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米諜報界の世界戦略としての新型コロナ

2022年8月4日   田中 宇

ウクライナ戦争、地球温暖化、新型コロナという3つの世界規模の危機は、米諜報界が欧米の経済や覇権を自滅させて世界を多極化するための策だ。今回はそのうち、あまり分析してこなかったコロナについて分析していく。まずはコロナ以外の2つを簡単に説明する。ウクライナ戦争は、米諜報界がロシアを誘導して侵攻させ、諜報界のロシア敵視策に乗せられた米国側の諸国が対露制裁として石油ガス資源類の輸入を止めて経済的に自滅し、露中印など非米諸国は結束して米国に頼らない経済構造を作り、米覇権の衰退と多極化が進んでいる。この件はすでにたくさん書いた。 (ロシア・ウクライナ関連記事集) (米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化

地球温暖化については、石油ガス燃焼など人為で排出された二酸化炭素(など温室効果ガス)によって地球が温暖化したという「温暖化人為説」が根拠が薄い話なのに、諜報界の息がかかった米英の著名な学者やマスコミが、人為説こそ確定した事実であると主張し、人為説を疑問視するまっとうな考えの者たちを攻撃して沈黙させて「温暖化問題」「気候危機」を捏造した。温暖化対策は当初、先進諸国(米国側)が省エネを進めて化石燃料の使用を減らして手本を示した後、中国インドなど新興・途上諸国(非米側)に温暖化対策を強要し、それをやり切れない新興諸国から罰金的な排出権をとって経済成長の果実を先進国がピンはねする策略として構想された。2000年代より前、温暖化問題を演出した米諜報界の主流派は、米国覇権の永続を希求する勢力だった。 (Climate Change Dictates Are Self Destructive - But Also Part Of A Bigger Agenda) (ひどくなる大リセット系の嫌がらせ

だがその後イラク戦争などを機に、諜報界では、米覇権を自滅させて多極化を進めたい多極派が強くなった。諜報界の覇権維持派は「帝国の論理」で動いており、多極派は「資本の論理」で動いている。両者は英米の最上層部で第一次大戦前からずっと暗闘してきた。 (資本の論理と帝国の論理) (田中宇史観:世界帝国から多極化へ

多極派は、中国に主導された非米諸国が国連などを席巻して温暖化対策の主導権を米国側から奪うように誘導した。温暖化問題は、先進諸国だけが経済を自滅させらされる話に変質した。先進諸国がやる気を失うと、諜報界はグレタ・トゥンベリら若手活動家を担ぎ出し、自滅的な温暖化対策をやりたがらない欧州などを強く非難させるプロパガンダの策略をやった(トゥンベリの役回りは欧州を自滅させることで、ウクライナのゼレンスキーと同じ)。以前は、世界の石油ガス利権のほとんどを米英が持っていたが、温暖化問題が騒がれている間に米英が利権が手放し、それを非米諸国が拾い集め、今では世界の石油ガス利権の大半を非米側が持っている。米諜報界の多極派は、インチキな温暖化問題によって、資源面の米覇権崩壊と多極化を実現した。さらにその後、先進諸国はウクライナ戦争で石油ガス不足に陥り、温暖化対策どころでなくなっている。 (Greta Fumes As EU Declares Nuclear & NatGas 'Green') (The "Net Zero" Agenda Has Devastating Consequences...) (コロナの次は温暖化ディストピア

新型コロナは、世界の死者の総数をほとんど増やしていない。統計上「コロナの死者」とされた人のほとんどは真の死因がコロナ以外であり、コロナの死者数を誇張する策が世界的に採られてきた。誇張策を外して考えると、コロナは発祥直後から人類をあまり死なせていない。当初から病気としての致死性は、風邪やインフルエンザなど、それまであった類似の病気とさして変わらなかった。発祥後変異を繰り返し、変異するほど感染力が強まるが、致死性・重篤性が下がる。むしろ最近は世界的に、コロナワクチンに起因すると思われる死者の方が増えている。 (Our latest polls show twice as many people died from the vaccine as from COVID) ("Omicron Death!" - Pandemic Pandemonia Reaches New Heights..) (Global CV19 Vax Absolute Insanity

