ロシアに野望をくじかれたトルコ2015年10月30日 田中 宇トルコ軍が、初めてシリアのクルド人の軍勢(YPG)を越境攻撃したと報じられた。トルコ政府は以前から、国内で活動するクルド人武装組織PKKをテロ組織に指定して攻撃している。だが、PKKの兄弟組織であるシリアのYPGは、米国がISIS(イスラム国)との戦いで味方として支援している組織なので、これまでトルコ軍は対米関係を重視してYPGへの攻撃を避けてきた。YPGは、トルコ軍に攻撃されてシリアに越境避難していたPKKの軍勢から軍事支援を受けて強くなり、ISISと戦ってきた。YPGはPKKの弟分だ。今回、トルコ軍がシリアのクルド軍を攻撃したことは、トルコが、米国との同盟関係より、独立国家を持とうとするクルド人がトルコにもたらす脅威への対策を優先したことを示している。 (Turkey Confirms Strikes Against Kurdish Militias in Syria) (Turkey attacks Kurdish YPG forces in Syria) しかし、トルコ軍がどのようにYPGを攻撃したかという段になると、話があいまいになる。YPGへの攻撃は、トルコのダウトオール首相が10月27日にテレビのインタビューで明らかにしたものだが、同首相はトルコ軍がいつどこでYPGを攻撃したか明言せず「YPGに対し、ユーフラテス川の西岸に進軍するなと言ったのに、進軍したので、2回、YPGを攻撃した」とだけ述べた。 (Turkey Confirms Attacking Kurdish YPG Forces in Syria) YPGによると、トルコ国境に接するシリアの町タルアブヤド(Tal Abyad)で、シリア側に駐屯しているYPGに対し、トルコ軍が、トルコ側から機関銃を発砲して攻撃してきた。攻撃はそれだけで、トルコの戦闘機に空爆されたとは、YPGも認めていない。米国などでは、トルコの戦闘機による空爆を報じるメディアもあるが、具体的なことは何も書いていない。米国の公共放送NPRは「トルコのジェット機が、米国の友軍であるシリアのクルド人勢力を攻撃した」と見出しで書いているが、記事の中身で空爆について何も書いていない。 (Turkey's Jets Fire On Syrian Kurds Allied With U.S. Against ISIS) 現在、シリア全土の上空は、ロシア軍が制空権を持っている。米国、トルコ、イスラエルなどの空軍は、ロシアに通告してからでないとシリアの領空に入れない。イスラエルの空軍機が勝手にシリアに入り、露軍機から緊急発進をかけられて追い出されている。ISISと本気で戦っているロシアにとって、YPGは貴重な味方だ。トルコの空軍機がシリアに入ってきてYGPを空爆することを、露軍は許さないはずだ。トルコがシリアに戦闘機を派遣してYPGを空爆したのなら、それはトルコ政府がロシアと戦争してもかまわないと思っていることを意味する。トルコ軍が、国境のトルコ側からシリア側に機関銃を撃ち込んでも、ロシアと戦争にならないが、戦闘機によるシリア空爆は、ロシアとの戦争を覚悟する必要がある。空爆でなく、国境沿いの短距離の地上の越境侵攻なら、トルコ軍はすでに今年7月にタルアブヤドの西にあるコバニ(アインアルアラブ)に戦車を入れ、YPGを攻撃している。今回が初めてではない。 (Syrian Kurds accuse Turkey of attacking their forces) (ロシアのシリア空爆の意味) トルコは11月1日にやり直し総選挙を控えている。6月の議会選挙で、10年以上政権を握り続けてきた与党のAKP(公正発展党)が、目標の単独過半数をとれなかった。AKPの独裁的な指導者エルドアン大統領は、AKPが議会で過半数をとり、大統領権限を強化する憲法改定をやって自分の権力を盤石にしたかった。他の諸政党は皆、エルドアンの独裁強化に反対している。単独で過半数をとれず、他の政党と連立政権を組まねばならないとなると、大統領権限を強化できない。逆に、AKP以外の諸政党が大同団結して連立政権を組めば、AKPを野党に追いやれる。