ヤBACK  ↑NEXT      
RANDOM DIARY TOUR
鳴海諒一日記 SINCE 6/18.2000



5月28日

▼無事退院

 妻が先週末、無事退院した。とはいえ、しばらくの間は安静が必要なので、病院で
の生活が自宅に移っただけのような感じだ。完治までにはまだまだ時間が必要である。

 家は病院と違って居心地がいいかと思いきや、僕がほとんど仕事でおらず、一日中
独りぼっちで過ごすため、ずいぶん心細そうだ。病院なら頻繁に担当医や看護婦がやっ
て来るし、気の合う患者仲間も数人、彼女の話し相手になってくれるので、それほど
寂しさを感じない。第一、食事を作らずに済むので、体に負担がかからないうえ、必
要な栄養もバランス良く摂取できる。

 それならもう少し入院していればよさそうなものだが、この病院ではそうはいかな
い。数ヶ月先まで患者の入院スケジュールがびっちり詰まっているので、退院しても
問題無い状態まで回復したら、決められた日に退院しなければならないのだ。しかし
それは別に追い出されるわけではなく、むしろ術後2週間の入院は、他病院と比べる
とかなり長めとのこと。

 妻は婦人科系の病気だった。今まで信頼できる病院や医師に出会うことが出来なか
ったために、約10年間、悩み苦しみ、その間に病状を悪化させてしまった。しかし
今年に入って漸く素晴らしい医師(と病院)に巡り会い、即、入院・手術することを
決意した。

 この病院はパーフェクトだった。医師も看護婦も素晴らしく良く、また非常に優れ
ていた。何でもっと早くここへ来なかったんだろうと、おもわず後悔してしまったが、
しかし、きっと物事には時期というものがあるのだろう。杜撰な診療を行う数々の病
院を知り、病院嫌いになったからこそ、やっと信頼できる病院に巡り会うことが出来
たのだと思う。また、そう思うしかない。

 この病院では、他の患者さんのほとんども、妻と同様、嫌な思いを他病院で繰り返
し、やっとこの病院に巡り会い、手術することを決意したのだそうだ。皆、5〜10
の病院を転々としている。いかに巷にろくでもない病院や医師が多いかがわかる。

 なぜこんなことを詳しく書いているのかというと、世の中には妻と同じように、人
に相談することが出来ずに婦人科系病気で1人苦しんでいる人たちが多く存在するか
らだ。女性の何割かはそうだろう。僕はそんな方々に、1人で黙々と苦しんでいる必
要が全く無いことをお教えしたいのだ。この病院へ行けば、今までの苦しみから必ず
解き放たれるだろう。

 本当はここに病院名を書けばいいのだが、前回、大部屋のおばさんたちのことをボ
ロクソに書き、彼女らの何人かはまだ入院中なので、ちょっと憚ってしまう。もしメー
ルをいただければ、病院名、医師名をお教えするので、一度診察を受けてみてはいか
がだろうか。病院は東京都千代田区内にある。

 この病院は、最初、紹介状がある方が望ましいとか言われるかもしれないが、そん
なものがなくても、一般外来で医師をこちらから指名できるのが嬉しい。また入院の
費用も別段高くない。どうぞ御遠慮なくメールをお送りいただきたい。

▼膳場余市HP「酒量のはらわた」

 僕の20年来の知人、膳場余市(ぜんばよいち)氏の HPを、知人サイトとしてメ
ニューバーの下の方に設置した。膳場氏が毎日、摂取する酒量はすごい(酷い?)。
こんなに飲んでいて、まだ生きていられるのが非常に不思議だ(笑)

 「酒量のはらわた」は、この飲んだくれのオヤジ(失礼!)が昨日飲んだ酒量を毎
日掲載することを目的に、日記やコラムも時々アップする。知人のよしみでウェブデ
ザインは僕が行ったのだが、僕のよりも良いものが出来てしまい、ちょっと悔しかっ
たりしている。あはは。内容が面白いかどうかは今後に期待することにしよう。


5月13日

▼どいつもこいつも

 手術の2日後(おととい)、妻が集中治療室から6人部屋へ戻ってきた。術後なの
で、とにかく安静と睡眠が必要だというのに、同部屋の連中(全て30代以上の独身
女性4名)が皆、無遠慮にバカでかい声で一日中延々と喋りまくるため、妻は気が休
まる暇が無い。そのバカ話は、まるで妻を休ませないように行っているのではないか
と疑ってしまう程、低俗でノイジーだ。僕はたった数十分間その部屋にいただけで、
女どものあまりの騒がしさに、ブチ切れそうになった。しかし注意などしようものな
ら、その後、妻の身が危険かもしれない(マジで)。仕方なく、耳栓を買ってきて妻
につけてもらった。

 不安そうな顔で僕を見送る妻に別れを告げ、僕は店に向かった。途中、書店で本を
3冊購入。レジで死ぬほどやる気が無い男の店員(35歳位)が、本にカバーを付け、
商品を手渡すのに5分(!)もかかったうえ、お待たせしましたとも言わないのを見
て、とうとうブチ切れた(病院でプチぶち切れ状態だったからね)。

 この男の手際の悪さといったら凄い。1冊目の文庫本の片側にカバーを付けるまで
に1分もかかるのろさだ。何だこいつぁ、と思ってその仕事ぶりを見ていると、月面
で作業しているのよりもはるかに遅い。これが嫌がらせで行っているのなら、実に効
果的だと思うが、もしそうだったら、なおキレる。ハードカバー本など、普通の大き
さの本なのに、どのカバーを付けてよいかわからず、あちこちをゴソゴソのろのろ探
している始末。そしてアホみたいにダラっと「ありあと〜ざ〜ました」と言うのを聞
いて、僕はキレた。