コロナは変異して重篤性が下がった。今でもコロナの発症者は多いが、重篤になる人は以前よりずっと少なく、すでにコロナは風邪と同じエンデミックである。もう重篤性が低いのだから、WHOがパンデミック指定を延々と続けているのは間違いだ。人類は昔から、何種類かの風邪(旧型コロナ)やインフルエンザと共存してきたが、新型コロナもそれに加わり、今後もずっと発症者が出続けるかもしれない。風邪の種類が増えただけだ。騒ぐ必要はない。WHOが(パンデミ条約が制定されるまで)パンデミック指定を外さないので、世界的に無意味な騒動が続いている。 (MSN Quietly Deleted a Story Revealing That Severe COVID-19 is Rarely Found in the Unvaccinated.) (Canada’s Health Minister: “You Will Never Be Fully Vaxxed”

(昔から旧型コロナが繰り返し発生してきたことからは、集団免疫が形成されていないことが感じられる。コロナウイルスの多くは重篤に発症しにくいので、発症による特定免疫の生成が進まず、そのため集団免疫が形成されにくいのかもしれない。パンデミック指定される感染症は通常、重篤に発症するので発症後に特定免疫が生成される。新型コロナは、パンデミックとしての威力が低く、もともとパンデミック指定すべきだったのかどうか疑わしいグレーゾーンの病気だったとも考えられる。医学が政治によって大幅に歪曲されている) (CV19 Vax Deadliest Fraud in History) (病気として終わっても支配として続く新型コロナ

コロナウイルスは昔から将来まで全般的に、生来の自然免疫で乗り越えるべき病気だ。コロナウイルスは旧型も新型も、重篤性の低さと変異のしやすさ、特定免疫の作られにくさゆえに、ワクチンが体内に定着しにくく、戦後ドイツなどでワクチン開発が試みられたが成功せず、製品化されなかった。今回の新型コロナのワクチンだけが効くものであるはずがない。先進諸国(や中露?)で打たれているワクチンはほとんど効かず、短期間しか効果がない。コロナワクチンは効かないので人々は連打させられているが、ワクチンの連打は生来の自然免疫を機能低下させ、逆にコロナやその他の病気にかかりやすくなってしまう。各種の副作用もある。コロナワクチンは史上最大の「薬害」である。打つべきでない。マスコミ権威筋はその事実を全く無視して、人々に危険なワクチンの連打を奨励する人道犯罪をやっている。 (コロナワクチンもうやめて) (700 Million Worldwide Will Die from CV19 Vax by 2028

新型コロナは米諜報界が起こした事件だ。新型コロナは、中国の武漢ウイルス研究所で、ワクチン開発などに役立てる目的で、コウモリのコロナウイルスを中型哺乳類に感染させ、ヒトにも感染しうるウイルスを作ってみる「機能獲得研究」をしている最中のウイルスが外部に漏洩し、人々を感染させたことで始まった可能性が高い。 (米中共同開発の生物兵器が漏洩して新型コロナに?) (Rand Paul says Fauci lied to him over US-funded research

新型コロナのウイルスは、自然界で形成されたと考えにくい、人為で挿入されたと推測される12ヌクレオチドのアミノ酸配列を内包しており、この配列があるがゆえに感染力が強くなっている。この12ヌクレオチドは「人為の指紋」だ。コロナのウイルスは、人が遺伝子を組み換えて作ったものである可能性が高い。このことは、発祥直後の2020年2月に米政府の専門家たちが新型コロナについて議論した際にも指摘されている「事実」だ。 (10 reasons why scientists believe coronavirus originated from lab in Wuhan, China) (Emails Show That Fauci, Collins Exerted Influence ★重要★

