米国トヨタ欠陥問題の意味2010年2月27日 田中 宇2月23-24日に米議会下院の委員会で行われたトヨタ自動車のアクセル制御システムの欠陥隠し疑惑問題での公聴会は、芝居がかった濡れ衣による攻撃だったと、私には感じられる。 今回の事件は、米国で販売されたトヨタ製の乗用車の中に、アクセルが制御不能になる不具合があるものが含まれているようだという案件で、アクセルが制御不能になる原因は特定されていない。トヨタは、フロアマットがアクセルに干渉するときがあるためだと考えて対策を採ったが、米議会では、アクセルを制御する電子機器の設計に問題があるはずだと考え、トヨタはこの問題を矮小化して欠陥隠しをしたとトヨタを責め、米国の運輸省や司法当局も「トヨタによる欠陥隠し」の線で動き出している。 (Editorial: Congress should determine if NHTSA can be made more effective) なぜアクセルが制御不能になる時があるのか、原因は解明されておらず、トヨタが主張するとおりフロアマットとの干渉である可能性も残っている。その場合、トヨタの対応は、それほど悪いものではなく、豊田社長が米議会に出向いて謝罪する必要のある案件ではない。しかし、すでに米国の議会、政府、裁判所というすべての当局が、トヨタを極悪とみなしている。 トヨタは米当局から「大量破壊兵器を持っている(はずだ)」と言われて国を潰されたサダム・フセイン時代のイラクや、核開発が平和利用ではなく兵器製造だと考える証拠がないのに核兵器開発していると非難されている今のイランと同類に陥れられている。米議会が「トヨタは強欲な企業だから、欠陥隠しをやるに決まっている」と断定することは、米議会が「サダム・フセインは極悪な独裁者だから、大量破壊兵器を持っているに決まっている」と断定したことと本質的に同じだ。 米当局は、先に事故原因を解明し、トヨタが悪いという証拠をつかんでからトヨタを責めるべきだが、現実はそのように動いていない。イラクやイランに対する非難が濡れ衣だと判明しても、それをほとんど無視している米当局に、真摯な対応を求める方が無理とも思える。米国に敵視されたら最後、無実でも極悪にされてしまう構図がある。 米国では「トヨタが何に対して謝罪する必要があるのか、私には理解できないままだ。アクセル制御欠陥の発生を疑われた2000台のすべてが(運転者ではなく)トヨタの責任だったとしても、リコール対象の800万台に占める比率は4000分の1で、この程度の欠陥比率は大した問題ではない。米議会の議員が間違いを犯す比率の方がずっと高い」との指摘が出ている。 (Toyota's apology) ▼悪そうな案件を流布しトヨタを極悪に仕立てる 米議会では、トヨタから流出した内部文書を根拠に、アクセルが制御不能になる原因についてトヨタが米当局と交渉し、原因をフロアマットのせいにして1億ドルの経費を浮かしたとする批判が出た。これも、アクセル制御不能問題の原因が不明だという前提をふまえると「本当の原因はシステムの欠陥なのに、トヨタは当局と交渉してそれを曲げた」というよりも「原因が不明なので、米当局がシステムの不具合と断定しないよう交渉した」と考える方が妥当だ。 アクセル制御の不具合が米議会でたたかれるのと同期して、トヨタに電子制御用の車内配線(ワイヤーハーネス)を供給する日本やドイツの部品供給メーカー数社が価格設定で談合していた疑いがあるとして、FBIが主導して日米独の国際捜査が開始された。これも、捜査時期の偶然の一致ではなく、トヨタ叩きを目的とした政治的な動きだろう。 (Toyota Car-Parts Sellers Probed) 豊田社長の公聴会が行われた後の2月26日には、米国トヨタの元顧問弁護士が米議員に「トヨタ車の交通事故の裁判で、トヨタは裁判所に対して情報を出さずに隠匿した」と伝えていたことが報道された。