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このままだと金融危機になる
2026年3月28日
田中 宇
イラン戦争でペルシャ湾岸の石油ガス生産施設がイランに空爆され、ホルムズ海峡もイラン政府によってタンカーなどの航行が制限されている。世界の石油の3割、日本などアジア諸国が使う石油の9割前後を産出してきたペルシャ湾が破壊されている。
開戦から1か月が過ぎ、戦争が長引く可能性が増している。
ホルムズ海峡を握るイラン政府は、中国など親しい諸国の船は通すが、他の諸国の船は通さない、もしくは一隻あたり200万ドル前後(3億円以上)の通行料を払えと言っている。ペルシャ湾からの石油ガス輸出は平常の1割以下に減っている。
(Iran has offered US oil-and-gas ‘prize’ in talks, Trump says)
アジア諸国のうちフィリピンは、すでにガソリンなど石油製品が足りなくなり、暴動などの発生を恐れて政府が国家非常事態を宣言した。
日本など他の諸国は今のところ、非常用の国家備蓄などを放出することで1か月ぐらいはしのげる。しかし、その後も石油ガスの輸入が大幅減のままだとエネルギー危機になり経済が崩壊していく。
(Philippines Declares State Of Emergency As Energy Crisis Looms)
日本は以前から巨額の財政赤字を抱え(経済が強かった時期に、米国を抜いて世界一にならないよう、意図的に無駄な政府支出を増やして大赤字にする自己弱体化による対米従属戦略を延々と続けた)、コロナ危機後、経済の脆弱化を反映して、円安と、日本国債金利上昇の崩壊傾向が続いている。
円安ドル高の傾向だと、円建てで資金調達してドル建てで債券や株に投資する円キャリー取引が盛んになり、米国と日本の(超バブル)金融相場を押し上げる。米国に喜ばれるので、円安は無視される傾向だったが、同時に日本のインフレが加速するので、日本政府は対策するふりだけしてきた。
今回の石油危機により、日本経済の悪化、日本の弱体化が懸念され、円安と日本国債金利上昇が加速している。以前は円安になると株高になったが、今の円安は日本の崩壊の象徴となり、株価も下落している。
(The Foundations Of The Petrodollar Regime Are Shaking; Deutsche)
サウジアラビアは、ペルシャ湾から紅海への石油パイプラインを持っており、紅海に面したヤンブ港からアジア方面に輸出する石油を増やしている。
紅海の入口のイエメン南部には、サウジ米イスラエルと戦ってきた親イランなフーシ派がいる。フーシ派は、今のところイラン戦争に参加せず傍観している。サウジがヤンブ港から輸出するタンカーは安全に航行できている。
だが、これはもしかするとフーシ派とイランの謀略かもしれない。今後、ホルムズ海峡はダメだが紅海から石油を出せるから大丈夫だと世界が安堵し始めると、フーシ派が紅海を航行するタンカーへの攻撃を再開し、石油危機を再燃させるかもしれない。
(The silent axis: Why Iran isn’t using its allies)
ロシアのプーチン大統領は、このままだと世界経済がコロナ危機(都市閉鎖)と似たような大打撃を受けると指摘している。石油ガスの供給減で世界の経済活動が大幅に縮小するという予測だ。
プーチンの発言は、ロシア自身が石油ガスの大産出国であることを背景に、ウクライナ戦争でロシアからの石油ガスの輸入を止め続けている西欧(英EU)に向けて発せられている。
(Putin Issues Some Frank Thoughts On 'Unpredictable' Iran War)
中東が石油ガスを出せない状態が続いても、ロシアや中央アジアなどから石油ガスを輸入できる国は悪影響が少ない。西欧はロシアなどから輸入できるのに敵視して輸入しないので、無意味な地球温暖化対策と相まって、自滅を加速する。
コロナ危機の時も、西欧は、効果のない無意味な都市閉鎖をやり続けて自滅した。同じことがまた繰り返される。
(Most powerful energy crisis in human history is looming - Putin envoy)
(コロナ危機の意図)
コロナ危機の時は、米欧日が経済テコ入れ策と称して中央銀行によるQE(通貨発行による金融テコ入れ)を加速し、金融バブルの崩壊を防いだ。中銀群はその後QEを(表向き)やめている(トランプは米連銀に裏QE=銀行界への資金注入をやらせている)。
今後の石油危機がコロナ危機と似たものになるなら、中銀群がQEを再開して金融崩壊を防ぐかもしれない。日本国債はそれで延命しうる。
だがコロナ危機後、世界的にインフレがひどくなっている。金利もかなり上昇した(コロナ時はまだゼロ金利だった)。QEは無理矢理に金利を下げ、インフレを悪化させる。
(One Day Until Trump's Self‑Imposed 5-Day Deadline On Iran But Markets Appear Increasingly Numb)
日本では、石油ガスの高騰以外にも、日本にいる中国人の投機屋たちによる不動産やコメの投機によってインフレが悪化させられている。彼らは、香港や東南アジア各地の不動産や物価を吊り上げて大儲けしつつ悪事の技術を磨いた後、日本を荒らしに来ている。
日本政府は左翼リベラル主義の「外国人にやさしい国際化政策」と称して、日本人を苦しめている中国人の投機活動を黙認し、調査もしていない。高市政権になっても、その下の官僚機構が同じなので変わっていない。中国人は、投機や買い占めをやっていないことになっている。
円安(人民元高)になると、中国人による日本での投機が扇動される。監視強化による対策が求められている。中共よりも中国人(漢民族)が、日本にとって大きな脅威になっている。高市就任後、中共は自国民に日本に行くなと命じたが、強欲で悪性な中国人たちは無視して日本に居座っている。
(敵対扇動で日本を極に引っ張り上げる中共)
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