他の記事を読む

サウジアラビアの自滅

2017年11月19日   田中 宇

この記事は「サウジアラビアの暴走」(田中宇プラス)の続きです。

 サウジアラビアの権力者ムハンマド・サルマン皇太子(MbS)に呼びつけられて無理矢理に辞任表明させられ、11月4日からサウジに軟禁されていたレバノンのサード・ハリリ首相は11月18日、フランスに救出されてパリに移動した。ハリリはこのまま辞任するようだ。フランスはレバノンの旧宗主国だ。ハリリはサウジの傀儡だったが、サウジが敵視するイラン系のヒズボラがレバノンを席巻すると、ハリリも親ヒズボラの傾向を強めたため、MbSはハリリを呼びつけて辞任させ虐めていた。 (Macron invites Saad Hariri to Paris with family

 ハリリが虐められているのを見て、フランスのマクロン大統領が11月9日にサウジを訪問し、イランに弾道ミサイル開発をやめさせてほしいというMbSの要望を受け入れてマクロンがイランに圧力をかけることを条件に、ハリリを解放してもらった。その後、マクロンはイランに弾道ミサイル開発をやめるよう求めたが、ミサイル開発は世界の諸国に認められた自衛権の一部なので、イランは要求を拒否した。イランの弾道ミサイル開発を最初に問題にしたのはトランプの米国で、MbSはトランプの言いなりでイランの弾道ミサイルが脅威だと言っている感じだ。 (Senior Iranian official warns Macron against meddling in Iran’s internal affairs

 マクロンは、サウジとイランを仲裁し和解させ、国際社会の英雄になりたいのだろう。だが、和解は無理だ。サウジの後ろには米国がいる。米国は、イスラエルの謀略の代理人として、10年以上前からイランに核兵器開発の濡れ衣をかけて非難制裁してきた。オバマ前大統領はイランと核協定を結んで濡れ衣を解いたが、トランプはイラン敵視を復活し、核協定の破棄や、ミサイル開発を口実にした制裁を模索している。イランはロシアや中国に支えられて強くなり、米国の脅しに屈しない。自分で考えた戦略としてイランと対立しているのでなく米国に踊らされているサウジのMbSは、マクロンが仲裁しても、米国から自立してイランと和解することはない。 (Macron wants to amend Iran nuclear deal to avoid Tehran’s ‘hegemony’ in Middle East) (トランプのイラン核協定不承認の意味

 MbSがハリリを呼びつける前に、米国からトランプの名代として娘婿のジャレッド・クシュナーがサウジを訪問してMbSとイラン敵視の戦略を練った。ハリリへの辞任強要は米国の案だろう。他国の首相が自国に来たすきに脅して辞任を強要し、軟禁したMbSのサウジは、明らかな国際法違反だ。ハリリはサウジとの二重国籍で家族がサウジに住んでおり、家族もろとも軟禁されたため、ハリリだけ逃げ出すことができなかった。サウジは犯罪国家である。しかし、国際社会はまだほとんどサウジを非難していない。これも米国の影響がありそうだ。EUの独仏のうち、フランスが和解仲裁役なので、ドイツがサウジを批判し始め、独仏で役割分担し始めた程度だ。サウジは怒って駐独大使を呼び戻した。サウジは今後しだいに非難されていくだろう。 (Saudi Arabia recalls ambassador from Germany following Hariri comments) (Trump Team Begins Drafting Middle East Peace Plan

▼イスラエルと和解するとサウジの権威が急落する

 トランプがサウジのMbSを乗せたイラン敵視の策略には、サウジとイスラエルの和解構想がついている。今まではイスラエル(ユダヤ人)、サウジ(スンニ派)、イラン(シーア派)が三つどもえで対立していたが、サウジとイスラエルが組めばイランを倒せるとの構想だ。サウジとイスラエルの和解には、パレスチナ国家を蘇生して中東和平を実現することが必須だ。最低限の中東和平を急いで達成し、サウジとイスラエルが国交正常化して軍事同盟を組み、イスラエルやヒズボラと対峙(戦争?)する案を、トランプが特使のクシュナー(ユダヤ人)に持たせ、サウジのMbSはそれに乗った。 (Pro-Hezbollah paper alleges Saudis have made plans for ties with Israel

