在的に危機が継続・肥大化していく。15年前のサブプライム危機からリーマン危機への流れもそうだった。米金融は当時よりはるかに蘇生力が落ちている。SVB破綻で崩壊しかけたシステムを延命させるための当局の資金も減っている。今後しばらく何も起こらず、金融システムがSVB破綻から立ち直ったと喧伝されるかもしれないが、蘇生は見かけだけだ。本質的な脆弱性が隠然と増加し、いずれ再び顕在化し、つぎはもっと大きな破綻を引き起こす。

グルジア(ジョージア)反政府暴動の背景
 【2023年3月10日】グルジア政府はウクライナ開戦後しばらく様子を見ていたが、経済を含めた複合戦争の全体でロシアが優勢になり、米ウクライナ側が不利になっていくのを見て、グルジア国内の敵である米傀儡のNGOに対する反撃を開始した。その一つが今回の、資金源の2割以上を外国からもらっているNGOなどに外国代理勢力としての登録を義務づける法律作りだった。親露なグルジア政府を敵視する米傀儡NGOの多くは、米欧から資金をもらっており、この法律ができると登録を義務づけられ、米国側のスパイ・売国奴であることを露呈させられる。

多極型覇権と中国
 【2023年3月8日】単独覇権体制はコスト高で儲からない。中国はユーラシア東部、ロシアは西部、インドは南部、サウジは中東、南アがアフリカ、ブラジルが南米をまとめていくといった多極型の方が、中国にとっても効率的で、儲かる貿易やインフラ整備、資源開発などだけ中国がやるという都合の良い状況を作れる。支配・被支配の一極支配より、多極型の方が双方にとって良い。

さらに進む覇権の多極化
 【2023年3月6日】非米側はウクライナ開戦後、BRICSや上海機構、一帯一路などを活用して、米国に依存せず察知もされない国際システムの形成を進めた。主導役は中国とロシアだ。ウクライナ戦争が長引くほど、非米側の世界システムが発達して使いやすくなり、今はまだお試し的にゆるく非米システムを使っている「ちょっと非米」の諸国が、しだいに本格的に非米システムを使うようになる。そのうち米連銀ののQTの自滅策がドル崩壊を引き起こし、米国側システムが使い物にならなくなり、使えるのは非米システムだけになる。

中国を敵視してロシアと結束させる
 【2023年2月26日】中国は米国側から敵視を強められるのと反比例して、一帯一路など非米諸国との経済関係を強化し、非米世界の雄になっている。先進諸国以外のほとんどの国が非米側の世界システムに入りつつつあり、それを中国が隠然と主導している。いずれ米国側は金融崩壊して覇権が瓦解する。その後の世界は非米側が中心になる。最近のバイデンのウクライナ訪問、米国側の中露敵視の強化は、こうした米覇権自滅と世界の非米化・多極化への流れを加速する動きとして出されてきた観がある。

欧米をますます不利にするバイデンのウクライナ訪問
 【2023年2月23日】ロシアがウクライナ滞在中のバイデンを攻撃しなかったことは、この戦争におけるロシアの「余裕」を表している。ロシアは、ウクライナ戦争とそれに伴う欧米による対露制裁が長引くほど、欧米が経済的に自滅して相対的・地政学的にロシアが優勢になるので、この戦争が延々と続くことを望んでいる。バイデンがキエフに来て戦争継続を鼓舞するのは、ロシアにとって望ましいことだった。

金融はいつまでもつのか
 【2023年2月20日】QTは2024年末まで続けられ、インフレはそのころも続いているだろうから2025年以降も金融緩和は行われず、高金利の状態がずっと続く。低金利が必須の債券金融システムは崩壊し続け、米国の覇権と、ドルや米国債の信用と価値も失われていく。欧州も自滅し、日韓は隠然と中国側に寄っていき、米覇権下の米国側全体が解体していく。反比例的に、中国ロシアBRICSサウジイランなどの非米側は、世界の資源類の大半を握って結束し、米国側と断絶した状態で隠然と繁栄していく。

ウクライナでゆるやかに敗けていく米欧
 【2023年2月13日】ロシア政府は、米国側の歪曲報道を放置している。露側は、ウクライナの制空権を握っているのはロシアだと繰り返し表明したりしない。RTなど露側マスコミも黙っている。露政府は、ウクライナ戦争での自国の優勢を隠し、この戦争が地上軍だけでゆっくり進み、一進一退っぽく延々と続くように仕向けている。この戦争が長引くほど、米国側とくに欧州がロシアからの石油ガスなど資源類の輸入を断って経済的に自滅していき、いずれ米欧の結束が崩れてNATOや米覇権体制が瓦解して多極化が進み、ロシアにとってうれしい世界体制に転換していく。

中国から迷い込んだ気球で茶番劇
 【2023年2月12日】中国が米軍をスパイするために気球を使うことはない。しかし気象観測用でもないなら、何の気球だったのか。私の見立ては、中国国内で警察など治安当局が、上空からの交通の監視や電波通信傍受用に飛ばしていた国内監視・治安維持用の気球だったのでないかというものだ。軍事と並び、国内治安維持や国民監視の分野も、システムを国家秘密にしておかねばならない。だから中国政府は、気球の正体を正確に発表できず、民間の気象観測気球だとウソを発表せざるを得なかった。

