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投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選

2020年11月4日   田中 宇

米大統領選挙の開票が進んでいる中でこれを書いている。従来の常識に沿うなら、数時間後にこの記事を配信するころに勝敗が決する。だが、すでに従来の常識はあてにならない。前から書いているように、今回の米選挙は米国のさらなる混乱の始まりとなる。選挙結果が確定するまでに、数日から数週間かかる。最終的な現実は、たぶんトランプが再選され続投する。最終的な獲得選挙人数はトランプ291、バイデン244あたりだろう。 (In preparation for any emergencies, including widespread social unrest, the National Guard has been deployed in several states

黒人の30%がトランプ支持だと世論調査機関ラスムッセンなどが言っている。ラティノも似た感じだ。前回2016年は黒人の8%しかトランプを支持しなかった。米大統領選は毎回接戦なので、これまで民主党を支持してきた黒人やラティノの数%がトランプ支持に転じただけでトランプ圧勝になる。今回は史上最高級の67%の投票率だが、投票率が上がるほど接戦州で共和党が有利になる(全米的に、都会は民主党支持、田舎は共和党支持が多い)。米国でも日本でも、マスコミはバイデン優勢と言い続けてきたが、人々は「本当はトランプが優勢っぽい」とわかっている。マスコミは信用を失っていく。 (Stunning: 31% of Black Americans now plan to vote for Trump, handing him a LANDSLIDE victory) (JPMorgan's Kolanovic Has A Warning For Those Expecting A Crushing Biden Victory

最終的にトランプが再選される。勝敗を決するフロリダはトランプの勝ちになった。270人とると勝ちな選挙で、トランプ291、バイデン244(223+アリゾナ11+メーン4+ネバダ6)ぐらいで終わりそうだ。大体の開票結果の判明が何日かずれ込みそうなペンシルバニア(20人)、ミシガン(16人)、ワイオミング(10人)はすべてトランプが取りそうだ。イスラエルは従来、米国の2大政党の両方と仲良くしようとしてきたが、今のネタニヤフ首相はトランプとだけ仲良くしている。イスラエルもトランプ再選を予測している。 (Trump Takes TX, FL, OH; Biden Flips AZ With Vote Set To Drag For Days) (Netanyahu putting all his eggs in Trump’s basket

だが、民主党・マスコミ権威筋・ネット大企業群(グーグルアップルフェイスブックツイッターマイクロソフトなど。シリコンバレー)といった旧軍産エスタブの勢力は、トランプの再選を認めたくない。米テレビ局(MSNBC)は「今夜(11月3日)トランプが勝利宣言しても、それは不確定な中で勝手に言っているだけのフェイクニュースなので報道しない」と宣言している。「トランプ勝利はフェイクニュースだ」というエスタブ権威筋の決めつけがしばらく続く。「トランプは選挙不正したに違いない」という無根拠な濡れ衣もしばらく続く。これらの歪曲や濡れ衣が解除されるまで選挙結果が確定しない。ずっと確定しないと米国の国際信用(覇権)が低下していく。軍産エスタブは米覇権の維持が目標なので覇権低下は困る。いずれ、トランプの再選が公式に認められていく。それまで何日・何週間かかるかが注目点だ。 (If Trump Declares Victory On Election Night, We Will Not Broadcast His Speech

トランプが勝利宣言したら、報道されないだけでなく、暴動も開始される。「サンライズ運動(Sunrise Movement)」という民主党左派の政治運動体が全米に連絡網を作り、トランプが勝利宣言したら「それはウソだ」と叫びつつ、ワシントンDCなど全米でトランプを辞めさせるためのデモや集会、そこから発展する暴動、略奪などをやることになっている。運動の中心地はワシントンDCの大統領府から近い場所に作ったBLM広場だ。すでに多数の左翼活動家や、うっかり左翼傀儡の市民たちがBLM広場に集まっている。彼らは11月5日に大統領府を襲撃し、11月6日に他の連邦政府機関や議会などの建物を襲撃する計画だとも言われている。すでに大統領府は襲撃に備えて有刺鉄線で囲われ、州兵が警備している。DC以外の全米の連邦政府の建物も襲撃・破壊の標的にされる。各地の商店街が暴徒に備えて店頭を板で覆っている。米国民の77%が、選挙後に暴動が起きると予測している。 (If Trump wins, thousands of people could “storm White House”) (77% Of Americans Think Violence Will Break Out After The Election

サンライズ運動の内部にトランプ側のスパイが入り込んでいるらしく、運動の動きを暴露する「サンライズ暴露 SunriseExposed.com 」というウェブサイトが作られている(BLMやアンティファなど左翼組織自体、米国を破壊するためにトランプ側=トランプが乗っ取った米諜報界の勢力が入り込んで暴動や略奪など破壊行為をやらせているのだが)。 (Americans Better Get Prepared For Rebellion) (Sunrise Exposed

