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RANDOM DIARY TOUR
鳴海諒一日記 SINCE 6/18.2000
8月19日▼サーバー故障?
しばらくHPが真っ白だったので、突然閉鎖してしまったかとお思いの皆様、こん
にちは、鳴海が戻ってまいりました。15日深夜から今日まで、ずっとプロバイダ−のサーバーにデータをアップするこ
とができず、あーでもないこーでもないとかかりっきりになっていたのだが、ようや
く「当サイトURL変更のお知らせ」だけアップすることに成功した。これでやっとメ
ルマガのコラムに集中できる。まったくもう、とんだ時間を食ったぜ。
8月15日▼猛暑を直に感じられるパスタ屋
先日、昼間にパスタ屋で働いている当店の女性バイトYが僕に言った。
「昼間の店は前からクーラーの効きが悪くて、店内が外と同じくらい暑いんです。こ
の間の猛暑の時なんか、お客からクレーム続出で、ホントまいっちゃいました」「ひでぇ店だ。サービス云々以前だなそりゃ。おまえも暑いだろ」
「ええ死ぬほど暑いです」
「面白そうだ。今度行ってみよう」
「えええっ?なんで〜〜?」
というわけで、今日、そのふざけたパスタ屋へ行ってきた。店内に入ると、もわ〜
〜っとしていて外より暑いぞ。聞いた通りだ。Yが僕らを発見して、ホントに来た!
と目をまん丸くしている。「中でも一番涼しい席に案内してくれ」
僕は初っぱなから無理な注文を出した。Yは躊躇しながら、店内中央の席に案内し
た。暑い。メニューを見てペスカトーレを注文。周囲を見回すと店内は若者で賑わっ
ていた。気のせいか皆それほど暑そうに見えない。不思議だ。暑い。店内の温度はほぼ外と一緒だ。しかし店内は無風状態のため、体感温度は外より高
い。ホントふざけてる。Yに「エアコンは微風に設定してるのか?」と尋ねると、
「いいえ、これで最強みたいです」との返答。ウソだーい。最強ならゴーーッと音が
するだろ。でもまあ彼女の言うことを信じよう。それにしても暑い。汗が全身から噴
き出してきた。ペスカトーレが運ばれてきた。味はまあまあ。食べ進むうちに物足りなくなり、タ
バスコをガンガンかける。当然、汗はしたたり落ち、体中汗だくだ。限界が近い。そ
こへYが凍らせた紙おしぼりを持ってきてくれた。「おしぼり凍らせてるんだ? お客用?」「いえ、従業員用です」
そのおしぼりをおでこにペタッと張り付けて、そのままペスカトーレを一気に食べ
終えた。あぢぃ〜〜〜っ。死ぬ〜〜〜〜っ。もうこの店には用は無い。僕は急いで会計を済ませて外へ飛び出した。風が吹いて
て気持ちいい。爽快な気分だ(不快な後だからね)。この店は数年前からずっとこんな感じで夏は蒸し風呂、冬は冷蔵庫らしい。季節感
をダイレクトに味わいたい人にはお勧めだが、普通の人間がこの店でくつろぐのは無
理だろう。なぜこんな店が存続していられるのか、僕には全く理解できない。人通り
の多い場所にあるので、フリ客相手だけで成り立っているのだろうか。Yには「こんな店、早く辞めちまえ。今度はとんかつの◯幸で働け。あそこはいい
ぞ。時給はいいし、従業員の態度が悪いから、おまえのサービスが引き立つぞ」と勧
めておいた。
8月10日▼『調理場という戦場』
日本のフレンチ界の最高峰の一つ、東京都三田のレストラン「コートドール」のオー
ナーシェフ・斉須政雄さんの著書『調理場という戦場』(ほぼ日ブックス)を読んで、
ボコボコに殴られたようなショックを受けた。この本には、懸命に生きるということ、
働くということがどういうことなのかが、たっぷりと綴られている。そしてそのどれ
もが非常に素晴らしい。ああ僕のボキャブラリーではとても言い表せない。糸井重里
さんの推薦文を転載しよう。【料理人とグルメだけが読むのは、もったいない本です。熱くて深くて、火が出るよ
うな言葉が盛りつけられます。どんな年齢の人が、どんな職業の人が読んでも、身体
の奥底から、勇気が沸きおこってくるでしょう。】この本を読んで、僕は勇気が沸き起こる前に凹みまくった。ちょっと立ち直れない、
と思っていたが、次第にメラメラと闘志が沸いてきた。斉須さんは本当に凄い人だ。
心から尊敬する。コートドールには過去に一度行ったことがある。これからまた自分に磨きをかけ、
ある程度成長したら、また斉須さんの気迫のこもった料理を味わいに出かけよう。ちなみに『調理場という戦場』の一部が、「ほぼ日刊イトイ新聞」に「調理場とい
う戦場。 コート・ドールの斉須さんの仕事論」と題して、インタビュー形式で掲載
されている。ぜひぜひお読みになってみていただきたい。
8月5日▼あなたの知らない本当の精神年齢
5月23日放送の「スパスパ人間学」(TBS系)『あなたの知らない本当の精神
年齢』を見てからというもの、他人の精神年齢が非常に気になってしかたない。ちょっ
としたマイブームである。番組の詳細は当番組HPでお読みいただけるのでここには
記さないが、精神年齢ってヤツは本当に面白い。この番組で学んだのは、いかに相手に映る自分の姿を意識することが大切かという
ことだ。自分を磨くこと(外見・内面)は、自分を若々しく生き生きとさせてくれる。
内面は確実に外面に表れる、ということだ。巷の無神経な人たちの多くは実年齢よりも老けている(と思う)。これは人にどう
思われても自分は自分、他人には関係ない、と思っているからだろうか。そんなこと
も考えてないか。僕の素人考え調査では、劣悪サービス提供者の多くは見た目がダサく、しょぼい。
当店では今回、多くのバイト応募者を面接したが、印象の悪い人(消極的、無表情、
考えが甘い、はきはき喋れない)は皆、実年齢よりもはるかに老けていた。精神年齢
の高さが実年齢に反比例することを実感した。もうひとつ面白いのは「精神年齢の高い人はお肌も若い」ということだ。精神年齢
の高い人の血液には、肌を若返らせて新陳代謝を促す「エストラジオール」というホ
ルモンが多く含まれているそうだ。エストラジオールは、他人の目を気にするなど良
い緊張感を持つことで多く分泌される、とのこと。これはサービス系従事者には朗報である。サービス提供者は、お客様に一生懸命良
いサービスを提供したいと願い励むだけで、お肌つやつや・ピチピチでいられるのだ。
「サービスは美容に良い」のである。そういう僕も、お客様によく肌がきれいだと褒められるので、普段から一生懸命サー
ビスしている賜だとぬか喜びしてしまったが、よく考えたら、これはただの母親ゆず
りの遺伝であることを思い出した。HP「スパスパ人間学」には、精神年齢チェックテストもあるので、ぜひお試しあ
れ!
