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米国が英国を無力化する必要性

2019年7月13日   田中 宇

「第2次大戦後の米国覇権は英国(英諜報界)が黒幕であり、米国は、英国に覇権運営を隠然と牛耳られている状態から自由になりたくて、ベトナム戦争からニクソンショック、米中・米ソ和解、911、イラク戦争、リーマン危機、QE、トランプ現象までの奇妙な動きを繰り返してきたのでないか」。これは、以前からの私の仮説の一つである。この仮説に依拠すると、戦後世界の最重要事項は「米英間の裏(諜報)の関係」ということになる。この仮説は世間的に、たぶん今後も仮説(田中宇の妄想・陰謀論 笑 )の領域から出られない。英国は巧妙な「奥の黒幕」なので、英国が米国を牛耳っていると言える証拠が出てこないからだ。だが、近現代のはじめ以来の歴史の流れを考察すると、この仮説の不自然さが意外と少ないことに気づく。 (軍産の世界支配を壊すトランプ) (覇権の起源

英国は19世紀から20世紀にかけて世界的な覇権国(大英帝国)だったが、その支配力は、英国が王室(王侯貴族たち)とユダヤ資本家たち(ロスチャイルドなど)との連合体だったことに起因する。ユダヤ資本家は、イスラム帝国が栄えていた中世以来、欧州から中東ロシア北アフリカにかけての広い範囲(地中海世界。キリスト教世界とイスラム教世界の両方)に商業ネットワークを持ち、このネットワークが諜報網としても機能していた。英国(王侯貴族)は、このネットワークの有用性に早くから気づき、ユダヤ資本家を厚遇して連立することで、世界的に無比な諜報力と資金運用力を手中に収め、工業、航路、鉄道、軍備の急拡大を可能にした18世紀後半の産業革命を経て、人類初の世界覇権である大英帝国を立ち上げた。ユダヤ(=英国)の諜報網は、大英帝国の拡大とともに、地中海から全世界に拡大した。 (覇権の起源:ユダヤ・ネットワーク

英国は、世界支配を安上がりなものにするため、フランスや独伊露など他の欧州諸国にも産業革命や帝国化を許し、英国と他の諸大国(列強)が談合して世界を支配する構造を作った。今の「国際協調主義」の原型だ。これは一見、他者を許容するリベラル主義に基づくように見えるが、実はそうでなく、世界支配に最も必要な地域を英国が取り、残りをフランスなど他の列強に支配させることで覇権運営を安上がりにする一方、卓越した英国の諜報力で他の列強を監視し、英国にとって不利な動きを予防することで、英国の世界支配を維持する隠然策だった。列強が談合することで、新たな強い大国が出てきた場合に協力して対抗できた。

帝国の運営を安上がりなものにする必要があったのは、英国の上層部を構成していた王侯貴族とユダヤ資本家との間で、世界(大英帝国)の運営方針が異なっていたからだった。王侯貴族は英国の国家の恒久的繁栄を願う帝国主義・覇権主義だったのに対し、ユダヤ資本家は世界経済の恒久的な発展(金儲け)を願う、国家に依拠しない根無し草の国際資本主義だった。 (資本の論理と帝国の論理

資本の側は、世界中の植民地を独立させることで、経済発展に必要な国民革命と産業革命を世界に拡大しようとした。帝国の側は、植民地を独立させると世界各地に新興諸国が出現し、英国の覇権が崩されてしまうので嫌がったが、最終的には資本の側の方が強いので、それを見越して帝国の側は世界を欧州列強で分割して植民地化する策略を進めた。アフリカや中東、東南アジア、中南米などに無数の諸国が作られ、それらは独立しても相互に国境紛争や民族紛争などで疲弊するような仕掛けを独立時に内包され、すべての植民地が独立しても英国(列強)の優位が揺るがないようにした。印パ対立が象徴的だ。