 イスラエルが嫌がっていた、東エルサレムのパレスチナへの割譲(国際管理化)で譲歩する代わりに、サウジ・アラブ諸国はパレスチナ難民の帰還権を放棄して自国民として国籍付与する新たな和平案が、リークされ報じられた。だが、中東和平の最大の難問はそれらでない。イスラエルが、ヨルダン川西岸のパレスチナ人の土地を奪ってユダヤ人入植地を拡大し続けていることが最大の問題だ。それについては何の解決策も出ていない。 ('Cruel plunder': Israel moves to further annex Palestinian village's lands) (Israeli settlements in West Bank can use private Palestinian land for ‘public use’, says Attorney General Avichai Mendelblit

 イスラエルの右派の諸政党は、どれも入植者集団に牛耳られている。右派の連立政権であるネタニヤフ政権は、入植地建設の凍結を全否定し、むしろ全力で新規入植地の建設を進めている。サウジとイスラエルの和解が語られたこの2週間ほどの間に、イスラエル政府は和平の実現から遠ざかる政策を次々に出している。イスラエル司法省は、西岸のパレスチナ人の土地を没収してイスラエルの公用地とすることを合法とする新規定を発表した。イスラエルのサルサレム担当相は、新たな住宅建設により、西岸入植地の総人口を現在の60万人から、100万人に増やす構想を発表した。イスラエルは、入植地建設を凍結する気が全くない。中東和平が進む可能性はゼロだ。 (Watchdog fears seizure of more land in West Bank) (Elkin: Start preparing for one million settlers in the West Bank

 トランプは、入植地を凍結しないイスラエルに圧力をかける気が全くない。むしろ米政府はパレスチナ自治政府に対し、イスラエルが入植地拡大をやめなくてもイスラエルと和解しろ、さもなくば自治政府の米国代表部を閉鎖するぞと脅し始めた。入植地拡大が止まらないと、イスラエルとパレスチナの国境線が確定できず、パレスチナ国家を蘇生できないので和解のしようがない。 (Trump admin threatens to shutter Palestinian office in Washington

 中東和平が達成されなくても、MbS皇太子のサウジは、イスラエルと和解するのか?。サウジ王政は従来、有力王族間の合議で政策を決めており、イスラエルを敵視する王族が圧倒的多数だったので、和解はあり得なかった。だが、今はあり得る事態になっている。MbSは、レバノンのハリリ首相を辞めさせたのと同じ11月3日、王政内で比較的強い権力を持っていた約20人の王族たちを、針小棒大な汚職容疑で一挙に逮捕した。それ以前の9月には、イスラエルを敵視する強硬派の聖職者たちを逮捕降格した。これらにより、MbSの権力が大幅拡大し、王政を独裁できるようになった。中東和平なしのイスラエルとの和解も、誰も賛成しないレバノンへの空爆も、MbSの一存で挙行できる。 (Israel May Demand Iran Leave Southern Syria, but Russia Sets the Rules of the Game

▼MbSに米軍産とつながった有力王族を一掃させ、テロ戦争の再発を防いだトランプ

 MbSが有力王族を根こそぎ逮捕する独裁強化をやれた背景にも、トランプの米国の後押しがあったと考えられる。かつて慎重に戦略を決めていたサウジ王政は、いまや32歳の若い暴君MbSが独裁し、無鉄砲にやれるようになった。サウジ王政の体制は劇的に転換した。米国とサウジのつながりは従来、複数の有力王族がCIAや国防総省、国務省、有力議員、シンクタンクなどの軍産各部門と勝手に結託し、各種の謀略が複雑に渦巻いていた。911テロ事件も、この構図のもとで起きた。だが今回のMbSの独裁強化により、米サウジ間のつながりはトランプとMbSの結託に一本化された。トランプは米国内の仇敵である軍産に邪魔されず、好きなようにサウジを操れるようになった。これは画期的だ。 (What Craziness is Going on in Saudi Arabia?) (How the Developments in Saudi Arabia May Foretell Collapse of Petrodollar