8月1日▼正気
遙洋子さんの著書、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』に面白いことが書いてあっ
た(94p)。ある企業のトップに近い人の「やっぱり女の子は仕事に対して腰が引
けているように思う」という発言に対して、上野氏は次のように語っている。【その通りです。それでどこが悪いのですか。(中略)あの程度のハシタ金で、し
かも、自分の貢献に報いてくれそうもない企業に対して、自分の人生の100%どこ
ろか120%を売り渡すことに何の利益があるのでしょうか。(中略)自分の私生活、
家庭生活とのバランスを考えて、最初から仕事に腰が引けています。これを正気とい
うのです。】これを読んで「なるほど」と納得してしまった。この考えをサービス業に従事して
いる人に照らし合わせてみると、駄サービス、愚サービスを行っている人々の考え方
は、これに非常によく似ているのではないだろうか。サービス精神を持ち合わせていない人は、一生懸命働いたってしょーがない、別に
これぐらいでいいじゃん、仕事なんてこんなもの、仕事で疲れたくない、自分の気持
ちに正直でありたい、と、いつも自己利益ばかり優先させているような気がする。だ
からいつまでも向上しないし、向上心も無い。そんな人たちの心中が、この文に明快
に表れている。しかしそれにしても、上の文を読んでショックだったのは、もし仕事に対して腰が
引けている状態を“正気”と呼ぶのなら、果たして僕はいったい何なのだろう、とい
うことだ。完全に正気を失っているのか。前後不覚者か。何者かに洗脳されているの
か。催眠術にかかっているのか。さあどれだ。
7月30日▼挨拶の指導
今まで新人バイトの挨拶指導は口頭で行っていたのだが、今回の女性バイト3名
は“日本語が通じる”ので、直接とやかく言わずに、僕のコラム「お客様に映る自分
の姿を意識できない店員たち」と「 新・サービスの基本 お客様への挨拶」を読ま
せることにした。その結果、皆すぐさま僕の考えを理解し、素晴らしい挨拶をズバズバ発するように
なった、かと思いきや、皆ぜーんぜん良い挨拶が出来ねーじゃねーかこのヤロー!彼女たちは自分なりに考えながら挨拶を発しているのかもしれないが、その言葉か
らは、感謝の気持ち、お客様を敬う気持ち、一生懸命さが全く伝わって来ない。これ
では何も考えずに言っている僕の大嫌いな巷の店員と変わらないではないか。文章でサービスの何たるかを読ませても、読み手の読解力とサービスレベルが低け
ればサービスは決して良くならないのが、今回よくわかった。結局、今までどおり、
僕が新人バイト一人一人に口頭で教えることにする。考えてみると、良い挨拶を発するのは、人々にとって非常に難しいことなのかもし
れない。まあ街中に駄挨拶・愚挨拶の毒ガスが蔓延しているわけだから、正しく挨拶
することは至難の業なのだろう。よその店員なら「ケッ」とか「チッ」とか「バーカ」とか「まぬけ」と心の中で呟
いていればいいが、自分の店ではそうはいかない。これからは尻をひっぱたいてでも
良くさせなければならない。言葉のケツバット、愛の精神鍛錬棒でね。まあ女性なの
で手荒くしないけど。(実は出来ない)ったく、これが仕事とはいえ、全く気が休まらないよのさ!(ピノコ語)
7月24日▼コラム書籍化決定
なんと!僕のコラムをまとめた本が、碧天舎という出版社から11月に出版される
ことになった。せっかく出版するのだから、少しは読む価値のある本にしたい。既存
のコラムだけではなく、未発表のコラムも載せたいし、読者の方が一番知りたい「バー
におけるマナー」なども書くつもりだ。担当して下さるのは新人編集者のOさんで、とても可愛らしい方だ。彼女が一生懸
命、企画を通してくれたおかげで出版できるのだから、失望させないように頑張らな
くっちゃ。Oさん、どうぞよろしくお願いしますね。
7月23日▼猛暑に欠かせないカクテル ジントニック
毎日猛暑が続いている。こんな日には、キンキンに冷えたジントニックがたまらな
く美味い。ジンはタンカレー、トニックウォーターはシュウェップス(輸入ものは△)
がいい。ジンはもちろんのこと、グラスも冷凍庫で凍らせ、ついでにトニックも凍る寸前ま
で冷やしてしまう。グラスを取り出し、ライムカット(1/4)をギュッと絞り、カチ
ンカチンに凍った透明度の高い氷(コンビニなどで売っているもの)をたっぷり入れ
る。そこに許容範囲をほんの少し超える程度のジンを注ぎ、トニックを静かに加えて
満たす。マドラーでグラスを一回転(半)だけステアし、さあこれで爽快さ100%
のジントニックの出来上がりだ。これをすぐさま喉に流し込む。この季節、ジントニッ
クはこの飲み方が最高である。当店で僕が作るジントニックはちょっと濃いめだ。さすがに自分が飲む時よりは控
えめに注ぐが、でもお客様にも少し濃いジントニックの美味さを味わってほしいのだ。先日、サラリーマンが連れに「ここのジントニックは美味いんだよ」と勧めていた。
お二人共ジントニックを注文し、乾杯してゴクゴクと飲む。「プハーーッ美味い!で
もここのジントニック、濃いんだよなあ」と言って笑い出した。う〜んいい感じ。あるカクテル本に、ソーダを少量加えるジントニックの作り方が載っていた。ビフ