英国の世界支配は2度の大戦によって崩れ、すべての植民地が独立することになったが、2度の大戦は、資本の側が英国覇権(帝国の側)を無力化させる(潰す)ために引き起こした観がある。列強内の新興国であるドイツや日本を扇動して英国に立ち向かうように仕向け、列強を共食いさせて英国覇権を潰そうとした。英国覇権を潰したら、反英的な新興国だった米国が事務局となって「覇権の機関化」をする(国際連盟、国際連合を作り、そこに覇権を移設する)シナリオだった。 (田中宇史観:世界帝国から多極化へ

米国は、英国が産業革命に入って世界帝国になる道が開けてきた18世紀末に、資本の側が北米の入植植民地を英国から独立させて作った反英的な国だった。米国の国是は「自由」だが、これはもともと「英国(大英帝国、覇権)からの自由」を意味していた(その後、英国によってこの意味が換骨奪胎され「英米が協調して世界を自由化していくこと」にすり替えられた)。 (世界のデザインをめぐる200年の暗闘

米国(資本の側。ロックフェラーなど)は2度の大戦で、ドイツと英国を戦争させて英国を窮地に陥らせた上で、英国に味方して参戦し、参戦の条件として英国に覇権の機関化を認めさせ、国際連盟と国際連合を作ったが、国際連盟は第1次大戦後、英国の巧妙な外交によって諸大国が対立して機能不全に陥らされ、国際連合も第2次大戦後、英国の巧妙な外交によって冷戦を起こされて米英と中ソの対立が構築され、機能不全に陥らされた。

20世紀の始め、すでに世界が英国など列強の覇権下に入り、航路と鉄路で世界のほとんどの地域に行けるようになって世界が一つの市場になるグローバリゼーションの見通しが立ち始め、資本の側や世界経済の成長の観点からすると、世界を分割支配したがる大英帝国は、なくなってくれた方が良いものになっていた。2度の大戦は、国際資本家たちが覇権国だった英国を潰すために起こしたものだったと言える。英国は戦後も覇権を黒幕的に維持したので、資本家vs英国である2度の大戦は、英国の勝利(辛勝)に終わった。

戦前の米国は諜報機関を持っていなかった。英国は、覇権国になるには諜報機関が必要だから作ってやると米国に持ちかけ、英国の肝いりで米国にCIAなど諜報界が新設されたが、米諜報界には創設時から英国のスパイが無数に入り込み、彼らの息のかかった勢力が米国内の外交界(国務省)や軍部(国防総省)、マスコミ、学術界、政界などを席巻するようになり、米国の上層部が隠然と英国に支配されていった。チャーチルが1946年に訪米してソ連敵視の「鉄のカーテン演説」を発した後、米国内の英国のスパイたちがソ連敵視を扇動し、米国は冷戦構造に飲み込まれるとともに英国に牛耳られ始めた。この英国のスパイたちのネットワークが「軍産複合体」と呼ばれるようになった。 (Trump's Relationship To Russia & China: A Revival Of The Henry Wallace Doctrine?

米国は第2次大戦後、国際連合という覇権機関(世界政府)の実質的な事務局をやるはずだったが、英国から冷戦を起こされ、国連安保理は米ソ対立の場と化して無力化された。2度の大戦は英国の覇権を潰すはずが、逆に米国を英国の傀儡にする結果となった。英国は諜報機能を通じて米国のプロパガンダ(国民意識の操作)部門を牛耳り、反英的な国だった米国が、米英同盟を最重視する国に変質させられた。英国は戦時中に、米国や、カナダ豪州NZという英国系の3か国を誘い、アングロサクソンの諜報同盟(諜報共有機構)である「5つの目(Five Eyes)」を作り、戦後この同盟をずっと維持したが、これも本質的に、米国の諜報や外交の活動を英国が監視して牛耳るためのものだった。

「外交専門家(=英傀儡)」の人々は「戦後の英国は国力が弱体化し、米国を牛耳る力などない」と言うが、これは(うっかり)傀儡ならでは間違いだ。いったん英国のスパイ(うっかりスパイを大量に含む)を自己増殖的に米国や同盟諸国の上層部に入れると、あとは国力に関係なく、米国の機密が英国に入り続け、英国が米国と同盟諸国を操る構図が維持される。いわゆる「軍産複合体」には「英」の文字がない。英国(諜報界)は、米中枢を操る黒幕である軍産を操る「奥の黒幕」である。奥にいるので存在がばれない。