武漢のウイルス研では、コウモリのコロナウイルスの遺伝子を組み替えてネコやヒトに感染しやすくする機能獲得研究が行われていた。実験中のウイルスが漏洩して新型コロナになったと考えるのが最も合理的だ。武漢市内の野生動物市場で生きたまま売られていた野生動物がコウモリのコロナに感染しており、それが偶然ヒトに感染したという、中国政府が示唆してきた発祥経路は、研究所からの漏洩に比べ、可能性がはるかに低い。動物市場説では、ウイルスに「人為の指紋」がついていることの説明が全くつかない。 (武漢コロナウイルスの周辺) (New Details Emerge About Coronavirus Research at Chinese Lab

武漢ウイルス研究所での機能獲得研究には、米国が資金の一部(全部?)を出していた。米政府は、ヒトに感染しうるウイルスを扱う危険な機能獲得研究を国内でやらず、中国にやってもらって研究成果を共有する代わりに研究資金を出すことをやっていた。米政府(国立衛生研究所。NIH)が直接に武漢研究所の危険な研究に出資すると問題になるので、NIHはエコヘルス・アライアンスというNGOを経由して資金を武漢に出していた。NIHでこの事業を進めていたのは、その後米政府の「コロナ皇帝(ツァー)」としてコロナ対策の全権を握るようになったアンソニー・ファウチだった。 (Fauci Refuses To 'Stop Funding Chinese' Research With US Tax Dollars) (‘Fauci Unmasked’: Daily Wire Releases New Docuseries

米政府と中国側(武漢研究所やその上の中共政府)の間を取り持って、コロナウイルスの危険な機能獲得研究のための資金が米国から中国に供給される際の迂回役となったエコヘルスは、SARS、MERS、エボラ熱など、動物からヒトに感染して発祥しうる世界各地の感染症の研究を支援する米国のNGOで、2002年のSARS(新型コロナと同様、コウモリ由来のコロナウイルス)の時から中国と密接な関係を維持していた(中国はコウモリ由来のコロナウイルスの宝庫で、その研究の中心が武漢研)。エコヘルスの主催者は、英国出身の動物学者ピーター・ダザックで、彼は中国の動物由来のコロナウイルスを米国で最も深く調べてきた研究者でもあった。 (Peter Daszak - Wikipedia) (EcoHealth Alliance - Wikipedia

ダザックは武漢研など中国側と親密だったのと同時に、米研究界の権威でもあったためWHOの感染症対策の部門に対しても発言力があった。ダザックは、コロナ危機発生後、コロナウイルスの発祥地が武漢研からの漏洩でないかと世界が疑った時に、WHOなどでさかんにロビー活動し、武漢研が発祥地だとの説を無力化し、中国で称賛されている。ダザックは中国の傀儡であるかのように見えるが、その一方で同僚(Andrew Huff)に対し、自分はCIAなんだと漏らしている。この彼自身の告白に頼るまでもなく、中国の危険なウイルス研究に深く関与してきたダザックのような専門家がCIAなど米諜報界で重宝されないはずがない。ウイルスとワクチンを合わせて使うと生物兵器になりうる。ウイルス研究は軍事分野でもある。ダザックは、米諜報界の要員でもあった可能性が高い。 (Peter Daszak Worked For CIA, EcoHealth Alliance Is A 'CIA Front Organization') (EcoHealth Throws NIH Under The Bus Over Wuhan Gain-Of-Function Report; Researcher Claims 'Massive Cover-Up'

ダザックより上位にいたファウチも、感染症の専門家で米大統領の顧問役を長くつとめ、HIVや炭疽菌、SARS、エボラ熱など、医療と外交政治軍事が交差する分野をずっと担当してきており、諜報界の人である可能性が高い。米国側の担当が諜報界であるなら、中国側の担当も諜報界であるはずだ。実際、武漢ウイルス研究所には中国軍(軍事諜報界)も関与している。武漢研では、米中の諜報界が協力してコウモリのコロナウイルスをネコなどに感染させ、ヒトに伝染しうるウイルスを試作する機能獲得研究をしていた。そこで試作中のウイルスが外部に漏洩し、致死性など大変さが誇張されつつ、世界的な危機に発展した。 (Has The Lab Leak Theory Really Been Disproved?) (Now scientists find virus contains tiny chunk of DNA that matches sequence patented by Moderna THREE YEARS before pandemic began