 これによってサウジは、イランと対決して勝てるようになったのかというと、そうでない。むしろ逆だ。トランプは、MbSを操ってイランを打ち負かそうとしているように見せかけて、実のところ、サウジが弱体化してイランに負けていくように仕向けている。 (Iran already has 13 bases in Syria and tens of thousands of troops. Is their removal realistic?

 軍産が米国の権力を奪取したクーデターともいえる911のテロ事件以来、米国は「テロ戦争」の名のもとに、軍産が大統領を動かして好戦的な軍事による世界支配体制を作ってきた。テロ戦争の「敵」の役回りを担ってきたのがサウジ王政だった。過激なワッハーブ主義のイスラム教を信奉するサウジは、米諜報界と組んで、スンニ派諸国の若者に殺戮思想とテロ技術と資金を注入し、アルカイダやISを支援してきた。トランプは、こうしたテロ戦争の構図を破壊することを任務の一つとして大統領になった。ロシアやイランの努力により、シリアとイラクの両方でISが退治された。トランプは露イランを敵視しているが、米国に敵視されるほど露イランは強くなる。 (Russia emerging as new player in Middle East balance of power

 ISが退治されても、軍産と複雑につながっているサウジ王政のテロ支援体制が残っている限り、再び米サウジ製のテロリストが復活する。悪の根源であるサウジ王政の軍産との複雑な人脈関係のすべてを断ち切るため、トランプはMbSをけしかけ、11月4日の前代未聞の王族の一斉検挙が行われた。この検挙はMbSにとって、自分の権力を強化し、金持ち王族から巨額の保釈金(各人が持つ財産の7割を保釈金として出させ、総額8000億ドル。サウジGDPの1・2倍)を没収し、原油安で窮乏しているサウジの財政を立て直すためのものだった。 (Real Motive Behind Saudi Purge Emerges: $800 Billion In Confiscated Assets) (SAUDI KING TO STEP DOWN NEXT WEEK… Crown demands 70% of detainee wealth for freedom

 9月にMbSがワッハーブ派の強硬思想の聖職者たちを一掃したのも、テロ戦争の根源を破壊するトランプの策に沿っていた。トランプに乗せられているMbSは、サウジを穏健なイスラム教の国にすると宣言している。これらのトランプの策略により、テロ戦争は不可逆的に終わりつつある。(チンピラなトランプがそんな「良いこと」をするはずないと思う人は、軍産の一部であるマスコミに騙されている) (Saudi Arabia and Israel forging ties could be sign of war with Iran

 MbSがトランプの真意を理解して協力しているかどうか不明だ。たぶん理解していない。MbSは、自分の権威の維持しか重視していない(少なくとも表向きはそう見える)。彼は、自分に楯突くレバノンのヒズボラを空爆して潰したい。だが、大義なき戦争なのでアラブやイスラムの諸国はどこも賛成しない。サウジ王政は以前から、軍部がクーデターで王政を転覆することを恐れ、軍隊を弱いままにしてきた(地上軍がなく、見世物的な空軍のみ)。自国の軍隊だけではイエメンのゲリラにも勝てない。エジプトやヨルダン、パキスタンの軍隊にカネを出して雇うしかないが、どこもレバノンを空爆したくない。 (Why Saudi Arabia's Regional Power Plays Won't Lead to War