ィータージン、シュウェップス・トニック、ライムカット、ソーダ少量、と書いてあ
る。なぜソーダを加えるのだ! 薄まっちゃうじゃないか! と思った。このレシピを見てから、ソーダ入りジントニックが気になって、もう数十回は試飲
している。ジン、トニック、ソーダの配分を微妙に変え、様々な体調の時に飲んでい
る。その中で数回、ソーダ入りジントニックが美味いと思える時があった。なるほど、
ソーダの役割はビフィーターとシュウェップス・トニックを調和させるために加えて
いるのだ、と理解した。つまり、ビフィータージンとトニックだけではちょっぴりト
ニックがでしゃばる(ジンに勝ってしまう)ため、ソーダでトニックを抑えているの
だと思った。とはいえ、これは僕が注ぐ分量による見解なので、真実はどうなのかわからない。
百聞は一見に如かずで、このバーテンダーの店へ行って実際に飲んでみるのが一番な
のだろうが、こんなことでわざわざ遠くまで出かけて行くのもなあ、と躊躇してしま
う。やはりソーダを加えることに違和感を覚えるからだ。このソーダ入りジントニックのレシピには、なぜソーダを加えるのかという明快な
説明が書かれていない。だからジントニックのレシピを知らない人は、ソーダを加え
るのが当たり前だと思ってしまうかもしれない。この本を見た人がソーダ入りのジン
トニックを飲んで気に入ればいいが、もし物足りなかった場合、ジントニックなんて
そんなもの、と思うかもしれない。それが非常に心配だ。
7月17日▼更に新人アルバイト採用!
アルバイト誌に掲載されてから、多くのアルバイト応募電話があった。そして先日
また1人、女性を採用した。Oさん21歳で、バーテンダー経験者だ。Oさんは応募
電話の段階からもの凄〜く良く、きっと採用することになるだろうと予感した。そし
て会ってみたら更に良く、何の迷いもなく採用した。彼女の履歴書は、まるで履歴書
のお手本のように、非の打ち所が無く完璧なものだった。合わせて3名のアルバイトを採用したのだが、これにより当店のアルバイトは全員
女性になってしまった。男は僕と副店長だけである。別に女性を優先したわけではな
い。女性の方が優れていたのである。現在、バーテンダーは女性に大人気のようで、当店の3名も全員バーテンダー希望
だし、応募電話も女性の問い合わせが圧倒的に多く、全員がバーテンダー希望だった。
今回は女性に比べて男は皆パッとせず、誰も採用する気にならなかった。採用した3名の女性は全員、とてもやる気があり、意欲満々に見える。当店では最
初ホールで働いてもらい、適性を見て、カウンターに入れるかどうか決めるのだが、
皆、カウンターに入る気満々なので、もの凄く集中して仕事に打ち込んでいる。今回採用した3名は皆、日本語がよく通じる。何を教えても皆、一発で理解する。
1を教えて1以上理解する。これは素晴らしい。僕はこの時を待っていた。今までは
簡単なことでも理解するのに時間がかかったり、かみ砕いて教えているのに、僕が何
を言ってるのかわからない者が多く、辟易することが多かった。いつもイライラさせ
られ、こんなんじゃカウンターなんて到底無理だとがっかりするばかりだった。普段だとカウンター業務の“端くれ”を教えるまで、長い時間を要するのだが、今
回は3名とも優秀なので、全員にすぐ教えようと思っている。同時にチャンスを与え、
互いに励んでもらおう。
7月13日▼牛丼の悲劇
今日、帰宅途中に松屋で牛丼を食べた。明日はオープン前に準備しなければならな
いことが山ほどあり、数時間早く出勤するため、妻の朝食の準備ができない(僕は妻
の術後、毎日彼女の朝食を作ってから就寝している)。そこで妻の朝食用に牛丼弁当
を買ったのだ。さっき車で帰宅し、「えーと牛丼、牛丼」と車内を見回すと、あろうことか牛丼が
見つからない。「んなバカな。確かにここに」 と目を皿のようにして探したのだが、
無い、無い。なんと牛丼が車内から蒸発していた。んなアホな・・・ 僕は激しく動
揺した。僕は記憶を遡った。松屋を出た時、オレは確かに牛丼弁当を手に持ってい・・・・・
いねーじゃねーか!このヤロー!僕は、僕は、テーブルの目の前に置いておいた牛丼弁当を、そのまま放置して店を
出て来てしまった。とほほのほのほのほ・・・ はあ〜〜っ、ったくもー、夢遊病者
かオレは。バカバカバカバカ!(ポカポカポカポカ)驚愕だ。愕然だ。どうしやしょ。あっしはこれでシラフですぜ、お客さん。ったく
ありえない話でがしょ? さあこの愚かな谷間に咲くユリ一輪(僕のこと)を徹底的
に笑ってやっておくんなまし。
7月12日
▼新人バイト入店!人員減少で窮地に追い込まれた当店だが、昨日一昨日と店頭募集広告を見た応募者
が2名、面接を受けに来た。年齢は27歳と31歳で、どちらも女性。それが2人と
も素晴らしく良い。通常の応募者と違って、言葉の使い方に拙さや物足りなさをただ
の一度も感じなかった上、品があり、おまけに2人とも身長が高くて見栄えがする。
嬉しくなって2人とも即決した。だって僕が描いているスタッフ像に近いんだもん。31歳のKさんは昨日入店し、27歳のAさんは今日入店した。今日、店は後半しっ
ちゃかめっちゃか忙しかったが、2人ともレストランやカフェで働いた経験もあって