冷戦開始後、時間がたつにつれて、米国上層部の本来の勢力(資本の側)が諜報界で力を盛り返し、ニクソンとレーガンという2つの共和党政権が英国側を押しのけて冷戦を終わらせた(ニクソンはウォーターゲート事件で英国側から仕返しされて失脚した)。ニクソン以後、レーガン(その後継であるパパブッシュ)、子ブッシュ、トランプと、歴代の共和党政権が、あの手この手で英国系(軍産複合体)を出しぬいて、英国系潰し・資本の側の策への戻し(冷戦終結、覇権の自滅策)をやり続けてきた。対照的に民主党政権は、クリントンなど英国系か、もしくはオバマやカーターのようにどっちつかずで終わっている。最近では、ヒラリー・クリントン候補の時の民主党本部が英諜報界(MI6)に資金を出し、トランプとロシアの関係を濡れ衣的にでっち上げるスティール報告書を作らせており、米民主党と英諜報界・軍産との癒着を象徴している。 (ロシアゲートで軍産に反撃するトランプ共和党

ニクソンとレーガンは冷戦を終わらせたが、それだけでは軍産英複合体の覇権が壊れなかった。軍産英は米国を牛耳ってきたのと同様の手法で、対米従属的な欧州や日豪加など米同盟諸国の外交戦略の根幹をも牛耳っており、それがG7などのかたちをとって固定化している。米国は英国に牛耳られているのだから、日本など米同盟諸国は本質的に対米従属でなく「対英従属」である。英国だけでなく、米国と同盟諸国のすべての外交官が「(結果的に)英国のスパイ」である。冷戦構造を壊しても「対英従属」的な世界システムがある限り、濡れ衣的な「人権外交」の構図が続き、ロシアや中国などが敵視され続ける。1990年代後半からは、イスラム主義が「リベラル自由主義(=英米覇権体制)」の敵とみなされる「文明の衝突」の新冷戦構造が言及され始めた。 (ニクソン、レーガン、そしてトランプ

その後、このイスラム敵視の構図は、01年の911テロ事件で「テロ戦争(イスラム世界との40年の新冷戦)」の新体制(第2冷戦)として劇的に具現化した。このテロ戦争は、英米覇権体制を強化するもののように見えたが、今さらながらに再考すると、最初からそうではなかった。ブッシュ政権の米国は911直後から、英国など同盟諸国と協調してテロ戦争をやるのでなく、米国が同盟国を軽視する単独覇権主義を標榜しつつ勝手にテロ戦争をやる姿勢を宣言していた。その延長として03年にイラク戦争が挙行されたが、これも米単独覇権主義の名のもとに行われ、ブレア政権の英国はあわてて米国に追随した。イラク戦争において、英国は黒幕でなかった。テロ戦争は、英国が米国を牛耳って行われる英米覇権体制とは似て非なるものだった。 (アメリカの属国になったイギリス) (米英を内側から崩壊させたい人々

「イラクが大量破壊兵器を持っている」というイラク戦争の開戦事由の根拠の一つになったニジェールとイラクのウランの契約書は、英諜報界(MI6)が作った偽造文書とされていた。このことからは、英諜報界がイラク戦争の黒幕であるようにも見えるが、ニジェールウラン文書は当初からニセモノとして報じられており、むしろ英国(帝国)側が黒幕であることを人々に印象づけるため、米国(資本)側が偽造文書を作り、それを英国側の作品としてマスコミにリークした可能性が高い。英政府の慌て方から見て、イラク戦争の黒幕は英国側でなく米国側だ。米国側は、英国側に「黒幕の濡れ衣」を着せるためにニジェールウラン文書を「英国製」として偽造したのでないか。911以前はたしかに英国側が黒幕だったが、911事件を機に米国側が主導権を握り、英国側を陥れ始めた。国際諜報界は、この手の暗闘が多い。 (諜報戦争の闇