エルドアンは、組閣を許可する大統領権限を使ってAKPを除外した連立政権の組閣を阻止し、やり直し総選挙に持ち込んだ。 (Turkey bombing aftermath: Divides deepen over Erdogan ahead of vote) (Turkey --- Success Story Turns to Disaster) トルコの6月の選挙では、2012年に結党した左翼とクルド人の政党HDP(人民民主党)が、初めて議席を獲得した。トルコ議会(定数500議席)は、クルド人らを排除する構造として、選挙の得票率が10%未満の党は議席を持てない規則を持っている。HDPは今回初めて10%を超える13%台を得票し、80議席を得た。(クルド人はトルコ国民の約2割を占める) (Peoples' Democratic Party (Turkey) - Wikipedia) エルドアンは、やり直し選挙でHDPの得票を再び10%以下に落とし、HDPの分の80議席をAKPがとることで、単独過半数に返り咲くことを戦略にした。そのために、2012年から続いていたトルコ軍とPKKとの停戦を7月末に破棄し、PKKに対する攻撃を再開した。エルドアンは、PKKを攻撃してクルド人の反政府意識を掻き立て、反政府的なクルド人に対する、トルコ系のトルコ人の敵視が強まるよう仕向け、クルド人と戦うAKPに対するトルコ系の支持を増やすことで、11月1日の選挙で勝とうとしている。クルド人の多くは、自治拡大を望んでいるが、同時に、政府の標的にされて弾圧されることも恐れている。政府に敵視されるHDPをあえて支持するクルド人を減らすのがエルドアンの策だ。 (Ankara Bombings Leave Turkey More Polarized Than Ever) (The Kurdish town that hosts Turkey's deadliest terror cell) 10月10日、トルコの首都アンカラで行われたHDPを支持する政治集会の会場で、ISISの犯行とされる爆破テロが起こり、百人以上が死んだ。トルコ当局はYPGと戦うISISを以前から支援しており、トルコ国内にISISの補給網が作られている。20日のテロは、クルド人を攻撃する選挙戦略の一環としてAKPがISISにやらせた可能性がある。クルド人の多くが、そう考えている。 (Turkey's election turmoil will have global impact) (Turkey's Demirtas warns leaders heading towards civil war) このような選挙のためのクルド敵視策を考えると、選挙を5日後に控えた10月27日にダウトオール首相がシリアのクルド人勢力を制裁的に軍事攻撃したと発表したことも、クルド敵視の選挙戦略の一つだったと考えられる。軍事攻撃の内容が、空爆なのか越境発砲なのかあいまいにしたまま、AKP政権の強いトルコがクルド人をやっつける構図が、選挙用の宣伝としてトルコで流布されている。トルコ政府は、ロシアとあえて戦争する気がない。戦闘機でシリアを空爆したのだとしても、それはロシアの目を盗んで行われる一度や二度だけの例外的な行為で終わるだろう。 (Furious but powerless, Turkey left smarting by Russian action in Syria) (Angry Mobs Torch Kurdish Offices, Shops As Turkey Descends Into Chaos) エルドアンは以前、今のような反クルドの姿勢でなかった。02年にトルコの政権をとった彼は、CHPの前政権がやっていたトルコ国内のクルド人への弾圧をやめ、ある程度の自治を与えて懐柔することで、クルド人がAKPを支持するよう仕向けた。当時のトルコは、近代トルコの国父ケマル・アタチュルク以来80年続いた世俗主義(イスラム政治を否定し、欧州に仲間入りする。ケマル主義)のCHPを、イスラム主義のAKPが選挙で破り、権力を奪っていく過程の始まりだった。CHPはトルコ民族主義を重視し、同化策に抵抗するクルド人を弾圧したが、イスラム主義のAKPは、同じイスラム教徒であるクルド人にわりと寛容で、クルド人を取り込んでCHPに勝つことをめざした。