要領がしっかりわかっているので、とても良いサービスを提供してくれた。彼女たち
には出来るだけ長くうちにいてほしい!と願ってしまった。2人ともバーテンダー希
望だから、今後の成長ぶりが今から実に楽しみだ。立派なバーテンダーに育てるぞ。僕は普段、部下のやることなすことがいちいち気に入らず、あ〜あと溜息をついた
り、何やってんだよ、と憤ることが多かったりするのだが、今日の新人2人の働きぶ
りが新人にしてはずば抜けて良かったので、充実した一日を送ることができた。今ま
では新人に「何やってんだよ!」「何だその返事は!」と叱りながら、しかし笑顔で
お客様に接するという、ある種、サーカスチック、アクロバティックな接客を行って
いたので、今後は精神的にも良さそうだ。しかし面白いもので、部下を叱りながら笑顔で働くのは、かつては苦痛が伴ったの
に、ある時からスコーーンと体質が変わり、良質のサービスを行うことが、僕のスト
レス解消法になった。嫌な気分を良い笑顔で体内から追い出す? 毒素放出? みた
いな? そんな感じ(笑)皮肉なもので、本日、アルバイト誌に当店の募集広告が掲載された。その直前に優
秀な新人がササッと決まってしまうなんて、これはもう僕の日頃の行いが良いとしか
言いようがない(大嘘)。ああこれからが楽しみだ。
7月10日▼火の車
毎日めちゃめちゃ忙しい。レポートも大変だったが、なんと当店の従業員数が、前
代未聞の4人になってしまったのだ。2年間勤めた女子バイトが先月末で退店し、そ
の前にしょーもなかった新人バイトも辞めている。優れた新人が入店するまで最少人数(5人)で乗り切ろうと一致団結して励んでい
たのもつかの間、先週末、男子バイトの父親が心不全で急死し、戦列を離れてしまっ
た(ある事情で復帰の見込みなし)。そして2日前、今度は副店長の祖母が亡くなっ
た。アンビリ〜バボ〜〜!4人で週末を乗り切ることはできない。お客さんに迷惑かけまるがりーたである。
そこで当社の上司と系列店から1人、バイトが手伝ってくれることになったが、これ
はもう完全に付け焼き刃である。店が落ち着くまで当分の間休めない。いろんな企画書も書かなきゃいけない。あれ
これ調べものにも追われる。あはは多忙じゃ多忙じゃ落ち葉焚き〜。壊れた・・・
7月1日
▼ひさびさ更新
当店もワールドカップ大盛り上がりの影響を受け、人気チーム対戦時、当店の来客
数は激減した。話題の試合が週末夜に行われると、週末売上も激減。日曜夜だともう
早仕舞しようかと思うくらい、お客が来なかった。がっくり。おまけに数日前から頭痛・腹痛・下痢・高熱に悩まされ、コンディションも最悪だ。
今日、病院へ行ったら食中毒と診断された。医師に発症前日に何を食べたか聞かれ、
「えーと最後に食べたのはブドウパンです」と答えたら、うっすら馬鹿にされた。
「最近、海外のどこか危ない場所へ行きました?」なんて言われたよ。危ない場所っ
てどこだ? いったい何病を疑ってるんだ?と、ひさびさに日記を更新したのも束の間、今週末までに上司に重要なレポートを
提出しなければならない。これには様々なデータ収集と勉強が必要なので忙しく、今
週はまたも更新できない予定。
6月17日▼からむ酔っぱらいX氏
先日、系列店の店長がやって来て「鳴海君、昨日は僕の連れが酔っぱらいにからま
れてたところを助けてくれて、どうもありがとう」と礼を言った。なんのこっちゃ。
僕はそんなことをした覚えはない。「あの、どういうことでしょうか」
「閉店後に僕の知り合いの女性が1階で僕を待ってたんだけど、その時、酔っぱらい
がしつこく話しかけてきて困っているところに、君が通りかかって酔っぱらいを引き
離してくれたって、彼女が話してたよ」「うーん、なんだろう・・・(しばし沈黙) あっ、わかった! ぎゃははははは!」
こういうことである。女性にからんでいた酔っぱらいというのは、実は当店の常連
X氏で、彼もまた1階で僕を待っていたのだ。その待ち時間に女性に話しかけていた
というわけである。そういえば僕が1階に到着した時、X氏は女性に「何してんの? 誰待ってんの?」
と聞いてたっけ。僕が、どうしたのかと尋ねたら、X氏は「もう店が閉まるのにここ
で何してんのかなって思ってさ」と言っていた。X氏は気さくな人なので悪気無く話しかけたのだろうが、初対面の相手にはそんな
の通じない。だいたい彼は、地鳴りのようなしゃがれ声の持ち主で、かなりドスがき
いている。それにかなりの老け顔だ(これは関係ない)。深夜に真顔で「だじじでん
ど?(何してんの)、だでばっでんど(誰待ってんの)」なんて言われたら(しかも
タメ口だし)、女性は脅威を感じてもおかしくない。Xさん、今後、ホント気をつけ
た方がいいよ。その後、ラーメン屋に向かっている途中、外国人のポン引き(男)がX氏に近寄っ
てきて、チラシを見せながら「シャチョウサン、ドーデスカ」と声をかけてきた。X
氏は彼を見るなり、「お前どこだ?(出身は) コスタリカか?」と質問を返した。
相手が答えないでいると、「どこだよ? えっ、どこ? どこ?」としゃがれ声で迫
り、とうとうポン引きの出身国をゲットした。「チュニジア? なんだチュニジアかよ。じゃあな」(アナタナゼ吐キ捨テル?)