同日には、別件で「トヨタは、08年にハッチバックの事故が自社の欠陥ではないと当局に認めさせ、リコール回避を『勝ち取って』いた」という、内部文書を元にした報道も流れた。 (Toyota `Deliberately Withheld' Documents, Towns Says) (Toyota Claimed `Win' in Handling Sienna Injuries) これらは、公聴会で問題になったアクセル制御機器とは別の問題で、違法性は不明だ。トヨタに極悪の印象を付与するために、多数の「悪そうな案件」が流されている感じだ。イラク侵攻前にイラクの極悪さを強調する情報がマスコミに流され、その後はイランの極悪さを強調する報道が目立つが、これらの根拠の薄い情報の奔流と、今回のトヨタの件は似ている。イラクの時は「イラクはそれほど悪くない」と指摘する人に「あんな独裁者を擁護するのか」と罵声が浴びせられたが、今回も同様に「おまえはトヨタと癒着しているんだろう」と罵倒されかねない。すでにトヨタを擁護する議員は批判されている。マスコミや評論家は、かつてイラクを非難したように、トヨタを非難していれば安全だから、そちらに流れる。 (Congress-Connections with Toyota) トヨタが欠陥を増やしたのは、渡辺前社長の時代(2005-09年)に、性急なコスト削減や開発期間の短縮をやりすぎて、安全面がおろそかになった結果だと、前から指摘されている。「渡辺時代の失策の結果、トヨタは欠陥車だらけになり、米国で顧客の信頼を失い、米議会で非難されるに至った」という解説が流布している。確かにそうした面はあるだろう。トヨタは企業だから強欲さもあるだろうが、私から見ると、米国でのトヨタの欠陥問題は、トヨタ側の失策だけによるものではなく、米当局が欠陥を誇張している部分がある。この点も、イラクのフセインは確かに聖人君子でなく狡猾な独裁者だったが、イラク侵攻の根拠となった大量破壊兵器の話は米国による誇張と捏造だったというのと同じである。 (Toyota Woes Said to Lie in Cost Cuts, Growth Targets) トヨタはロビイストを使って、米国流にうまくやろうとしたが、議会やマスコミから「トヨタはロビイストを使って、欠陥隠しの事実をねじ曲げようとしている」と批判され、裏目に出ている。半面、豊田社長は公聴会で、日本式にひたすら謝罪する態度に出たが、これも米議員(Paul Kanjorski)から「自分が悪いと認めたのだから、賠償金をたっぷり払ってもらいますよ。うちの国民を殺した企業を許すわけにはいきませんから」と脅されることにつながっている。 (Lawmakers grill Toyota execs over lobbyists, liability) 米当局が、イラクと同じくトヨタにも極悪のレッテルを貼ることを最初からの目的にしているのなら、トヨタがロビイストを使おうが、平身低頭謝ろうが、大した効果はない。これに対し、日本のマスコミは、対米従属機関にふさわしく「米議会に理解してもらえなかったトヨタが悪い」という論調だ。 ▼GMを救うためにトヨタを叩く? なぜ米国は、トヨタにイラクと同類の濡れ衣をかけて叩くのか。そもそも、米国がイラクやイランに濡れ衣をかけた理由も確定せず「イスラエル系による謀略」など推論以上のものがない。米当局がトヨタに濡れ衣をかけた真の理由も、おそらく今後ずっと謎のままだろう。だが推論はできる。 米国のウェブログで散見される見方は「ゼネラル・モータース(GM)など国内自動車メーカーの株を買って国有化した米政府は、トヨタを攻撃して顧客離れを起こし、国内メーカーを有利にしたいのだろう」というものだ。 (GM, Ford luring Toyota drivers) (The Market Should Decide Toyota's Fate) (Toyota makes far, far better cars than GM) もしこれが米議会の意図だとしたら、その目的は実現しそうもない。