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米中間選挙で大規模不正の可能性

2022年11月10日  田中 宇 

11月8日に投票された米国の中間選挙(連邦と州の議会、州知事の選挙)で、民主党側(+諜報界)によって大規模な不正が行われた可能性が増している。米国は地方分権が強く、選挙管理の政策決定も州ごとに行われている。民主党が権力(議会多数派と知事)を握る諸州では、トランプが「負けた」前回2020年11月の総選挙(大統領と議会の選挙)の数か月前から、コロナ対策などを口実に、郵送投票制度の大幅導入や開票作業の改定(改悪、選挙不正の容易化)が進められた。2020選挙は、広範な不正が行われた結果、再選されるはずだったトランプが落選し、連邦議会の上下両院の多数派も民主党になった。権力を握った民主党側は、選挙制度を公正に戻そうとする共和党側の動きを封じ込め続けた。共和党内では民主党側と結託してきた軍産系の勢力がまだ強く、彼らはトランプ派に党を乗っ取られるぐらいなら民主党側による選挙不正を黙認した方がましだと考えている。そのため、選挙不正の再発を防ぐ共和党内の動きも鈍くなった。 (Midterm Red Alert: Expect the Steal in These Dem-Run States) (This started with a single location. Then a few. Now, it's sounding as if this is widespread and very serious.

このような経緯で、2020選挙で民主党による不正を可能にした、歪曲された選挙管理体制はそのままになり、今回の中間選挙まで温存された。単に温存されただけでなく、民主党が握ってきたネバダやワシントン、オレゴンなどの諸州では、引き続きコロナ対策を口実とした郵送投票制度の拡大が行われ、民主党による選挙不正が2年前よりもさらにやりやすくなっている。投票日に共和党支持者が投票所に行ったところ、すでに郵送投票したことになっていると言われて投票を拒否される事態が相次いでいる。 (Expect the Steal in These Dem-Run States - Revolver News) (米民主党の選挙不正

今回の中間選挙では、投票日に投票機が故障する事態も広範囲に起こった。米国の投票機は、選挙管理者が不正を施したプログラムに差し替える手口などにより、選挙不正を行えることが20年前から判明している。トランプ以前、2大政党は談合していたので、民意に関係なく、その時の状況に応じて2大政党が交渉して与党を決める傾向があり、この政治体制下では、投票機で不正が行えることがむしろ望ましかった。2016年にトランプが登場し、2大政党の談合体制を米国覇権ごと破壊し始めた後、米国の選挙不正システムは談合用でなく、トランプとその一派を排除するために「活用」され続けている。 (Analysts Raise Alarm: Election ‘Wholly Manufactured by Langley’) (不正が横行するアメリカ大統領選挙) (ずっと続く米国の選挙不正疑惑

トランプ派は、民主党側(民主党+共和党軍産派+軍産マスコミなど)が構築した米国の選挙不正システムの全容を把握できていないようだ。そのため、トランプ派は自分たちが圧勝すると思ったのに、ふたをあけてみると、選挙不正システムによって勝利を阻まれたり限定的にされたりしている。米国の民意としては、民主党支持者のより多くが、バイデンや左翼による党支配と政策失敗に失望し、民主党から離れている。民主党の若手の星だったツルシ・ガバード(トゥルシー・ギャバード)の離党が象徴的だ。選挙不正がなければ、中間選挙は共和党の圧勝だった。票差が大きいので、選挙不正をやっても、共和党の勝利を覆せず、圧勝を辛勝に変えることしかできない。だが民主党側としては、辛勝に変えるだけで十分だ。共和党内は「隠れ民主党側」である軍産系がまだ強いので、トランプ派を封じ込め続けられる。 (中間選挙で米国が変わる?) (不正選挙を覆せずもがくトランプ) ( AOC Humiliated At Town Hall In Viral Clip: 'Why Can't You Be More Like Tulsi Gabbard?'

中間選挙の開票には今後、数日から数週間かかると予測されている。時間をかけて少しずつ開票結果を出していくことで、民主党系の諸州を中心に、ニセの投票用紙の束を適宜追加するなどして不正の度合いを調整し、最終的な「共和党辛勝」もしくは「民主党の意外な勝利」の形を作っていける。大統領選挙が先日行われたブラジルは、米国と人口が同規模だが投票終了後3時間で結果が出た。最先進国のはずの米国で結果を出すのに何日も何週間もかかるのは、無能というよりも意図的なことだ。 ("Protest, Protest, Protest!" Trump Calls For Action Over 'Complete Voter Integrity Disaster' At Polls) (US state will count potentially fake ballots - court

トランプ派は各所で選挙不正を指摘して提訴などしていくのだろうが、2020選挙と同様、不正を覆すことは困難だろう。今後も、少なくともトランプ派が共和党内の軍産系を無力化するまでは、米国の選挙不正システムが稼働し続ける。マスコミも民主党側なので、共和党が自分たちの負けを認めたなくないので選挙不正があったとウソを言っているだけだと喧伝し続ける。 (There May Not Be A 2024 Election) (Midterms Roundup



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