おおX氏よ、あんた喧嘩売ってるよ。一触即発だよ。それにX氏の質問の仕方では、
そのポン引きは出身国を答えたのか、ワールドカップで応援しているチーム国を答え
たのか、どっちかわからない(笑)
6月15日▼『綾。ホステス、22歳』(新装版)発売
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SM嬢のナオさんこと藤森直子さんが著書『ファッキンブルーフィルム』の前にお
書きになった『綾。ホステス、22歳』(新装版)が、ヒヨコ舎より出版された。僕
はこの本を2年前に購入して読み、ぶっ飛びエピソードの数々に驚き、笑い、そして
ナオさんの類い希な筆力に猛烈に感動した。その後読んだ『ファッキンブルーフィル
ム』に至っては、嫉妬を通り越して、“一生お手本にさせていただきます”状態での
めり込み、読み終えてからしばらく放心してしまった。先日、僕の元にヒヨコ舎から『綾。ホステス、22歳』が送られてきた。なんとナ
オさんが送って下さったのだ。超感激〜〜! すぐさま読ませていただいたが、2度
目にもかかわらず、あまりの面白さに一心不乱に読みまくった。う〜ん、ナオさんの
文章は本当に本当に素敵だ。再び大きな感動を覚えた。この本は以前、ナオさんがキャバクラで働いていた時のエピソードの数々(どれも
度肝を抜かれる)が、時に面白おかしく、時に甘く切なく紹介されている。男性が読
んだら、楽しいだけでなく、身に覚えのあるエピソードに胸を痛めること受け合いだ
ろうし、女性が読めば、男性心理がたちどころに理解できるため、今後は男に優しく
なれるだろう。諦めと妥協によって・・・(笑)
6月11日▼好き嫌い
今日、常連のお客さんからフランス産チーズを7種類いただいた。さすがチーズに
詳しいお客さんの差し入れだけあって、どれもとても美味しかった。そこで当店の女
子バイトに勧めたら、その子は顔を歪めて「私、チーズだめなんですう」と僕の勧め
を断りやが、いや、断った。なぜチーズがだめなのか聞いてみると、答えは簡単、臭
いから、だそうだ。ぬわんだと〜、許せん。「ばっきゃろー、チーズはそれが美味いんだ。だいたいおまえパティシエールとして
フランスで修行してたんだろ。チーズが嫌いとかたわけたこと言ってんじゃねーよ。
食え、食ってこれがどんな味なのか記憶しろ。新しい味に興味を持て。そして何かに
役立てろ!」バイトは嫌そうに恐る恐るチーズを口へ運んだ。「あれっ・・・? 食べられます。
食べてみると臭くない・・・」「んだんだ。なっ、イケるだろ」「あっ、はい、大丈
夫です、美味しいです!」 なっ、そんなもんだ。美味いものは誰が食べても美味い
んだよ。また、別のバイトは牛乳嫌いだったのだが、僕が低温殺菌牛乳を無理矢理飲ませた
ら、それから牛乳ファンになってしまった(真っ当な低温殺菌牛乳に限る)。このように、人が食べ物を嫌いになるのは、多くの場合、“一番美味しい状態を味
わったことが無い”のが原因だったりする。以前、あまり鮮度のよくないもの、まが
いものを食べたせいで嫌いになり、その後、2度と口に入れようとしない場合が多い。食べ物の好き嫌いが多い人にかぎって、なぜか、あれが食べられない、これが食べ
られないって自慢げに語る人が多い。まるで食べられないのがステイタスであるかの
ように、自分の好き嫌いを宣伝する。アレルギーならいざ知らず、ただの好き嫌いだけで、あれ美味しくない、これ美味
しくない、と公言していると、相手には、ああこの人は本当に美味しいものを知らな
いんだな、と思われるだけなので、はっきりいって損である。しかし好き嫌いが多い
人は、そんなこととは露知らず、「あれって美味しくないから嫌い〜。どこが美味い
んだ」と得意げに話し続ける。ちょっと哀れである。大学時代の友人にもの凄い偏食野郎がいた。彼は牛肉、豚肉、ジャガイモが食べら
れないのだ。そのことを彼に聞いた時、「何だそりゃ、宗教上の理由か?」と言って
しまった。ジャガイモを禁じている宗教ってなんじゃらほい、ヤな宗教だなおい、と
畳みかけた。これじゃイジメだ。でもこいつはもの凄く我が儘で嫌なヤツだったので、
こんな時ぐらい言わせてもらってもいいだろう。これ以降、僕の中では偏食家イコール我が儘という方程式が成り立ち、好き嫌いが
多いと聞くと、その人の我が儘度をチェックするようになった。僕の長年に渡る独自
の調査の結果(んな大袈裟な)、「偏食家は我が儘な人が多い」という結論に達した
(2002年6月現在)。先日、40代後半の男性が、カウンターで連れの人に「オレさあ、ピーマンとニン
ジンが食べられないんだよ」と話してるのを聞いてビックリした。子供みたい〜〜!
