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トランプの中間選挙「敗因」
2026年11月6日
田中 宇
またもや皮肉な読者たちからけなされそうだが、私は今回の米中間選挙でも、独自の(一見奇妙な)裏読みをしている。それは、トランプがやたらと素直に選挙の敗北を認めていることに始まる。
トランプは2020年の大統領選で「負けた」時にも、意外に素直に敗北を認めてしまった過去がある。私から見ると、2020年の大統領選は、バイデンの民主党が郵送投票などを悪用して不正に勝った。
(不正選挙を覆せずもがくトランプ)
当時すでにリクード系が強かった米諜報界は、民主党の選挙不正に加担して、いったんトランプを大統領から外し、バイデン政権の間にウクライナ戦争を起こした後、2024年にトランプを返り咲かせた。トランプはリクード系の謀略を知っていたから、不正を指摘しつつもしぶしぶ敗北を認めた。
トランプは親プーチンなので、ウクライナをけしかけてロシアと戦争させることを嫌がった。リクード系は、諜報界ライバルの英国系を潰すためウクライナ戦争を必要としていたので、トランプを4年間待たせ、その間に(認知症の)バイデンを大統領にしてウクライナをけしかけて開戦させた。
プーチンは事前にリクード系から、ウクライナ戦争が英国系(英EU)の自滅とロシアの優勢につながることを知らされており、それを踏まえて侵攻(特殊作戦を開始)した。
(米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化)
トランプは今回、2020年の大統領選で「負けた」時のように、不承不承、敗北を認めている。今回はたぶん大規模な選挙不正がなく、トランプの共和党が負けた。敗因はイラン戦争だとされている。
だが、2月末にイラン戦争を始めた時点で、戦争とホルムズ海峡閉鎖の長期化、イランの好戦派政権の延命、世界的な石油ガスの不足とインフレ激化、イラン沖への空母の長期派遣などによる軍事費の浪費、トランプがイスラエル傀儡である感じの表面化など、トランプが米国内で不人気になる多くの要素があらかじめ見えていた。
リクード系は、トランプの不人気を防ぐために八方手を尽くしたがうまくいかず中間選挙で負けたのか??。そう考えるには、トランプ自身の敗北の認定があっさりしすぎている。選挙前のジタバタも大したことなかった。
(Did Israel lose the midterms?)
いやいや、こんなもんでしょ、と思う人が多いかもしれない。だが私は、2020年の大統領選みたいに、何か裏があると勘ぐってしまう。
(2020年の選挙不正なんて存在しませんよ妄想屋さん、という人も多いだろうが)
(Vance Boldly Admits Reason GOP Lost Midterms Is Iran War, Crude Slides)
イラン戦争によるホルムズ閉鎖の長期化は、自分たち主導の(多極型)世界覇権を作りたいリクード系にとって必要不可欠な策略だ。
ホルムズ閉鎖により、イランやサウジGCCからの石油輸入に頼ってきた中国(習近平)は、リクード系やトランプの言うことを聞かざるを得なくなった。
習近平はそれまでBRICSなど非米側覇権の主導者で、英国系の米単独覇権が崩れて中国主導の非米的な多極型覇権に転換する流れがあった(ロックフェラーなど隠れ多極派の長年の謀略の成果)。
911事件から米諜報界に入り込んだリクード系は、トランプの返り咲きとともに殴り込みをかけ、英国系を自滅させるとともに、習近平を恫喝して非米側覇権を無理やり自陣営に取り込み、リクード系の世界覇権と、イスラエルの中東地域覇権を作ろうとしている。
(リクード系は自分らの覇権を多極型にすることで、隠れ多極派の了承を得ている観がある。もともとリクード系による911事件の誘発を認めて米諜報界に引き込んだのは隠れ多極派だった)
リクード覇権の具現化の一つが、間もなくトランプが始める米中露首脳会談の連続開催だ。その具現化のために、リクード系はホルムズ閉鎖を続けて習近平を言いなりにし続けねばならない。
(米中露首脳会談が世界を変える)
ホルムズ閉鎖は、中国とともにサウジGCC(ペルシャ湾岸アラブ産油諸国)も困らせているが、サウジを困らせてイスラエル主導の中東安保体制(アブラハム合意またはそれに類する体制)に引っ張り込むことも、イスラエルを中東覇権国にしたいリクード系の目標だ。