(01年の911後のイスラム復興運動として02年からAKPが台頭した) その一方でエルドアン政権は、シリアのアサド政権との親密さを維持し、アサドがトルコ国境近くのシリアに住んでいるクルド人を弾圧することに協力した。だが、11年からシリアが内戦になり、トルコの同盟国である米国がアサド打倒を目標に掲げると、トルコも反アサドの姿勢に転じ、アサド政権が倒れた後のシリアにトルコ好みの新政権(ムスリム同胞団?)ができるよう画策し始めた。 エルドアンのクルド人に対する容認策は続いた。11年のシリアの内戦化とともに、シリアやイラクを拠点としてトルコに攻撃を仕掛けるPKKの動きがさかんになったが、エルドアンは13年にPKKと和解し、クルド人を取り込みつつ自らの支持を拡大した。エルドアンは、それまでケマル主義のCHPが80年間持っていた政財官の権力網を10年かけて壊して自らに権力を集中し、トルコの最高権力者を首相から大統領に移す政治システムの転換をやって、自分が首相から大統領になって、さらに権力を拡大しようとした。 (クルド独立機運の高まり) だが、14年春にISISが台頭し、PKKが育てたシリアのクルド軍(YPG)が、シリアでISISと最も有効に戦えるアサド以外の勢力として米国から支持されるようになった。クルド人がシリアで準国家的な自治区を持てる可能性が高まり、エルドアン政権はYPGを看過できなくなった。シリアのクルド人は、対トルコ国境沿いに住んでいる。国境のすぐ向こうのクルド人が自治を得て準独立国家を作ると、自治意識や民族主義がトルコのクルド人に感染し、トルコにとって国家的な脅威になる。トルコ軍は、米軍と結託してISISをこっそり支援することで、ISISがクルドと戦って弱体化させるよう仕向けた。 (PM: Turkey Will `Wipe Out' Kurdish PKK) 第一次大戦後、クルド国家の創設を阻止し、クルド人の同化消滅を目標に作られたトルコ共和国は、昔から反クルドの傾向だが、対照的に、米英イスラエルは以前から親クルドだ。米英イスラエルは、クルド人の独立心を煽り、イラクのサダム・フセインやシリアのアサド、イランのシーア派政権などに楯突く「クルドvs周辺の独裁諸国」の構図を好んできた。米英イスラエルとトルコの間に、クルドをめぐるねじれがある。シリア内戦で、米国は、ISISとクルド人があまり敵対せずアサド政権を倒すことを望んだが、トルコは、アサド打倒と、ISISvsクルド人の恒久対立の両方を画策した。 (Intelligence report links PKK to Israel) (Turks suspect 'Israeli link with PKK ') (Turkey duped the US, and ISIS is reaping the rewards) ISISの台頭により、シリア内戦はアサドが不利になったが、イランとロシアがアサドへのテコ入れを強め、押し返した。露イランは、内戦が終わったらクルドに自治を与えるとアサドに約束させ、アサドとクルドの敵対を終わらせて、アサドとクルドがISISを挟み撃ちする状態を作り出した。今年の前半、クルド人はシリア北部でISISを戦闘で追い出し、トルコ国境に沿った地域で準国家的な自治区を作り始めた。米国はこの新事態を傍観したが、トルコにとっては大きな危機だった。 (Kurds Accuse Turkey of Allowing IS Attack on Kobani) 今年6月の総選挙でAKPが過半数をとれなかった後、エルドアン政権は、11月のやり直し総選挙で勝つことと、シリアにできつつあるクルド人の準国家を壊すためという両方の目的で、トルコ国籍のクルド人の武装組織PKKがシリアを拠点にしているのでそれを潰すという口実で、シリアに侵攻してクルド人の軍勢(PKKとPYG)を潰す軍事作戦をやろうとした。7月下旬、トルコ軍は停戦を破棄してPKK(この時はイラクのPKKの拠点)を攻撃し始め、新作戦を開始した。米国は、トルコが(これまでこっそり支援してきた)ISISを攻撃するなら、PKKを攻撃しても良いという態度をとった。 (NATO, Turkey to meet over ISIL, PKK on Ankara's request) このまま事態が転換しなければ、今ごろトルコ軍の地上軍がシリア北部のクルド人地域に侵攻し、シリア北部の上空はトルコ軍が制空権を握っていただろう。トルコ軍は、シリア政府軍とも交戦して打ち破っただろう。トルコはNATO加盟国なので、トルコとシリアの戦争は、NATOとシリアの戦争になり、米軍を引っぱり込める。しかし、トルコ軍が実際に侵攻する前に、新事態が起きた。ロシアがシリアに軍事進出してきたのだった。 アサドがロシアに助けを求め、それに応じるかたちでロシア軍が昔からのシリアの基地(地中海岸のタルトス、ラタキア)の軍勢を急増し、9月末からISISやアルカイダの拠点を空爆し始めた。露政府は、シリアへの軍事進出を事前に関係諸国に通告したという。トルコも通告を受けていただろう。プーチンは、エルドアンのシリア侵攻を阻止するために、シリアに軍事進出したことになる。シリア政府軍を強化するなら、ロシアは新兵器や軍事情報(衛星写真など)の供給、軍事顧問団の派遣をするだけで十分で、露軍の戦闘機がわざわざシリアに駐留して空爆を行う必要はない。露軍が大量の戦闘機をシリアに派遣したのは、トルコにシリア侵攻を思いとどまらせるのが主目的だったと考えられる。 (ロシア主導の国連軍が米国製テロ組織を退治する?) 露軍が来てくれたので、シリアのクルド人は、トルコに邪魔されずに準国家的な自治区をトルコ国境沿いで拡大している。冒頭に書いた、トルコ軍が国境越しに機関銃を撃ったタルアブヤドは、今年6月にYPGがISISとの戦いに勝って奪還した町で、10月に入って正式にクルド自治区(Rojava)に編入された。タルアブヤドへのトルコ軍の銃撃は「自治区を作るなど許さないぞ」というメッセージだった。露軍がシリアにいなかったら、国境越しの銃撃でなく、戦闘機に支援されたトルコの地上軍が越境侵攻していただろう。 (Tel Abyad joins Kurdish-led 'self-rule' in Syria) (Tell Abyad - Wikipedia) トルコのダウトオール首相がテレビで述べた「ユーフラテス川の西に行くな」という警告も、クルド人の自治区拡大を阻止するためものだ。クルド人はシリアの対トルコ国境沿いの東の方と西の方に分かれて住んでおり、その間にユーフラテス川が流れている。川の東岸を抑えたYPGは、西岸にも進出し、東西のクルド人居住区をつなげて一つの自治区にしたい。そうなるとトルコとシリアの国境地帯のほとんどがクルド人に抑えられ、トルコはISISをこっそり支援できなくなる。トルコはYPGの西進を阻みたいが、露軍がいるのでほとんど何もできない。国境越しに機関銃を撃つことぐらいだ。 (Syrian Kurdish Leaders Planning to Capture Last Border Crossing with Turkey Held by Isis_vv) こんなトルコの国家的な窮地に際し、トルコの同盟国であるはずの米国は、いつものとおり頓珍漢なことをやっている。露軍の進出後、米国は「穏健派」を称するシリア反政府勢力の軍事支援をあきらめ、代わりにクルドのYPGへの軍事支援を強化することにした。米国防総省は10月中旬から、50トンという大量の供給枠を設け、YPGに武器を供給している。(供給された武器の一部はISISやアルカイダにも流れたかもしれないが、大半はYPGが得たようだ) (勝ちが見えてきたロシアのシリア進出) (クルドの独立、トルコの窮地) トルコの猛反対を避けるため、米国防総省は「アラブ系シリア人連合」(Syrian Arab Coalition)という架空の組織を作り、そこにYGPが加入して戦っているという筋書きで、クルド人でなくアラブ人への武器供給であるかのような見せかけを作った(クルド人はクルド語、アラブ人はアラビア語が母語)。クルド人が入っているのにアラブ連合というのはおかしいと指摘された国防総省は「アラブ系シリア人連合は、民主軍(Democratic Forces)に改名した」という新たな筋書きを発表した。