トランプが勝利宣言した時点で、トランプ政権を転覆するためのクーデター、カラー革命の試みが始められる。ウクライナやベラルーシ、シリアなどでトランプ以前の米諜報界が地元の野党勢力やテロ組織を動員・扇動して試みた各種のカラー革命は、いずれも短期間でなく、数か月から数年続いている。ベラルーシは現政権に抑えられて鎮圧されているが、ウクライナもシリアもひどい内戦になった。米国は軍隊が強いので、ひどい内戦になる可能性は低い。だが警察は、左翼系の民主党の市長や州知事が治める地域では、権限や予算を削られ弱体化し、左翼暴徒のやりたい放題・壊し放題になっている。ワシントンDCの市長(Muriel Bowser)も、左翼の暴徒が大統領府を襲撃しても取り締まるなと地元の警察に命じている。ポートランドなど左翼が治める諸都市では、コロナ危機開始以来、左翼による市街地占領や略奪が断続的に何か月も続いている。サンライズ運動の破壊行為も今後延々と続きそうだ。 (If Trump wins, thousands of people could “storm White House”

「勝敗がすんなり決まり、暴動など起きない」という予測記事も見た。しかしこの予測は、バイデンが圧勝し、トランプが素直に敗北を認めるシナリオを前提にしている(共和党系シンクタンクの軍産傀儡アナリストが書いた)。バイデンがすんなり圧勝すれば、民主党の左翼は暴動を起こしようがない。だが、これはありえないシナリオだ。バイデンがすんなり圧勝するとしたら、それこそ民主党とエスタブ、マスコミ、諜報界の反トランプ派による不正行為だ。そして諜報界を牛耳ったトランプはバイデン側の不正を知っていて戦略として放置している。トランプはバイデン勝利を認めず、事態が混乱して暴動が始まり、延々と続く。最終的にバイデン勝利は不正に基づくものであることが摘発されていく。明日以降そのようなシナリオもあり得る(たぶんない)が、トランプを大統領府から追い出そうとする暴動は起きる。 (Everything You Have Been Told About the 2020 Election Is Wrong) (Joe Biden Planning to 'Assert Control' If News Organizations Declare Him As Winner

バイデンやペロシといった民主党のエスタブ主流派(中道派)が、党内の左翼を抑止できる力をまだ持っているかどうかも見どころだ。主流派が左派を抑えられない場合、バイデンはなかなか敗北を認められない。民主党がエスタブ中道派と左派に分裂するか、左派が民主党を乗っ取ってエスタブ勢力が無力化されるか、という話になる。左派が主導する民主党は、従来の米国の2大政党間の談合を拒否するだろう。米国の2大政党制=2党独裁制が崩れていく。共和党はすでにトランプらに乗っ取られ、軍産エスタブ中道派は無力化されている。米国覇権を好み、覇権運営を担当してきた軍産エスタブは居場所を失う。米国は覇権運営をしない・できない状態になる。 (Who Wins If Trump Loses?

選挙の予測を16年と今回の2回連続して大間違いしたマスコミ権威筋は信用を失う。マスコミは軍産の一部だが、軍産自体が米政界で居場所を失い、軍産の中核をなす諜報界もすでにトランプに牛耳られている。マスコミやジャーナリズムは、もともと巧妙なプロパガンダ策であり悪質な偽善だったが、すでに機能不全であり、歴史的な役割を終えていく。米国だけでなく世界的にだ。これは「良いこと」である。ジャーナリズムの礼賛者は、自分が軍産のうっかり傀儡であることに気づいてない。 (Here’s Why Trump Will Pull Off The Greatest Upset In US Political History On Tuesday

こんな時に、いい味を出している人がいる。おなじみのロシアのプーチン大統領だ。彼は先日、バイデン家のウクライナ疑惑に関してバイデンを擁護する姿勢を見せた。記者からの質問に苛ついてみせ、自分があたかもバイデン支持であるかのような演技をした。(笑)、である。実のところ、プーチンはトランプの再選を強く望んでいるはずだ。トランプの覇権放棄策のおかげでプーチンのロシアは中東やコーカサス、東欧で覇権を拡大し、金づるの中国とも良い関係を維持できている。プーチンがニヤニヤしながらポップコーンを食べつつ米国の覇権崩壊に対して高みの見物をしているコラージュ写真がぴったりだ。もちろん習近平もトランプのおかげで多極型世界の覇権国の終身独裁者になれて大喜びだ。 (Putin Defends Bidens, Becomes 'Visibly Irritated' When Asked About $3.5 Million Moscow Payment To Hunter) (Russia Retaliates Against Obama Expulsions, Plans To Seize US Property In Moscow



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