ウイルスは、どのように漏洩したのだろうか。研究所内は厳しい防止策を採っていた。中国側の重過失で漏洩したのか??。その可能性よりも、むしろ、中国側が信用していた研究者たちの中に、米諜報界のスパイになっていた者が含まれていて、その人物が米国側の司令・誘導で漏洩を引き起こした可能性の方が高い。武漢研の研究者の多くは米国での留学経験があり、米国滞在中に米諜報界のスパイにさせられた者がいても不思議でない。武漢研は、米中の諜報界が協調するふりをして攻防する場でもあった。漏洩は、単純な重過失でなく諜報事件として起きたはずだ。 (Behind the Scenes of the Natural Origin Narrative

ファウチやダザックが中国側の誰かを操って漏洩させたのか??。そうではないだろう。ファウチやダザックは武漢研での米中共同研究の責任者であり、漏洩事件が起きたら彼らの責任にされる。彼らは、漏洩が起きて感染が世界に拡大し始めた後、中国側と結託して漏洩の事実を必死で隠し、コロナの発祥経路は研究所からの漏洩でなく、動物市場での感染など何か別の経路だという話にしてしまった。漏洩を引き起こしたのは、米諜報界の他の勢力であり、それはおそらくファウチやダザックより上位の勢力で、彼らが世界的なコロナ危機の黒幕だろう。 (コロナのインチキが世界的にバレていく) (Dr. Peter McCullough: Official COVID "Narrative Has Crumbled"

米諜報界の上層部は、ファウチが責任者をしていた武漢研で米中共同研究中のウイルスを漏洩させてコロナ危機を発祥させたが、その後、米国のコロナ対策の最高責任者(コロナ皇帝)をファウチにやらせた。こうすることにより、ファウチは全力でウイルス漏洩の真の経路を隠蔽し、米諜報界が中国と共同で試作していたウイルスが漏洩したという事実を隠蔽できる。諜報界にとって好都合だ。ファウチは諜報界の言いなりで、感染対策に全く効果がなく経済を自滅させるだけの超愚策な都市閉鎖(ロックダウン)を米欧先進諸国の全体にやらせていった。効かないワクチンを人々に反復接種させる超愚策も進んでいる。多極派が牛耳る米諜報界は、コロナ危機を使って米欧の経済を自滅させていくことに成功した。 (コロナ危機は世界大戦の代わり) (India To Probe Wuhan Institute Of Virology

だが、この策には落とし穴もあった。コロナ危機の開始後、米国では、2020年秋の大統領選で民主党が不正をやって勝ったことや、2021年1月6日の米議事堂占拠事件で共和党が濡れ衣を着せられたことなどを経て、民主党と共和党の対立が激化した。共和党の中にはコロナの超愚策に強く反対する勢力が強く、その一人であるランド・ポール上院議員らは、コロナ対策の全権を握って超愚策を推進してきたファウチのスキャンダルを暴き始めた。漏洩したコロナウイルスを作っていた中国武漢研の機能獲得研究の米国側の責任者がファウチであること、危険な機能獲得研究に政府資金を出すのは違法であること、ファウチはそれを知りながらエコヘルス経由の迂回ルートで武漢研に資金を出していたことが、まず問題にされた。 (Rand Paul Demands Answers After NIH Admits Redacting COVID-19 Origins Emails 'To Prevent Misinformation') (Fauci, Birx, & The Small-Print That Destroyed America