 そこでサウジがイスラエルと急いで結託し、イスラエルにヒズボラを空爆してもらう案が出てきた(トランプ側が出した)。だが、ヒズボラはシリア内戦で戦闘経験を積み、イランなどから武器も大量にもらっている。保有ミサイルは15万発といわれる。ヒズボラは今や、イスラエルの北隣のレバノンだけでなく、北東隣のシリアにも駐留し、イランやシリアの軍隊と一緒にイスラエルの北半分をぐるりと包囲している。もはやイスラエルもヒズボラを空爆したくない。したら自国の本土が反撃されて壊滅しかねない。 (The greatest dangers in the Middle East today are Jared Kushner and Mohamed bin Salman) (Analysis Israel Is in No Hurry to Do the Saudis' Bidding in Lebanon

 イスラエル軍は長く対峙してきた経験から、ヒズボラの武器庫や拠点がレバノンのどこにあるか把握している。サウジから、ヒズボラを空爆してほしいと頼まれたイスラエルは、ヒズボラの武器庫や拠点がどこにあるか教えてやるからサウジが自分で攻撃してくれと返答した。イスラエルがヒズボラを空爆してくれず、西岸入植地の凍結もしてくれないのに、サウジがイスラエルと和解するとしたら、MbSは大馬鹿者だ。 (Israeli Military Chief Gives Unprecedented Interview to Saudi Media: 'Ready to Share Intel on Iran'

▼米国に騙されたサウジは中国やロシアに接近し、きたるべきドル崩壊の一因をつくる

 11月19日にはカイロで、MbSのサウジが招集した、イランの脅威にどう対抗するかを議題にしたアラブ連盟の緊急会議が開かれる。サウジは、レバノンへの経済制裁を提案すると予測されている。レバノンの農産物の75%がサウジなどペルシャ湾岸のアラブ諸国に輸出されているが、これを輸入禁止にすることが検討されている。アラブの中でもサウジからカネ(賄賂)をもらっていない諸国は、レバノンへの制裁に反対だ。MbSが強硬姿勢をとるほど、アラブ連盟は分裂し、機能不全に陥る。 (Arab League is voting for…what?

 サウジの国際的な威信はこれまで、ペルシャ湾岸アラブ諸国の盟主としてGCC(湾岸協力機構)を主導することと、アラブ諸国の盟主としてアラブ連盟を主導することで具体化されてきた。だがMbSは、トランプにけしかけられて今年6月にGCCの一員だったカタールを経済制裁し、GCCを分裂・機能不全に陥らせた。そして今またレバノンを制裁し、今度はアラブ連盟を分裂・機能不全に陥らせようとしている。これらは、サウジの国際影響力を大きく低下させている。カタールもレバノンも、イランの陣営に移ってしまった。トランプに騙されているMbSは、イランをやっつけるどころか、自国を自滅させてイランの影響力がその分増大する事態を招いている。 (Former UK foreign secretary warns of Saudi 'threat' to Lebanon's stability

 もしMbSがイスラエルと和解してしまうと、サウジ(と米国)は、パレスチナ自治政府(PA)やヨルダンも見放すことになる。PAやヨルダンは、米サウジから見放された分、イランやロシアとの関係を強めるだろう。パレスチナの大義を捨てたMbSは、サウジ国内の若者からも尊敬されなくなる。来週、サウジのサルマン国王が退位してMbSに王位を譲るという報道が出ている。MbSに権力がさらに集中し、誰も彼の間違った政策を止められなくなる。サウジは弱体化していく。イランはますます強くなる。 (Saudi Arabia king set to hand over the crown to his son

 歴史を見ると、サウジは、トランプ以前から米国に騙され続けている。サルマン現国王が即位してMbSが国防相になった直後の15年3月には、米国(軍産)がイエメンのフーシ派を強化するようなやり方でイエメンから撤退し、サウジは慌ててイエメンに侵攻せざるを得ない状況に追い込まれた。オバマはイランと核協定を結び、サウジにもイランと和解してほしかったが、これを好まない米軍産はサウジを逆方向のイラン敵視に誘導し、サウジは16年1月にシーア派のニムル師を処刑、世界中のシーア派を激怒させ、イランとの和解を不可能にした。 (米国に相談せずイエメンを空爆したサウジ) (イランとサウジの接近を妨害したシーア派処刑