トルコ当局は、米政府が演じる稚拙な茶番劇にあきれているだろう。 (Confusion as Pentagon Arms Syrian `Arab Groups') (Washington's Syria "Strategy" In Complete Disarray As "Ally" Turkey Bombs US-Armed Rebels) (US Airdrops Weapons, Ammunition to North Syrian Rebels) 米国のケリー国務長官は、急いでサミツトを開きたいとロシアに相談し、10月29日にウィーンに米露EU、イラン、トルコ、サウジアラビア、エジプトなど12カ国の外相らを集め、シリア内戦の解決をめざすサミットを開いた。ケリーがサミットの開催を急いだのは、ロシアが好む外交的解決を進めて良いから、代わりにロシアはシリアで親米の「穏健派武装勢力」を空爆しないでほしい求めたからだと指摘されている。 (Putin Makes Obama an Offer He Can't Refuse) シリアには穏健派反政府武装勢力などいないのだから、この話も、茶番の上に茶番を重ねている。「そんなことあるわけない」と読者が拒絶するのは自由だが、現実として、米国が音頭をとって、ロシア好みのシリア問題の解決を進めていることは間違いない。米国は、ロシアの要求に沿ってイランのサミット参加を認めたし、アサドが政権を維持することも容認した。米国はアサド延命について今のところ「内戦終結まで」という条件をつけているが、いずれこの条件は雲散霧消するだろう。同時に、クルド人への自治付与も容認されていく傾向だ。 過激な米国と対照的に、現実派が強い欧州では「シリアの解決をロシアに任せ、クルドに自治を与え、(選挙に勝てるなら)アサド留任でいいじゃないか」という見方が強まっている。これに対して「おれたちの国益を無視するな」とトルコが怒って欧州に与えた反撃の一つが、今夏以降の難民流入だ。 だが、今のトルコにできることは、そこまでだ。たとえ選挙でAKPが勝ち、エルドアンが大統領権限を強化できても、シリアでクルド人が準国家的な自治区の創設することを阻止できない。トルコ軍がシリアに侵攻したら、露軍の空爆で潰される。エルドアンは、選挙でAKPが過半数をとれなかったら、国内でAKP支持者のナショナリズムを掻き立ててクルド人に対する攻撃を激化し、自国を内戦状態にして、非常事態を宣言して独裁を強化しようとするかもしれない。しかしこの策は、エルドアンが10年以上かけて権力を奪ったケマル主義のトルコ軍が、クーデターでエルドアンを追い落とす反逆に道を開きかねない。 (The Syrianization of Turkey) 今にして思えば、シリアが内戦になる前後の2012年ごろが、エルドアンの最盛期だった。イラクは混乱し、イランは核の濡れ衣で米イスラエルに封じ込められ、エジプトのムバラクも追放されて、トルコだけが中東での影響力を拡大し「新オスマン主義」を標榜していた。だがエルドアンは、落とし穴が多い米国の中東戦略に便乗しすぎた。トルコは、シリア内戦やISISをめぐる落とし穴にはまり、露軍のシリア進出後、劇的に失敗国家へと転落し始めている。 (近現代の終わりとトルコの転換) (中露トルコが中東問題を仕切る?) (トルコ・ロシア同盟の出現) (トルコ反政府運動の意図と今後) 代わりに台頭したのは、米国に頼らず(米国に敵視されて頼らせてもらえず)米国が無茶苦茶な「裸の王様」であるとはっきり指摘するようになった非米的なロシアやイランだ。エジプトやヨルダンは、米国に見切りをつけてロシアに接近している。半面、トルコと同時に、米国の覇権にぶらさがってきたイスラエルやサウジは窮地に陥っている。米国にぶら下がる国が窮地に陥る展開は、いずれ東アジアにも及ぶだろう。 (対米協調を画策したのに対露協調させられるイラン) (Russia, Jordan to form coordination center on Syria military actions)
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