さらにポールらは今年1月、ファウチとその周りの米国の有力な研究者たちがコロナ発祥直後の2020年2月ごろにコロナの発祥経路について議論した時のメールの束やメモ類をNIHなど米当局に出させた。その結果、コロナ発祥後、ファウチが、米国の有力な研究者たちに圧力をかけて議論を歪曲し、ウイルスが武漢研からの漏洩であるという事実を隠したことも暴露された。 (Emails Show That Fauci, Collins Exerted Influence ★提出されたメモ★) (Fauci Knew About Likely Lab-Leak From Secret Teleconference, Pushed Alternate Narrative Instead

暴露された有力研究者たちの議論の中では、ボブ・ギャリー(Bob Garry、Tulane School of Medicine)が「新型コロナのウイルスは、自然界で形成されたと考えにくい、人為で挿入されたと推測される12ヌクレオチドのアミノ酸配列を内包し、この配列があるがゆえに感染力が強くなっており、このウイルスは人が遺伝子を組み換えて作ったものである可能性か高い」という趣旨を指摘した。だが、ファウチは研究者の間の議論を、野生動物市場での感染という自然発生説に傾けていき、最後は急いで結論を出すべきでないという話にしてしまった。 (Emails Show That Fauci, Collins Exerted Influence ★重要★) (New Emails Expose Fauci's Role In Shaping Highly Influential Paper That Established COVID "Natural Origin" Narrative

その後、人為で遺伝子を組み替えたウイルスが武漢研から漏洩したという説を出したボブ・ギャリーは、自説を180度「訂正」して、武漢野性動物市場で発祥した可能性が高いという説をマスコミに流している。ギャリーは、研究者としての地位を保持するため、ファウチの意に沿うように自説を曲げたのだろう。 (Sars-Cov-2 Origins With Robert Garry) (Lab leak Covid-19 theory is like something out of a comic book, virologist says) (Do three new studies add up to proof of COVID-19’s origin in a Wuhan animal market?

(911事件当日、破壊された世界貿易センタービルが内部に爆弾を設置された制御崩壊だったのでないかと指摘したものの、その後「訂正」させられた米軍の制御崩壊の専門家バン・ロメロのケースを想起させる) (崩れない911公式論

ファウチはウイルスと武漢研の関係を曖昧にする隠蔽工作に成功し、これによりコロナ皇帝としての権力を維持してきた。だが、その経緯はランド・ポールら共和党によって暴かれつつある。今のところ共和党は野党でマスコミにも敵視されているため、この件は大きな話になっていない。日本でも報じられていない。米国側のマスコミはコロナ(や温暖化やウクライナ)のウソの構図を隠蔽する側だ。だが、11月の中間選挙で(民主党が不正をせず)共和党が議会の上下院の多数派を奪還すると、その後、ファウチやNIHの最上層部がコロナの発祥を歪曲して権力を保持し、効かないと知りつつ都市閉鎖やワクチン連打などの超愚策を米国と世界に強要してきたことが米議会で正式に暴露され、マスコミも無視できない大きな話になっていく可能性がある。 (Member Of European Parliament Labels COVID Vaccine Coercion "Worst Crime Ever Committed On Humanity") (New COVID-19 Variant "Sensationalized" By Fauci, White House: Sen. Paul

ファウチやその上の米諜報界の勢力は、中国側(中共)と結託してコロナ危機を展開した。米国側と中国側はまず、コロナのウイルスが武漢研からの漏洩だったことを隠蔽する発祥経路の歪曲について共謀して成功した。同時に、中国がコロナ対策として大規模な都市閉鎖を行い、都市閉鎖がコロナ対策の中心であることを世界に印象づけた。都市閉鎖がコロナ対策として効き目のない超愚策であることは実施後間もなくわかったはずだが、習近平の中共政府は2020年2月から5月まで大規模な都市閉鎖を続け、その後も断続的にやっている。習近平は、都市閉鎖が自分の独裁体制を強化できるので延々と都市閉鎖を続けている。 (China Flips Out After WHO Says Lab-Leak Theory Needs Further Study) (WHO's Tedros Privately Admits Lab Leak 'Most Likely Explanation' For COVID-19