 シリア内戦でイラン側の勝利、サウジ側(ISアルカイダ)の敗北が不可避になった16年末、サウジはイランとの和解を再び模索し、GCCの中で親イランなカタールが仲介に動いた。アラブ連盟は、除名したシリアのアサド大統領の再招致を検討した。だが米国が反対し、アサド再招致は棚上げされた。ここでアラブ諸国がアサドと和解していたら、アサドはイランとアラブをバランスでき、内戦が終わるとともにアサドがイラン系の軍勢を帰国させ、サウジに有利な状況ができたはず。米国がアサド再招致に反対したため、アサドはその後もイラン(とロシア)しか頼る先がなく、内戦後にイランやヒズボラがシリアに長期駐留し、アサドが恒久的に露イランの傘下に入り、サウジとイスラエルが困窮する事態を招いた。17年6月には、トランプがサウジ訪問時にMbSをけしかけ、サウジとイランとの仲介役だったカタールを突然MbSが制裁する挙に出て、イランとの和解が頓挫しただけでなく、GCC自体が崩壊した。 (不透明な表層下で進む中東の安定化<2>) (カタールを制裁する馬鹿なサウジ

 権力に登って以来、ずっと米国に騙され続けたMbSは、いずれサウジが弱くなった後に、自分が米国に騙されてきたことに気づき、安保戦略を米国に依存していたことの愚鈍さに気づくだろう。その後のMbSは、おそらく米国と距離を起き、ロシアや中国に今よりさらに接近し、イランとも和解していく。いずれそうなることを予測しているかのように、中国の習近平は最近、サウジとの友好関係を強めると宣言している。いまMbSのサウジを批判せず、応援してますよと言うことで、長期的に石油を安く買えるし、サウジの石油収入を(米国債でなく)中国に再投資してもらえる(後述するペトロユアンの構造)。中国は、サウジとイランの両方と良好な関係を維持している。 (China vows to boost ties with Saudi Arabia amid growing turmoil in Middle East

 習近平は、サウジの国営石油会社アラムコに、ニューヨークやロンドンでなく、中国領である香港で上場してほしいと言っている。アラムコは来年の上場を予定しており、世界史上最大の株式上場となる。ニューヨークに上場すると、911の犠牲者の遺族たちから損害賠償請求され、上場した収入の一部を奪われかねない。トランプは先日、ぜひNYに上場してほしいと(ここでもサウジを自滅の道に進ませようとする)ツイートを発したが、NY上場は困難だ。アラムコは秘密の部分が多く、ロンドンでさえ、上場基準を満たせる情報公開ができるか怪しい。香港ならその点、独裁者となった習近平の一存で、情報公開を最小限にしたまま上場できる。アラムコは、香港に上場しない場合でも、中国の政府系の投資機関に株式を買ってもらうことになりそうだ。米国に騙されるほど、サウジは中国やロシアに接近する。 (Mark Mobius on Saudi Aramco IPO: 'New York is pretty much out') (appreciate Saudi Arabia ... IPO of Aramco ... New York

 サウジはこれまでも、ロシアや中国と戦略的な関係を結んできたが、重要な安保分野だけは対米従属で、米国の言いなりにやって失敗し続けている。MbSがいずれトランプに騙されまくったことに気づき、遅まきながらの全面的な対米自立を目指すようになると、中国とさらに強い関係を持つようになる。サウジの原油輸出をドル建てでなく人民元決済で行うようになると、サウジが石油をドル建てで世界に売った収入で米国債を買い支えてドルの金利を下げておく「ペトロダラー」の世界体制が崩れて「ペトロユアン(石油・元)」の世界体制が立ち上がる。ドルの基軸性が低下する。そうなると、トランプがやりたい米国覇権の放棄、多極化が大きく進展する。トランプは、そこまで視野に入れてMbSを騙し続けていると考えられる。 (Brandon Smith Warns: The Saudi Coup Signals War And The New World Order Reset



田中宇の国際ニュース解説・メインページへ