トヨタ車の代わりに米国人が買うのは、GM車ではない。ホンダや日産といった他の日本車か、現代など韓国車、フォルクスワーゲンなどドイツ車である。フォードには、ある程度追い風だろうが、GMはダメだ。トヨタは、米国民の間でかなり高い評価を受けており、今回の事件で一時的に販売が悪化しても、長期的な悪影響は少ないだろうと、米マスコミが報じている。 (Toyota recalls to hurt suppliers in short-term) GMは、車種ごとに買収先の外国企業を探す解体過程にあるが、うまくいっていない。GMは、燃費が悪くて売れなくなったSUV(4輪駆動車)のハマー(Hummer)を中国企業に売ろうとしたが、エネルギー効率を重視するようになった中国側から断られ、売却をあきらめて事業を廃止する方向だ。 (GM Axes Hummer after China Deal Falls Through) ハマーの工場はインディアナ州にあり、3000人を雇用してきたが、彼らは解雇されかねない。同州には4300人を雇用するトヨタの工場もあり、州内の失業増を心配する同州の知事や議員は、今回の事件でトヨタを擁護する表明を行っている。インディアナ州民の立場で考えると、GMを再建するためにトヨタ車を売れなくするのは、全くとんちんかんな話である。トヨタの工場があるアーカンソー、ミシシッピ、ケンタッキーなどの各州でも状況は同じだ。 (More On The Toyota Hearing) ▼米国が経済覇権をおろすこととの関係 私は今回の事件の意味を、米国が変化しつつある方向性との関係で考えた。それは、以前の記事「経済覇権国をやめるアメリカ」にも書いた。「米国は、全世界の企業や人々を儲けさてやるために自国の市場を開放する『経済覇権国』の任務を一国で背負うのをやめて、他国に分散しようとしており、その象徴としてトヨタを叩いているのではないか」ということだ。覇権に関連した濡れ衣攻撃という点で、米議会のトヨタ叩きとイラク侵攻は同類だ。 (◆経済覇権国をやめるアメリカ) 米国は戦後に覇権国になって以来、一貫して世界から旺盛に輸入し、世界の企業を儲けさせ、世界経済の成長に貢献してきた。世界経済を牽引する消費役であることが、覇権国としての米国の義務となってきた。だが最近の米国は、金融危機と大不況によって世界の消費主導役を果たせなくなった。米政府は、代わりに人口が世界最大で急成長している中国に、消費主導役の一部を肩代わりさせようと「米中共同覇権体制(G2)」を提案したり、中国がインド、ブラジルといった他の新興大国と結束し、BRICとして消費の主導役となる経済覇権の多極化を支持している。 米国の外交戦略決定の奥の院であるCFR(外交問題評議会)の雑誌フォーリン・アフェアーズの最新号に載った、日米同盟存続の意義を疑問視する論文「(日米同盟は)いまだに得策なのか?」(Still a Grand Bargain?)でも、日本企業が米国で製品を売らせてもらうことが、1952年のサンフランシスコ条約以来の日米同盟の経済面として存在すると指摘されている。(米国は日本をアジア支配の拠点として使え、日本を傘下に入れられる半面、日本は軍事費を使わず経済成長に専念できるのが、日米同盟の互恵体制だという) (The United States-Japan Security Treaty at 50 - Still a Grand Bargain?) トヨタやその他の日本車メーカーが米国で自由に販売ができ、その結果GMやクライスラー車が売れなくなって潰れても黙認されてきた背景には、日米同盟の存在があった(韓国や欧州からの輸出も同様)。だが、すでに冷戦が終わって久しく、中国は米国の敵から味方に変わり、北朝鮮の問題解決も中国に任され、台湾も経済面から中国の傘下に入りつつある。米国は、日本を拠点にする軍事的な必要がなくなり、グアム島に撤退しつつある。 (官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転) 昨夏までの自民党政権と官僚機構は、対米従属の国是を何とか維持しようと、米軍に「思いやり予算」を出し、もがいていた。しかし今の鳩山政権は、対米従属をこれ以上続けるのは日本にとって不健全と考えたようで、戦勝国と敗戦国の同盟という日米同盟の本質と矛盾する「日米の対等化」を掲げ、日米同盟で米軍に与えられていた「日本に(秘密裏に)核兵器を持ち込む権利」を「沖縄密約問題」の暴露(日米間の「解釈のずれ」の認知)によって無効化し、普天間基地もグアムに撤退させようと沖縄の反基地運動を煽り、日米同盟を解消する方向に隠然と動いている。 日本や韓国の企業は、依然として、対米輸出や米国での現地生産によって発展する形態を好んでいる。だが、政治的な状況を見ると、もはや日韓が軍事・政治的に対米従属する代わりに、日韓の企業が米国で自由にものを売れるという日米と米韓の同盟体制は終わりつつある。そのため米側は、日本企業の代名詞であるトヨタを標的に「そろそろ米市場に頼るのはやめてくれ」というメッセージを送るべく、濡れ衣をかけて戦犯扱いの非難攻撃を開始したのだろうというのが、私の読みである。豊田社長の公聴会では「これはトヨタだけでなく、すべての日本製品の信用の問題だ」と、日本企業全体の話にする意志が議員から示された。 (Toyota chief struggles to limit damage from safety recalls - Feature) ▼東芝ココム事件との類似 米国が、覇権国としての世界的な消費の主導役をやめて、その一環として日米同盟も解消しようと考え始めたのは、最近のことではない。米国は、1970年代に不況と財政難になり、80年代に冷戦を終わらせる方向に動くとともに、85年のプラザ合意で円の対ドル為替を切り上げさせ、日本に米市場への輸出依存を脱出させ、内需拡大やアジアでの円圏創設などによって、日本を米国から自立した経済覇権国に仕立てようとした。 この時期、今回のトヨタ叩きと似た事件が起きている。米議会の前で議員がハンマーでラジカセなど東芝製品をたたき壊す演技をやり、米国に敵視された東芝の社長が辞任に追い込まれた1987年の「東芝機械ココム事件」である。この事件は表向き、東芝の子会社がソ連に輸出した工作機械を使ってソ連が潜水艦の性能を向上させ、米国が探知しにくい状況を作ったという、冷戦政策(ココム)への違反事件だった。 だが当時、すでに米国のレーガン政権はゴルバチョフのソ連と対話を開始し、米国自身が冷戦終結を準備していた。ソ連への敵視を終わらせる時に、輸出規制は不必要だった。東芝ココム事件の本当の意味は、米国が不必要な案件で日本企業叩きをやって、日本に「そろそろ米国市場に頼るのを終わりにしてくれ」という、経済面からの日米同盟解消の信号を発したことだった。もし、日本政府が「米国は冷戦を終わらせるのだから、ココム規制なんか不必要でしょう」と言い返していたら、そこで米国の思惑通りに日米同盟は終わり、日本企業は旧共産圏など米国以外の輸出市場を拡大して対処せざるを得ず、対米従属から自立していただろう。 だが、日本では政府(自民党と外務省など)とマスコミが、対米従属を何とか維持しようとがんばり「間もなく冷戦は終わるのだからココムは不必要」という事件の本質を見ないようにして、米議会と同じ姿勢で東芝を非難し、東芝の社長を辞めさせ、米国にくびを差し出して幕引きとした。その後、日本政府は、米国から叩かれないよう、日本企業に対し、米国から敵視される国との取引を自粛するよう求めた。ロシアや中近東など、今では新興市場諸国と呼ばれるようになった市場で日本企業は不活発となり、後発の韓国や中国にシェアを奪われていくことになった(それでも日本製品は高品質なので売れたが)。 東芝ココム事件に対する日本政府の対米従属的な対応は、結果として、悪いものではなかった。