最近のイスラエルは、サウジを直接的にアブラハム合意に入れてイスラエルと国交正常化させるのでなく、中東をイスラエル(アブラハム合意)とトルコ(メッカ協定)の2陣営に分割し、サウジGCCはトルコ側に入るという2段階構想に移った感じもする。
(Israel, Greece, Cyprus reject Turkey-Libya maritime deal, agree to deepen defense ties)
トルコとイスラエルは表向き敵対を強めているが、これは外交的な演技であり、中東のすべての勢力を2陣営のどちらかに入れることで中東の安定を確保しようとしている。
大戦前や戦間期に、英国がフランスなどと表向きのライバル関係を演じることで、列強が争っているように見せかけつつ英国の隠然主導下で世界支配していた策略を、イスラエルは踏襲し、トルコを誘ってやっている。
中東において、あからさまに親イスラエルをやれるUAEやモロッコなどはアブラハム合意に入った。だが、そこまでやれない、イスラム主義なので表向きはイスラエル敵視を堅持せざるを得ないトルコやサウジやシリア(HTS)などはメッカ協定に結集していく。
(スペイン移民侵略騒動は米イスラエルの欧英潰し策)
話を戻す。サウジと中国への恫喝が必要なリクード系は、覇権体制づくりのために、イラン沖に米空母を配備し続け、ホルムズ閉鎖を続けねばならない。空母配備は必要不可欠だ。
それなのにリクード系は、それをやってくれるトランプを中間選挙で負けさせてしまった。民主党の連邦議員団では、トランプの軍事費を精査してイラン沖の空母の維持を財政面から困難にしていく策も取り沙汰されている。ダメじゃん。
('Power of the Purse': Schumer Indicates Democrats Will Defund Trump's Illegal Iran War)
だが、よく考えてみると民主党の上層部にも、軍事的な好戦派で、進んでイスラエル傀儡になる連邦議員らがたくさんいる。
彼らは、民主党内で強まる左翼や反戦派、イスラム主義、トランプとイスラエルへの敵視に呼応するため、トランプがイラン沖に駐留している米空母を帰米させる動きを表向きやっていく。しかし、彼らの本質は好戦的なイスラエル傀儡なので、実際にイラン沖から空母が帰米する事態にはなりにくい。
空母が帰米するとしたら、それはリクード系の目標が達成された後だ。米中露の首脳会談(新ヤルタ体制)が世界の中心になり、イランは用済みになって(モジタバが開戦時に死んでいることも露呈して)政権転覆させられる。
(モジタバ・ハメネイはすでに死んでいる)
空母の件は何とかなるかもしれない。だが全体的に、トランプが中間選挙に負け、民主党に連邦議会の多数派を上下両院とも奪われたことで、リクード系の覇権拡大策は、綱渡りのリスクが強まった。これは、やはり失策なのか??。疑問の原点に戻る。
失策でない意図な策だとして、一つ考えられる可能性は、中間選挙でトランプを負けさせ、民主党を勝たせることで、リクード系は何か新しい課題をこなそうとしているのでないかという点だ。それは何か。
(Trump Designates Anti-Communism Week In Election Day Proclamation)
たとえば、民主党を内で台頭しつつある左翼・イスラム主義・イスラエル敵視派を強気にさせ、既存の中道的(親イスラエル)なエリート主流派民主党を押しのけて民主党をイスラエル敵視の政党に変身させ、それによって民主党を支えてきたユダヤ人たち(主に穏健リベラル派)が民主党から出ていかざるを得ないように仕向ける策略とか。
民主党支持のユダヤ人は、穏健リベラルと過激な左翼の両方がいるが、多数派は穏健リベラルだ。彼らは、人道主義とリベラル思想を敵視し、好んですごい人道犯罪をやってしまうリクードに支配される今のイスラエルが嫌いだ。だが、イスラム主義やアラブの勢力がイスラエルを潰せば良いとも考えていない。
(Vance's 2028 Odds Tumble After Midterm Bloodbath - And Rubio Isn't The One Cashing In)
ニューヨーク市長のマムダニに象徴される左翼とイスラム主義が民主党の中心になると、党内のユダヤ人はいづらくなり、非難されて追い出されていく。ユダヤ人は優秀で、民主党の政策を考える重要勢力だ。