ウクライナ戦争をやめたくてもやめられない米国側
 【2023年1月31日】ウクライナ戦争の和解交渉はない。停戦できないから延々と戦争が続く。戦争が続くほど中露が結束し、日本を追い越して世界最強の製造業を持つ中国は、安くて大量なロシアの石油ガス資源類を得てますます強くなる。中露のまわりにサウジやイラン、BRICSなど、他の資源諸国や大市場諸国も集まり、非米側は米国側の先進諸国をしのぐ経済力を持って台頭していく。世界は米単独覇権体制から、多極型の覇権体制に転換していく。ウクライナを早く停戦させれば米覇権の解体・喪失を防げるかもしれないが、ゼレンスキーが了承しないので停戦できない。ランド研の警告は正しいが無視される。

ドル崩壊への準備をするBRICS
 【2023年1月29日】ウクライナ戦争が長引くほど米国側のインフレがひどくなり、インフレ対策として利上げとQTをやめられなくなり、ドルと債券の金融バブルの崩壊が不可避になっている。非米側は、漫然とドルを決済・備蓄通貨として使い続けていると、いずれ起きるドル崩壊によって米国側と一緒に潰れてしまう。BRICSを筆頭とする非米側は、早く自前の決済・備蓄通貨のシステムを作り、ドル使用をやめねばならない。

米国側の自滅を加速するダボス会議
 【2023年1月24日】以前のエスタブ権威筋は、マスコミの歪曲報道を乗り越えて現実をとらえた上で議論できた。たとえば表向き「米国はイラクやアフガニスタンの占領政策が成功して覇権が隆々としている」と報じられていても、ダボス会議などエスタブどうしの議論では「イラクもアフガンも失敗し、米覇権が浪費されている。どうしたら良いか」という話が通っていた。しかしコロナ危機開始後この状況は消え、コロナや温暖化、ウクライナ戦争などに関して報じられているインチキ話を本気で信じ(るふりができ)ない人はエスタブ権威筋から外されて潰される。正しい分析ができないので正しい戦略を作れず、米覇権の衰退に拍車をかけている。

バイデンの機密文書放置事件はクーデター未遂?
 【2023年1月19日】オバマ元大統領らは、ウクライナ戦争などで中露を結束させて米覇権を自滅させているバイデン政権の続投を阻みたい。バイデン政権内でオバマの息がかかった勢力が、機密文書の放置を公式な話にしてしまう政治的な失策をわざとやり、スキャンダルを起こしてバイデン政権を危機に陥れ、共和党にバイデン弾劾劇をやらせたり、民主党内でバイデンを続投させない動きを広げようとしたのでないか。そんな見方が米政界で出ている。しかし、この件が報道され始めてから10日経ったが、スキャンダルは大きくならず、むしろ沈静化している。

中国の興隆でどうする日本
 【2023年1月15日】日本の権力を握る自民党は、米中両属の隠然体制を作った安倍晋三が米諜報界に殺された後も、米中両属の姿勢を保ち、米国や反中世論の圧力を受けてやむを得ず中国敵視するという領域を越えて主体的に中国と敵対するつもりはない。だが、今後もこの状態を続けられるか不明だ。中国敵視を強めた政治家の人気が増すプロパガンダ体制が構築されて久しい。加えて米国からの圧力が強まると、日本の権力中枢を本気の中国敵視勢力が席巻し、安倍晋三が作った両属体制が壊れ、日本は欧州みたいな自滅の道に入り込む。そのために米諜報界が安倍晋三を殺したと考えられる。

コロナ対策やめて世界経済の中心になる中国
 【2023年1月9日】中国は今年からゼロコロナ策を放棄して経済成長を再開し、消費市場もしだいに活況になるが、対照的に欧州など米国側の多くの地域はひどい不況とインフレ再燃・金利上昇による経済難が続く。中国は、世界で最も経済が再活性化していく地域になる。中国は世界の実体経済の中心になっていく。米国側の企業は、旺盛な消費を再開する中国に製品を売りたいと希望する。中国側は歓迎だ。しかし、一つだけ条件がある。それは「中国を敵視する国からは買いません」ということだ。

対米離反と対露接近を加速するイスラエル
 【2023年1月8日】ネタニヤフは1月4日、今後は国際社会からの圧力に従うことよりもイスラエルの国益を優先する外交政策をとる、と表明した。その意味するところは「パレスチナ問題で欧米から批判されても無視して、イスラエルの国益のためにパレスチナに対する弾圧を続ける」という話のほかに「欧米からロシアを敵視しろと加圧されても拒否し、イスラエルはロシアと仲良くする。ロシアは、イスラエルの安全にとって重要なシリアの制空権を握っているから」という話でもある。

多極化の決定打になる中国とサウジの結託
 【2023年1月6日】中露サウジが見ているのは短期やスポットの市場でない。世界の石油ガス貿易の多くは10-30年の長期契約だ。今後5-15年ぐらいで契約更新期に入る。欧米諸国が、以前と同じように契約更新できると思っていると、OPEC側から「石油ガスは人権侵害など歪曲的なレッテルを貼らない中国側に売ってしまいました。売り切れです」と言われる。米国側は石油ガスを買いにくくなっていく。25年後には、ドルの基軸性が大幅に低下している。ドル建てで売ってくれる産油国は減っていく。


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