米国ではその後、金融界で債券化によるレバレッジ拡大の勢いが強まり、金融主導の経済成長が20年にわたって続き、米国は世界の消費役であり続けたからだ。米当局は、日本など外国勢に「米国でものを売っても良いが、米経済に貢献するかたちにしろ」と命じ、トヨタなど日本車メーカーは、日本で作った完成車を米国に輸出するのではなく、部品から米国で製造し、米国の雇用に貢献する構造転換を進めつつ、米国で売り続けた。 しかし、07年のサブプライム危機を機にレバレッジ解消の壮大な金融収縮が起こり、この20年間の金融主導の米経済の成長は、実は20年のバブル拡大だったことが明らかになった。08年秋のリーマンショック後、米経済は崩壊を加速し、今年に入って米国債の金利高騰やインフレという米国の財政破綻とドル崩壊が起きる懸念が増している。 (Double-Dip, Rate Spike 'Danger' Looms: Ex-Fed Governor) こうした状況下で、米当局は、今回のトヨタを標的にした敵視戦略を展開している。米国外では、中国やブラジル、インドなど新興市場諸国や発展途上国の市場が急拡大している。米国が単独覇権的な世界経済の消費役だった時代が終わり、消費役がいくつも存在する多極型の世界経済に転換するのだから、トヨタは米国以外で車を売ればよい、日本も早く経済の対米従属をやめて、米国に日米同盟を解消させてくれと言わんばかりだ。 ▼07年の従軍慰安婦問題との類似 私が今回のトヨタ叩きと似ていると思った過去の件は、もう一つある。2007年4月に親米派の安倍首相が就任から半年も待たされた後、初めての訪米をしようとしたときに、米議会はタイミングを合わせたように日本の戦争責任としての従軍慰安婦問題を議論し始め、日本は謝罪が少ないと安倍を非難した。今回のトヨタ叩きでは、米議会にトヨタ車の事故で死んだ人の遺族と、アクセルが効かずに事故になりかけた人を登場させ、感情的なトヨタ非難の証言をさせたが、07年の従軍慰安婦問題でも、米議会は元慰安婦を議会に呼び、感情的な日本非難の証言をさせている。 (意味がなくなる日本の対米従属) 安倍元首相とトヨタでは、立場がかなり違うが、米議会が発するメッセージは「米国に頼るのをやめてくれ」という同一のものだ。米国は、何とか米国に貢献したいと近寄ってくる安倍やトヨタに対して理不尽な敵視を浴びせかけ、日本側を怒らせようとしているようにも見える。だが、日本の外務省やマスコミは、この米国からの挑発をできる限り無視して、日本国民が反米になって米国から売られた喧嘩を買ってしまうことを防いでいる。この状態は以前から続いており、その結果、日本は何とか対米従属を続けられているが「見ざる聞かざる」の副作用として、日本人は国際情勢の本質が理解できず、多極化にも対応できていない。 前回日本が叩かれた冷戦終結期には、その後の米経済がレバレッジ化で20年の成長過程に入り、対米従属を維持した日本は恩恵を受けたが、今回もそうした「神風」が吹くとは思えない。米経済の状況は非常に悪い。20年前に神風となった米金融界は、今は逆に米経済の足を引っ張っている。第二次大戦のパターンが繰り返され「米国が中国と戦争して打ち負かし、覇権を維持する」という希望的予測を発する人もいるが、米国が中国に戦争を仕掛けたら、米国は中国に米国債を売られて財政破綻する。米軍はアフガンとイラクで手一杯で、中国と戦争できない。 世界の新興市場は、すでに中国勢などにかなり押さえられてしまっているが、まだ日本製品の高品質をもって売り込める余地はある。東芝ココム事件で日本政府が東芝を叩いたように、今回の件で日本政府がトヨタを叩くことは、日本にとって自滅でしかない。日本の対米従属の持続(日米同盟の維持)は、日米双方にとってマイナスだ。日本人は、米国による今回のトヨタ叩きを、政治的、経済的、精神的な対米依存から自分たちを脱出させる好機とすべきだ。
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