彼らが追い出されたり無力化されると、残った左翼やイスラム主義の勢力は頓珍漢な政策ばかりやるようになる(すでにやっている)。民主党は今回、中間選挙に勝ったことによって過激化が進み、次の2028年の大統領選やその後、逆に負けていく傾向になる。
リクード系の仇敵である英国系が、米政界で弱体化する。リクード系は、それを誘発するために、トランプの人気を維持する諜報面からの加勢を意図的に怠り、中間選挙でトランプを負けさせたとか。
(After Mamdani, Los Angeles Is Next: Socialist Nithya Raman Projected To Oust Karen Bass)
リクード系などシオニストは、同胞のユダヤ人たちに対して謀略的なひどいことを平気でやる。イスラエル建国の前後、シオニストの諜報組織はイスラエルの人口を増やすため、地中海岸や東欧やアフリカなど、離散ユダヤ人のコミュニティがある諸国で反ユダヤ主義を煽り、離散ユダヤ人たちがイスラエルに移住せざるを得ないように仕向けた。
今回もリクード系は、ガザなどですごい人道犯罪をやることで、民主党が過激化してユダヤ人を追い出すように仕向け、同胞をひどい目に合わせて民主党と英国系を潰す策をやっている。とか。
(Trump calls socialism a ‘cancer.’ Why it's making a comeback in America)
トランプの惨敗は、民主党だけでなく共和党のイスラエル離れも引き起こしている。イスラエル傀儡のトランプと一緒にいると次の大統領選で勝てないので、次の大統領選に出たいバンスやルビオは、それぞれのやり方でトランプから距離を置こうとしている。
ルビオが近いうちに国務長官を辞任し、大統領選に備えるとの報道も出ている。トランプ政権に入っていないフロリダ州知事のデサンティスが次期大統領の共和党候補として一番有望だとも言われている。
(Rubio may quit Trump administration to prepare for 2028 White House bid)
これもリクード系がやりたいことなのか??。それとも、トランプ政権末までに、世界と中東の覇権体制の転換にメドをつけるので、その先はどうなっても良いとか??。
どちらの政党も、有権者はイスラエルが嫌いだが、政治家になったら諜報力を持つイスラエル(リクード系)にすり寄らざるを得ない。そもそも「イスラエル離れ」できるのかどうかが怪しい。
最近は米国の中間選挙だけでなく、ブラジルやセルビアの大統領選挙でも、投票前はリクード系が勝ちそうな感じだったのに実際は英国系や左翼といった反リクード系が勝つ展開になっている。世界がすんなり英国系からリクード系の覇権になるのでなく、逆流して乱闘になっている。
世論を操作する諜報力を持つリクード系が、このような連敗をするのは不可解だ。意図的かもと勘ぐれる。
もしかするとリクード系は世界的に政争の乱闘化を煽り、英国系の世界支配の中心にいた左右中道の穏健リベラル派を過激化し、英国系(穏健リベラル)が左翼に乗っ取られ、民族主義やナショナリズムに立脚する極右(リクード傘下)と乱闘して負けていく流れを作っているのかもしれない。
(How The Historic Blue Tsunami Could End In Tears For Democrats)
トランプは中間選挙に負けて米国内での権力が低下したので、議会の足かせなしに自由にやれる外交部門の米中露首脳会談に注力して点数稼ぎをやりそうだ、とマスコミが報道し始めている。
米中露首脳会談はプーチンが積極的で、トランプは虚栄心を揺さぶられてプーチンに乗せられているだけだといった中傷報道もある。実のところ、最も積極的なのはプーチンよりもトランプなのに。
マスコミは英国系なので、リクード系覇権の構築策である米中露首脳会談を軽視している。しかし、軽視や中傷ばかりの方が、リクード系は目立たないうちに覇権の拡大や乗っ取りをやれる。
米中露首脳会談が具体的に何を生むのか。ホルムズ閉鎖やイラン戦争はいつまで続くのか。ウクライナや欧露対立はどうなるのか。なかなか見えない。それぞれ、見えてきたら改めて書く。
なかなかうまく書けない。妄想屋と中傷されて当然かも。
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