と思った。僕はピーマンやニンジンの好き嫌いって、大人になったら克服出来るもの
だと、勝手に思っていた。いったいどういう理由で食べられないのかは知らないが、
この人カッコわる〜〜、と思った。この人は自分の子供の前でも「ママ〜、ピーマンとニンジンは入れないでって言っ
たでしょ。オレ苦手なんだからさ〜、頼むよ」とか言って、子供にクスクス笑われて
たりして。また「パパが嫌いなんだから僕も食べない!」と子供も一緒になって拒否
したりして。いや、ママも実はピーマン・ニンジン嫌いで、この家庭では食卓には並
ばなかったりして。「ピーマンやニンジンを食べなくたって、死にゃしないわよ、お
ほほほほほ」とか開き直ったりして。もしかすると、パパとママはピーマン・ニンジ
ン嫌いが取り持つ縁で結ばれてたりして。いやあ、妄想が膨らむなあ。
6月6日▼僕の店をお知りになりたい方へ
前回の日記に、必要な方には病院名をお教えすると書いたら、多くの方からメール
が寄せられた。そのほとんどは極めて常識的なお問い合わせだった。こちらも誠意を
尽くして返信させていただいた。しかし約1通、僕の逆鱗に触れるメールを送って来た輩がいる。この人は病院名以
外に「良い眼科と歯医者」も教えてほしいというのだ。そしてその下に「(僕の)店
がどこにあるか、少しだけでもヒントをお願いします」と宣っている。なんだよ、僕
が教えると書いた病院名なんて、ただのついでじゃねーか。けっ。HPに店の所在は
教えないと書いてるだろうーが。僕はイエローページでも検索エンジンでも物知り博士でも雑学辞典でもない!なぜ
あなたの知りたい情報を何でもかんでも懇切丁寧に教えてあげなきゃならないのか。
いったいどういう義理で? しかもオレは歯医者のことなんて書いたこと無いっての。この人はただ非常識なのか。それともメールやインターネットが普及、浸透したた
めの弊害、と考えるべきなのだろうか。何でも手っ取り早く自分が知りたい情報が引
き出せると思ってる人が、世の中には多い。僕の元には、ファンレター風お店教えて的内容メールが多数送られてくる。そんな
人たちに言いたいのは、1通のメールに書くのはオレを褒めるか店の場所を聞くのか、
どっちかにしろってことだ。それが礼儀だろ?コラムがとても面白かったので店に行きたい、なんていわれても、僕は困ってしま
う。コラムが面白かったんなら、それでいいじゃないか。それで満足してほしい。僕はこのHPに本音の一部分をさらけ出しているのだ。これは営業で行っているの
ではない。完全なプライベートだ。秘密の部分も書いているし、会社の批判だって書
いている。だからそう簡単に店など教えられるもんじゃない。とりあえず自分の情報
を全く明らかにしない人になど興味は沸かないし、ましてや僕の職場へいらっしゃい
などと言う気になど、なる筈がない。とはいえ僕は店の所在を全く誰にも教えないというわけではない。“僕が会いたい
と思った人”の何割かにはお教えしている。どういう基準なのかは、もちろんここに
は書かない。物事が何でも思い通りになると思ったら大間違いで、何事も希望を叶えるためには
努力とセンスが必要だ。ただ欲しがるだけのホシガリーニ、ホシガリタリータ(意味
わかんねーよ!)には、僕は全く興味がない。
5月28日▼無事退院
妻が先週末、無事退院した。とはいえ、しばらくの間は安静が必要なので、病院で
の生活が自宅に移っただけのような感じだ。完治までにはまだまだ時間が必要である。家は病院と違って居心地がいいかと思いきや、僕がほとんど仕事でおらず、一日中
独りぼっちで過ごすため、ずいぶん心細そうだ。病院なら頻繁に担当医や看護婦がやっ
て来るし、気の合う患者仲間も数人、彼女の話し相手になってくれるので、それほど
寂しさを感じない。第一、食事を作らずに済むので、体に負担がかからないうえ、必
要な栄養もバランス良く摂取できる。それならもう少し入院していればよさそうなものだが、この病院ではそうはいかな
い。数ヶ月先まで患者の入院スケジュールがびっちり詰まっているので、退院しても
問題無い状態まで回復したら、決められた日に退院しなければならないのだ。しかし
それは別に追い出されるわけではなく、むしろ術後2週間の入院は、他病院と比べる
とかなり長めとのこと。妻は婦人科系の病気だった。今まで信頼できる病院や医師に出会うことが出来なか
ったために、約10年間、悩み苦しみ、その間に病状を悪化させてしまった。しかし
今年に入って漸く素晴らしい医師(と病院)に巡り会い、即、入院・手術することを
決意した。この病院はパーフェクトだった。医師も看護婦も素晴らしく良く、また非常に優れ
ていた。何でもっと早くここへ来なかったんだろうと、おもわず後悔してしまったが、
しかし、きっと物事には時期というものがあるのだろう。杜撰な診療を行う数々の病
院を知り、病院嫌いになったからこそ、やっと信頼できる病院に巡り会うことが出来
たのだと思う。また、そう思うしかない。この病院では、他の患者さんのほとんども、妻と同様、嫌な思いを他病院で繰り返
し、やっとこの病院に巡り会い、手術することを決意したのだそうだ。皆、5〜10
の病院を転々としている。いかに巷にろくでもない病院や医師が多いかがわかる。なぜこんなことを詳しく書いているのかというと、世の中には妻と同じように、人
に相談することが出来ずに婦人科系病気で1人苦しんでいる人たちが多く存在するか