ブレアの英政府は、開戦事由がウソであると知りながら、米国との同盟関係の維持を優先し、イラク侵攻に参加した。英国防省の生物化学兵器の専門家だったデビッド・ケリー博士は、開戦事由がウソであることを指摘した後、謎の死を遂げた。ブレア政権は後々、ウソと知りつつ参戦したことを英政界で強く批判された。 (David Kelly, weapons expert - From Wikipedia

テロ戦争(イスラム過激派との長期戦)の構図は911以前、親英的だった民主党クリントン政権時代に作られた。911以前に米英協調で進んでいたテロ戦争は、米政権が共和党ブッシュに代わって911が起きた後、英国を無視・冷遇するかたちに変質した。911という大きなショック(劇的な、実は自作自演的・意図的な有事体制の登場)を境に、米諜報界・軍産内部でテロ戦争や覇権運営を仕切る勢力が、親英勢力(英国側)から反英勢力(米国側。ネオコン、タカ派)に交代し、英国は、米国を牛耳れなくなると同時に、無理して米国に追随して失敗することになった。911は、米国側による意図的な英国外しでないかと疑われる。911以後、米政府内で、伝統的に親英的な国務省の地位が下がり、代わって単独覇権的・英国無視の国防総省の地位が急上昇した。 (ネオコンと多極化の本質

米国側(資本の側。共和党政権)は911後、単に覇権運営の主導権を英国側から奪還しただけでなく、イラク戦争や中東民主化・政権転覆の戦略全体を失敗させ(最初から失敗するように設計し)、米国を国際信用の低下・覇権の自滅に導いた。これは、第2次大戦時に英国が米国に移譲した上で乗っ取った米国覇権(英米覇権)をシステムごと破壊する策であり、資本の側が2度の大戦で実現しようとして失敗した「英国覇権潰し」を、約70年遅れて実現するものだ。米国は、自滅しつつあるのでなく、英国からかぶせられた覇権を破壊しつつある。

米国が覇権を放棄しても、英国が主導する米同盟国体制が世界の主たる政治体制として残っていると、米国の政権が共和党から民主党に替わった時などに、再び米国が覇権国に戻ってしまう。これを防ぐには、米国が放棄した覇権を、ロシアや中国といった英国側が敵視してきた他の諸大国に拾わせ、英国側から不可逆的に覇権を取り上げる「覇権の多極化」が必要になる。そのため、共和党のブッシュ政権とトランプ政権は故意の失策を繰り返して覇権放棄をやっただけでなく、ロシアや中国が覇権を拡大していくように仕向ける多極化策をやっている。 (国民国家制の超越としての一帯一路やEU

ブッシュは、北朝鮮の覇権を中国に握らせる6か国協議や、リーマン危機後に覇権構造を多極化するG20サミットをやった。中露が上海協力機構やBRICSといった多極型の大国間協調組織を作ったのもブッシュ時代だ。対照的に、次の民主党オバマ政権はイスラム世界との対話などを強調し、米国の覇権を蘇生しようとした。(だが、ブッシュ政権の8年間で、米国の上層部の非改選な領域にネオコンやタカ派といった反英系の勢力が多数巣食い、彼らがオバマを妨害したため、オバマは道半ばで終わった)。トランプの覇権放棄や多極化策については、何度も書いているし、すでに有名なので今回は書かない。 (トランプ政権の本質

米国でのトランプの登場と、同時期に英国で起きたEU離脱の決定は、いずれも英国の黒幕的覇権力を劇的に低下させる動きだ。これらは米国側(資本の側)からの、英国側を無力化するための動きに見える。レーガンが冷戦終結時に欧州に創設させEUは、国家統合によって欧州を強化して米国や露中と並ぶ世界の「極」の一つにする反英的な多極化策であり、EUを弱いままにして対米従属を続けさせたい英国は、EUに加盟しつつ内側から壊し続けてきた。英国がEUから離脱すると、残された独仏は抑制から解放され、EUを強化し対米自立させ、英国型の世界システムを壊してしまう。国民意識を操作するプロパガンダがうまいはずの英国が、国民投票でEU離脱を決めてしまったのは自滅的だ。 (英国をEU離脱で弱めて世界を多極化する

