他の記事を読む

トランプ返り咲きの周辺<1>

2024年9月3日   田中 宇

11月の米大統領選はトランプとハリスの対戦になったが、ハリスはしどろもどろで、マスコミの歪曲報道だけが頼りで、極左・リベラル全体主義の自滅策をたくさん盛り込んでしまっており、人気がない。
対照的にトランプは銃撃されても死なず、不死身さを醸成して人気を上げている。民主党支持者の何%かを引き連れて離党したケネディ家のRFKジュニアもトランプ支持を宣言した。ふつうに考えればトランプの圧勝になる。
Elon Musk Warns Censorship Of X "Is A Certainty" If Kamala Harris Wins
Clips trickling out… so far, Harris flubbed CNN interview…

トランプは2017年、米国と米覇権を支配する勢力(エスタブ、深奥国家、軍産、諜報界、マスコミ)を、草の根のちから(=民主主義)で引き倒すことを掲げて大統領に就任した。彼の就任演説は、いま再読してもすごい。
トランプ革命の檄文としての就任演説

当然ながら、支配勢力は、あらゆる手段を使ってトランプを潰そうとし続けてきた。2020年の大統領選で彼らは、トランプの再選を阻むため、新型コロナで拡大した郵送投票制度を悪用した選挙不正によってバイデンを不正に勝たせた。
米民主党の選挙不正
ずっと続く米国の選挙不正疑惑

(トランプ再選阻止の選挙不正をやるために、2019年秋に米諜報界が、米国からの資金援助でコロナウイルスの移植実験を繰り返していた中国の武漢ウイルス研究所で漏洩事件を誘発し、新型コロナを米国など世界に拡大した、と考えることもできる)
武漢コロナウイルスの周辺

支配勢力の傘下にあるマスコミは選挙不正を全く報じず、選挙不正を指摘した共和党の支持者たちの方がJ6の連邦議事堂選挙事件を当局に誘発されて訴追攻撃されるありさまだ。
米支配勢力は2022年の中間選挙でも、民主党への票を水増しし、トランプが率いる共和党の議会での拡大を阻止した。
ずっと続く米国の選挙不正
Federal Prosecutors Begin Dropping Jan. 6 Obstruction Charges After Supreme Court Ruling

汚い手法がしつこく行われてきた経緯から考えて、今年の大統領選でも最大限の選挙不正が繰り返される可能性がある。
トランプは、米諜報界に入り込んでいるイスラエルの希望を全部聞くことで、イスラエルの力を借りて選挙不正を乗り越えて返り咲こうとしている。
イスラエルは米諜報界の動きを全把握できるようではあるが、トランプの敵たちとも相互乗り入れしているので、米国の選挙不正を阻止・暴露できる力があるのか怪しい。
トランプは2018年からイスラエルにすり寄っているが、2020年と2022年に民主党側に選挙不正を完全犯罪としてやられてしまっている。(当時のイスラエルはまだトランプに懐疑的で十分な協力をしなかったとか?)
トランプのエルサレム首都宣言の意図

とはいえ今回、民主党候補は現職のバイデンから、さらに不人気なハリスに差し替えられている。選挙不正をやれる得票差には限度がある。僅差ならくつがえす不正をやれるが、得票差が10-15%以上になれるとやりにくい。
もしかすると、民主党の上層部でバイデンを引きずり下ろしてハリスに差し替えるクーデターをやった黒幕はイスラエルかもしれない。イスラエルが、トランプを勝たせるために、民主党上層部や大口献金者のシオニストを動かし、バイデンを降ろしてハリスに差し替えたのでないか。
Tucker warning: Desperate deep state will throw entire world into chaos to stop President Trump…
Inside the tension in Harris' "Frankenstein" team

クーデターの黒幕はオバマ元大統領だという説がしばらく流されていた。オバマは現職時代、イスラエルの影響力を削ごうとして暗闘になり、両者は犬猿の仲だ(もともと黒人とユダヤ人は民主党内で仲が悪い)。イスラエルは、自分たちがやったクーデターをオバマのせいにする目くらましまでやったとか。
軍産複合体と闘うオバマ
イスラエルとの闘いの熾烈化

マスコミは、不人気で無能なハリスを称賛する記事を出しまくる、噴飯ものの歪曲報道を全力でやっている。これは、害悪なコロナワクチンの素晴らしさを称賛し、無根拠な人為説を温暖化の絶対の原因だと喧伝し、勝っているロシアを惨敗していると大誤報しつづけたのと同様、マスコミの信用を自滅的に失墜させる。
エスタブの主力であるマスコミなどリベラル勢力は、大間違いなことを絶対善としてあがめ、反対論者や懐疑論者に犯罪者の濡れ衣を着せて弾圧するオーウェル1984的な「リベラル全体主義(リベ全)」になっているが、マスコミを含むリベラルのリベ全化は、リベラルやエスタブを自滅させる謀略の成果であると私には見える。
WORD SALAD: Kamala Harris says climate slavery means “freedom” and “patriotism”
覇権の起源 : ユダヤ・ネットワーク

イスラエルは、その謀略の片棒を担いでいる。ネタニヤフやリクードのイスラエルは、リベラルから離れてトランプと組むと同時に、リベラル派に入り込んだエージェントたちを駆使してリベラルをリベ全化して自滅させている。
マスコミはもともとユダヤ人が作った産業であり、米国のユダヤ人の多くは民主党支持のリベラルだった。イスラエルは、米国を傀儡化したまま、リベラル(米エスタブ)やマスコミを捨てて、トランプや中露の側に転向していく。
意図的に強烈な人道犯罪を露呈しているガザ戦争は、米国のリベラル派を反イスラエルの方向に押しやり、イスラエルのリベラル派が米国から支援されないようにして、ネタニヤフの政治力を強めている。
Special relationship at risk if UK bans arms sales to Israel, says Trump adviser
Dozens of media associations call on EU to suspend treaty with Israel

トランプはリベ全と果敢に戦う英雄になっている。マスコミやリベラルがトランプを攻撃するほど、全体主義化したリベラルの極悪性に気づいて憎むようになった保守系の人々は、トランプ支持を強める。
郵送投票や、違法移民が投票できるID無確認など、民主党側が選挙不正をやれる環境の多くは手つかずに残っており、共和党側が裁判などで制度の修正を求めても、判事が民主党系なので却下されている。
ハリスとトランプの人気の差と、選挙不正でやれる範囲のどちらが大きいかによって、選挙結果が決まる。
Biden-Harris Admin Busted Using Secret Rule To 'Trump-Proof' DOJ
The Policy Desperation Of Kamala Harris

欧州でも、フォンデアライエンやボレル外相らリベ全化した勢力が支配するEUや英仏独が自滅していき、トランプと連帯すると宣言したハンガリーのオルバン政権や独AfDなど右派・保守系が台頭する流れになっている。
欧米の全体が、自滅していく左派リベ全エスタブと、台頭していく右派草の根のトランプ系の大きな対立になっている。
フランスのマクロンは、選挙で右派に負けるのを防ぐために左派と組んで勝ったものの、与党化した左派から弾劾の脅しをかけられ、左派の言いなりでリベ全をやらされて自滅していく。
France Unbowed Moves to Impeach Macron - Lawmaker
French Left Calls Mass Protest Against Macron

その他、書けそうなことがたくさんあるのだが、まとまりがついていないので、あらためて書く。



田中宇の国際ニュース解説・メインページへ