らだ。女性の何割かはそうだろう。僕はそんな方々に、1人で黙々と苦しんでいる必
要が全く無いことをお教えしたいのだ。この病院へ行けば、今までの苦しみから必ず
解き放たれるだろう。本当はここに病院名を書けばいいのだが、前回、大部屋のおばさんたちのことをボ
ロクソに書き、彼女らの何人かはまだ入院中なので、ちょっと憚ってしまう。もしメー
ルをいただければ、病院名、医師名をお教えするので、一度診察を受けてみてはいか
がだろうか。病院は東京都千代田区内にある。この病院は、最初、紹介状がある方が望ましいとか言われるかもしれないが、そん
なものがなくても、一般外来で医師をこちらから指名できるのが嬉しい。また入院の
費用も別段高くない。どうぞ御遠慮なくメールをお送りいただきたい。▼膳場余市HP「酒量のはらわた」
僕の20年来の知人、膳場余市(ぜんばよいち)氏の HPを、知人サイトとしてメ
ニューバーの下の方に設置した。膳場氏が毎日、摂取する酒量はすごい(酷い?)。
こんなに飲んでいて、まだ生きていられるのが非常に不思議だ(笑)「酒量のはらわた」は、この飲んだくれのオヤジ(失礼!)が昨日飲んだ酒量を毎
日掲載することを目的に、日記やコラムも時々アップする。知人のよしみでウェブデ
ザインは僕が行ったのだが、僕のよりも良いものが出来てしまい、ちょっと悔しかっ
たりしている。あはは。内容が面白いかどうかは今後に期待することにしよう。
5月13日▼どいつもこいつも
手術の2日後(おととい)、妻が集中治療室から6人部屋へ戻ってきた。術後なの
で、とにかく安静と睡眠が必要だというのに、同部屋の連中(全て30代以上の独身
女性4名)が皆、無遠慮にバカでかい声で一日中延々と喋りまくるため、妻は気が休
まる暇が無い。そのバカ話は、まるで妻を休ませないように行っているのではないか
と疑ってしまう程、低俗でノイジーだ。僕はたった数十分間その部屋にいただけで、
女どものあまりの騒がしさに、ブチ切れそうになった。しかし注意などしようものな
ら、その後、妻の身が危険かもしれない(マジで)。仕方なく、耳栓を買ってきて妻
につけてもらった。不安そうな顔で僕を見送る妻に別れを告げ、僕は店に向かった。途中、書店で本を
3冊購入。レジで死ぬほどやる気が無い男の店員(35歳位)が、本にカバーを付け、
商品を手渡すのに5分(!)もかかったうえ、お待たせしましたとも言わないのを見
て、とうとうブチ切れた(病院でプチぶち切れ状態だったからね)。この男の手際の悪さといったら凄い。1冊目の文庫本の片側にカバーを付けるまで
に1分もかかるのろさだ。何だこいつぁ、と思ってその仕事ぶりを見ていると、月面
で作業しているのよりもはるかに遅い。これが嫌がらせで行っているのなら、実に効
果的だと思うが、もしそうだったら、なおキレる。ハードカバー本など、普通の大き
さの本なのに、どのカバーを付けてよいかわからず、あちこちをゴソゴソのろのろ探
している始末。そしてアホみたいにダラっと「ありあと〜ざ〜ました」と言うのを聞
いて、僕はキレた。「ねえ君、仕事がめちゃめちゃのろいけど、新人なの?」 店員はビックリしたよう
な顔で目を見開いた。「君、新人なの? こんなことぐらいパパッとやってよ。それ
にすっげえ待たせてるんだからさ、お待たせしましたぐらい言おうよ。何でもっと一
生懸命働かないの? 君、めちゃめちゃ仕事遅いんだよ!」(言い方はこんなじゃな
いけど、内容はこんな感じ、かな)店員は目を見開いたまま、なぜか固まってしまった。なぜ自分がそんなことを言わ
れるのか、まるでわからないといった様子。そこへ仕事のできそうな女子店員が駆け
つけ、申し訳ありません申し訳ありません、と僕に平謝りに謝った。その彼女のあま
りにも申し訳なさそうな顔は、彼の不手際は重々承知しておりますので、と言ってい
るようだったので、まいっかと(よくはないんだが彼女に免じて)、それ以上とやか
く言わずに店を出た。ったく、いったいどんな教育をしてんだこの丸善とかいう書店は。紀伊国屋も店員
の態度は酷いが(引き合いに出されて可哀相〜)、全国的にチェーン展開してる書店
は、確かにハズレが多い。ってゆーか、書店はどこもサービスが低レベルだ。大抵ム
カつかされるぞ。だいたい接客態度の良い書店なんてあるのか? 書店の店員よ、もっ
と向上心を燃やせ! おまえらの仕事は包んで手渡すだけじゃないんだよ。よく考え
ろ、考えられるヤツは。って、あんまりいね〜か。▼脱大部屋
今日は公休日。家で少しゆっくり過ごし、夕方、妻を見舞った。病室に入ると、妻
が寝ながら泣いていた。頭痛が酷く、頭が割れそうに痛いとのこと。痛み止めの薬も
効かず、あまりの痛さに泣いてしまったのだ。同室の女たちは相変わらず大声でバカ
話しをしており、あはは〜あはは〜と癇に障る周波数の高笑いが部屋中にビンビン響
き渡っている。妻が部屋の中にいたくないというので、ロビーへ行き、話を聞いた。もうこの部屋
にいるのは堪えられない、バカデカ低俗話は片時も止まず、消灯後は全員がいっせい
に携帯のメールをピコピコ打ち出し(病院は携帯禁止だろーが)、その後、いっせい
に全員が高いびきと激しい歯ぎしりを朝まで続けるため、昼も夜も眠れず、全く気が
休まらないとのこと。しかし、ひとしきり愚痴ったら、妻の頭痛はピタリと止み、穏やかな表情が戻って
きた。そうか、頭痛は神経性なのだ。同部屋の女どもの仕業だったんだ。それがわかっ