都市閉鎖は経済を自滅させる。それは中国も欧米も同じだが、中国では独裁強化という習近平にとっての利点がある。欧米は経済自滅だけだ。武漢研からウイルスを漏洩させてコロナ危機を起こした米諜報界の勢力は米覇権(欧米中心体制)を自滅させるとともに中国など非米側を台頭させて世界を多極化したい勢力(多極派。資本の論理)であり、欧米経済の自滅と習近平独裁の強化は彼らの目標に合致している。 (China Suggests It Could Maintain 'Zero COVID' Policy For 5 Years) (習近平を強める米中新冷戦

中国は、胡錦濤までのリベラル標榜のトウ小平体制の時に米国覇権下の国として機能していたが、習近平がリベラル体制を壊して独裁を強化するとともに、非米的な色彩を強めつつ台頭し、米国と対等な大国になった。習近平の独裁強化は、中国を非米化し、世界の体制を多極型に転換している。米中(米諜報界の多極派と習近平)は共謀してコロナ危機を演出し、欧米経済の自滅と、中国の体制強化、世界の多極化(資本の論理)を推進している。 (世界資本家とコラボする習近平の中国) (The Pandemic Treaty Is a Spreading Plague

コロナ危機は、国際旅客航空路の多くを停止し、人々の国際的な移動を大きく阻害した。米諜報界には隠れ多極派もいるが、以前からの米英覇権維持派もいる。覇権維持派は中国など非米諸国に入り込んでスパイ網を形成し、反米化した諸国の政権転覆を試みる。このような諜報界覇権派による非米諸国へのスパイ活動を不可能にするために、国際航空路の停止が大いに役立った。コロナ対策の一環としての国際航空路の停止はスパイの行き来を不可能にし、米英の諜報能力を大幅に低下させた。人的交流が3年も止まればスパイ網は消滅する。これも隠れ多極派による米覇権つぶし・多極化策の一つと考えられる。 (コロナ危機による国際ネットワークの解体) (Airline CEOs Demand End of Federal Mask Mandate: These Rules ‘No Longer Make Sense’

コロナ危機を醸成した米多極派と中共は、結託してWHOを牛耳り続けている。彼ら米中多極派はコロナが3年目に入った今年、自分たちの世界支配力を保持するため、次のパンデミックが起きたら自動的に世界中の諸国の国家主権を剥奪・制限し、米中多極派が牛耳るWHOに決定権(パンデミック対策を口実にした覇権)を持たせる「パンデミック条約」を各国に署名批准させて締結しようとしている。条約が発効し、サル疱瘡であれ鳥インフルであれ、適当な次の国際感染症が出てきて重篤性が誇張されてパンデミックに指定されれば、世界中の国権が剥奪・制限され、米中多極派が牛耳るWHOが世界を支配する体制が再び作られる。 (世界の国権を剥奪するコロナ新条約) (World Health Organization treaty is an attack on national sovereignty, part of a ‘global coup’) (“Pandemic Treaty” will hand WHO keys to global government

中国と米多極派は、ロシアインドなど非米諸国の国権だけは拡大させる(米国に制裁されるほど非米側が台頭する)が、欧米の国権は踏みにじり、さらなる経済自滅を強いていく。欧米で覇権維持派のエリート支配が崩壊し、覇権を放棄して非米側と協調するポピュリズム政権に転換していく。日韓など欧米以外の親米諸国は、非米諸国とも協調する中立の姿勢に変わっていく。コロナ危機や次の捏造パンデミックは、ウクライナ戦争や、地球温暖化対策など、欧米を自滅させる他の2つの「多極派が醸成した危機」と相まって、米国覇権の自滅と多極化を進行させていく。 (人類を怒らせるための大リセット) (EU Renews Digital COVID Pass Despite 99% Negative Public Feedback



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