おそらくプロパガンダをつかさどる英諜報界に米国から「逆スパイ」が入り込み、英諜報界内の資本の側と結託して、国民投票を自滅的な結果に導き、その後の「離脱政治」の流れを作ったのだろう。今回、英国でメイ首相が辞任し、ボリス・ジョンソンが次の首相になることがほぼ確定しているが、ジョンソンは以前から極度のEU離脱信奉者で、英国を破壊する無協定離脱を好んでいる。ジョンソンはトランプと同じ「資本の側」のエージェントだろう。 (英離脱で走り出すEU軍事統合

今春来、米国で英国側が仕掛けたロシアゲートの濡れ衣をトランプが打ち破って政治力を増大し、イランやサウジ、北朝鮮、米中貿易戦争、利下げ再QEによる連銀潰しなど、米覇権の放棄と多極化策をここぞとばかりに強め始めている。この時期、英国がジョンソン政権のもとでEUから無協定離脱し、英国の国際政治力が劇的に低下した状態が続くと、トランプは最大の妨害勢力である英国系(帝国側)に邪魔されず、覇権放棄と多極化を展開できる。英国の首相がメイからジョンソンに交代する理由はそこにある。英国のMI6の元長官(John Sawers)は、ジョンソンの首相就任に反対する表明をしたが、これもジョンソンが「資本側」の勢力であることを示している。トランプが英国の駐米大使を辞任に追い込んだのも、ジョンソン就任と関係ある。 (Former MI6 chief tries to shape British politics) (Trump says U.S. ‘will no longer deal’ with British ambassador who called White House ‘inept’

今後、トランプとその(こっそりを含む)仲間たち(ジョンソンや露中イラン北など)が米国覇権を壊して世界を多極化する動きが、来年のトランプの再選をはさんで、あと5年かそれ以上続く。トランプの2期目が終わる2024年の米大統領選で誰が勝つにせよ、トランプの後継に米覇権を蘇生させる英国系の政権ができる可能性はかなり低い。2大政党の両方で、英国系の旧来のエスタブ勢力が大幅に弱まっているからだ。共和党はトランプ支持の草の根右派が握っているし、民主党はどんどん左傾化している。今後、米民主党のクリントン陣営などエスタブ勢力が16年選挙時にMI6と結託してロシアゲートを捏造してトランプに濡れ衣をかけて潰そうとしていた「スパイゲート」が暴露されていき、民主党のエスタブ勢力がさらに弱体化する。 (スパイゲートで軍産を潰すトランプ) (トランプと米民主党

こうした米国の覇権放棄と「非英化」は今後、広範囲な影響をおよぼしていく。米英の両方で、2大政党制が崩壊しつつある。2大政党制はもともと非民主的な英国系諜報界が権力を維持するための談合体制だった。米国は軍事費を減らし、世界から米軍を撤退していき、戦争しない国になっていく。ロシアや中国が、米国の敵でなくなっていく(ソロスらのクインシー研究所がこれらの傾向を先取りしている)。在日と在韓の米軍駐留は、おそらく数年内に終わりが見える。 (ドルを破壊するトランプたち) (The Decline & Fall Of Britain's Labour Party

「英国系」の外交官の地位が下がっていく。米国務省や日本外務省が、米日の中枢から外れたままになる(トランプも安倍も自国の外交官を政治的に冷遇しており、この傾向が永続する)。ジャーナリズムやマスコミに対する信用失墜がさらに加速する(マスコミこそフェイクニュースだと、すでに人々が思うようになっている)。英米金融覇権体制だった債券金融システムが、きたるべきバブルの大崩壊によって潰れていく。などなど。 (ポスト真実の覇権暗闘

これらの流れは、今後の10年以上かけて展開していくだろう。今は見えていない新事態が起きた場合は流れが変わる。資本と帝国の暗闘は、産業革命から250年間続いている。まだ逆流がありうる。短期間に決着がつくものではない。



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