た以上、もう妻をあの部屋には戻さない。僕は妻に「看護婦さんに事情を説明して、
すぐに個室に移りたいとお願いしておいで」と言った。ラッキーなことに個室が一部屋だけ空いていた。荷物の移動は看護婦さんがやって
くれるというので、そのまま個室へ直行した。さすが個室はとても静かだ。地獄から天国へ来たことが実感できた。妻は大喜びで
はしゃいでいる。部屋はシティホテルのシングルルームよりも広く、バストイレ電話
付きなので、部屋から出る必要がない。リハビリは部屋内をグルグル歩き回っていれ
ばよい。しかし気になるお値段は、なんと!一日2万5千円也。退院までに単純計算
で35万もかかる。こりゃ大変だ。でも妻は今が一番大切なとき。金がかかるとか言っ
ていられない。夜8時半頃、家についた。きっとおやすみコールをかけてくるだろうと待っていた
ら、意外にも電話はかかってこなかった。きっと今までの疲れがドッと出て、グッス
リと眠っているのだろう。便りがないのは元気な証拠。これで僕も余計な心配をしな
くて済む。ああ、めでたしめでたし。最近、バカヤローこのやろー的な怒りがあまり起こらず、また、忙しさにかまけて
日記も滞りがちだったのだが、やはり怒りは僕の原動力だ。怒ると書きたくて書きた
くてたまらなくなる。ホントはこの他にも、3日間で連続7人不採用にしたバイト面
接のこととかも書きたいのだが、本日はタ〜イムリミット〜。また後日、書くことに
しよう。
5月11日▼痛み
昨日の午前中、妻の手術が行われ、術後に集中治療室に運ばれた。全身麻酔が切れ
始め、妻はあまりの痛みに絶叫を繰り返す。その声は約10メートル離れた場所で待
たされている僕の耳にもはっきりと届く。悲鳴の合間に「死にたい」という言葉が微
かに聞こえ、僕は耳を疑った。少しして面会を許され、僕は妻の元へ駆けつけた。普段はもの凄く我慢強い妻が、
身をよじって痛がり、何度も悲鳴を上げていた。「死にたい」「こんなに痛いんじゃ
生きてたってしょうがない」「お願い、殺して」 悲観的な言葉が次々と口をついて
出てくる。僕に出来ることは彼女の手をしっかり握り、頑張れ、すぐに治るよ、と励
まし続けるだけだ。担当医が言うには、麻酔が切れかかると感覚の全てが痛みに感じられるとのこと。
この苦しみの記憶は、麻酔が抜けたら忘れ去ってしまうそうだ。しかし痛がり方が度
を超えているので、痛み止めの注射を1本多めに打ち、しばらくして妻はやっと眠っ
た。本当はずっと側にいたかったのだが、僕がいると妻の気が散り、深い眠りにつく
ことができないと言われたので、看護婦さんによくお願いして、職場へ向かった。仕事中も妻のことが心配で、あまり集中できない。妻の近くにいられないことに苛
立ちを覚える。ムカムカした。それでも何とか仕事をこなして帰宅した。妻の容態が
気にかかる。まだ苦しんでいるのか。大丈夫なんだろうか。心配でたまらない。頑張
れ頑張れ負けるな頑張れ、と何度も気を送ってみた。こんなことぐらいしか出来ない
自分がもどかしかった。今日は正午以降に来るように言われていたので、正午に病院に到着。ドキドキしな
がら病室に入ると、そこには穏やかな表情の妻がいた。心底ホッとし、体の力が抜け
た。昨日のことを尋ねてみると、妻は僕がいたことも、声をかけていたこともちゃん
とわかっていた。よかった、励まし続けてよかった。順調に回復すれば、妻は2週間ほどで退院できるそうだ。退院後もしばらく安静が
必要らしい。当分の間、妻の手となり足となり、懸命に尽くそう。
5月6日▼天誅殺(ふる〜)
毎日訪れて下さる奇特な皆様、更新をサボりにサボっているため、毎日はらわたが
煮えくりかえる思いかもしれません。って、そんな熱狂的なファンはいないか。鳴海
は4月25日以降、あまりの忙しさに精神的トンズラをぶっこいておりました。現実
逃避って気持ちいい〜ですよね。山形弁では「きもずえーなー」ですか?(誰に聞い
てんだよ!)というわけで、ようやく魔の、いや、皆様が満喫された楽しいゴールデンウィーク
が終了し、鳴海にもやっと平常心が戻ってまいりました。そう、僕にはずっと心の余
裕が無かったのでした。あっ、久し振りに書いたら、書き方が丁寧語になってる。い
かんいかん、キャラが違うゾ。戻そ。何がショックだったって、先月末、会社から預かってる日常の買い物代を紛失した。
紛失金8万円也〜〜。オレとしたことが、いったいどうしちゃったのかと愕然&呆然
としてしまった。買い物代はいつも自分のバッグに入れてあり、その辺に放置するこ
とは絶対にあり得ない。まあ「絶対」というのも絶対にあり得ないわけだから断定す
るのは禁物だが、しかし、しかし、どこいったかわかんねーよーー!ばかやろーー!
(号泣) 結局、損失を自腹で補填したのだが、おかげで店用マックの購入はしばら
くお預けになった。イコール、マックを使う店の仕事は今までどおり帰宅後にサービ
ス残業だい!ちくしょーめ。誰か哀れな鳴海小羊にノートパソコンを恵んでくれ〜〜。
このままでは他のことが何もでけん。他力本願おわり。そんでもって明日から妻が数週間、入院する。ああブルーじゃブルーじゃ。きっと
こういうのを“ついてない”っていうんだろーな。って、そんまんまやんけ! ああ
ギャグも冴えないことおびただしい。とほほのほ!
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