「ねえ君、仕事がめちゃめちゃのろいけど、新人なの?」 店員はビックリしたよう
な顔で目を見開いた。「君、新人なの? こんなことぐらいパパッとやってよ。それ
にすっげえ待たせてるんだからさ、お待たせしましたぐらい言おうよ。何でもっと一
生懸命働かないの? 君、めちゃめちゃ仕事遅いんだよ!」(言い方はこんなじゃな
いけど、内容はこんな感じ、かな)

 店員は目を見開いたまま、なぜか固まってしまった。なぜ自分がそんなことを言わ
れるのか、まるでわからないといった様子。そこへ仕事のできそうな女子店員が駆け
つけ、申し訳ありません申し訳ありません、と僕に平謝りに謝った。その彼女のあま
りにも申し訳なさそうな顔は、彼の不手際は重々承知しておりますので、と言ってい
るようだったので、まいっかと(よくはないんだが彼女に免じて)、それ以上とやか
く言わずに店を出た。

 ったく、いったいどんな教育をしてんだこの丸善とかいう書店は。紀伊国屋も店員
の態度は酷いが(引き合いに出されて可哀相〜)、全国的にチェーン展開してる書店
は、確かにハズレが多い。ってゆーか、書店はどこもサービスが低レベルだ。大抵ム
カつかされるぞ。だいたい接客態度の良い書店なんてあるのか? 書店の店員よ、もっ
と向上心を燃やせ! おまえらの仕事は包んで手渡すだけじゃないんだよ。よく考え
ろ、考えられるヤツは。って、あんまりいね〜か。

▼脱大部屋

 今日は公休日。家で少しゆっくり過ごし、夕方、妻を見舞った。病室に入ると、妻
が寝ながら泣いていた。頭痛が酷く、頭が割れそうに痛いとのこと。痛み止めの薬も
効かず、あまりの痛さに泣いてしまったのだ。同室の女たちは相変わらず大声でバカ
話しをしており、あはは〜あはは〜と癇に障る周波数の高笑いが部屋中にビンビン響
き渡っている。

 妻が部屋の中にいたくないというので、ロビーへ行き、話を聞いた。もうこの部屋
にいるのは堪えられない、バカデカ低俗話は片時も止まず、消灯後は全員がいっせい
に携帯のメールをピコピコ打ち出し(病院は携帯禁止だろーが)、その後、いっせい
に全員が高いびきと激しい歯ぎしりを朝まで続けるため、昼も夜も眠れず、全く気が
休まらないとのこと。

 しかし、ひとしきり愚痴ったら、妻の頭痛はピタリと止み、穏やかな表情が戻って
きた。そうか、頭痛は神経性なのだ。同部屋の女どもの仕業だったんだ。それがわかっ
た以上、もう妻をあの部屋には戻さない。僕は妻に「看護婦さんに事情を説明して、
すぐに個室に移りたいとお願いしておいで」と言った。

 ラッキーなことに個室が一部屋だけ空いていた。荷物の移動は看護婦さんがやって
くれるというので、そのまま個室へ直行した。

 さすが個室はとても静かだ。地獄から天国へ来たことが実感できた。妻は大喜びで
はしゃいでいる。部屋はシティホテルのシングルルームよりも広く、バストイレ電話
付きなので、部屋から出る必要がない。リハビリは部屋内をグルグル歩き回っていれ
ばよい。しかし気になるお値段は、なんと!一日2万5千円也。退院までに単純計算
で35万もかかる。こりゃ大変だ。でも妻は今が一番大切なとき。金がかかるとか言っ
ていられない。

 夜8時半頃、家についた。きっとおやすみコールをかけてくるだろうと待っていた
ら、意外にも電話はかかってこなかった。きっと今までの疲れがドッと出て、グッス
リと眠っているのだろう。便りがないのは元気な証拠。これで僕も余計な心配をしな
くて済む。ああ、めでたしめでたし。

 最近、バカヤローこのやろー的な怒りがあまり起こらず、また、忙しさにかまけて
日記も滞りがちだったのだが、やはり怒りは僕の原動力だ。怒ると書きたくて書きた
くてたまらなくなる。ホントはこの他にも、3日間で連続7人不採用にしたバイト面
接のこととかも書きたいのだが、本日はタ〜イムリミット〜。また後日、書くことに
しよう。


5月11日

▼痛み

 昨日の午前中、妻の手術が行われ、術後に集中治療室に運ばれた。全身麻酔が切れ
始め、妻はあまりの痛みに絶叫を繰り返す。その声は約10メートル離れた場所で待
たされている僕の耳にもはっきりと届く。悲鳴の合間に「死にたい」という言葉が微
かに聞こえ、僕は耳を疑った。

 少しして面会を許され、僕は妻の元へ駆けつけた。普段はもの凄く我慢強い妻が、
身をよじって痛がり、何度も悲鳴を上げていた。「死にたい」「こんなに痛いんじゃ
生きてたってしょうがない」「お願い、殺して」 悲観的な言葉が次々と口をついて
出てくる。僕に出来ることは彼女の手をしっかり握り、頑張れ、すぐに治るよ、と励
まし続けるだけだ。

 担当医が言うには、麻酔が切れかかると感覚の全てが痛みに感じられるとのこと。
この苦しみの記憶は、麻酔が抜けたら忘れ去ってしまうそうだ。しかし痛がり方が度
を超えているので、痛み止めの注射を1本多めに打ち、しばらくして妻はやっと眠っ
た。本当はずっと側にいたかったのだが、僕がいると妻の気が散り、深い眠りにつく
ことができないと言われたので、看護婦さんによくお願いして、職場へ向かった。

 仕事中も妻のことが心配で、あまり集中できない。妻の近くにいられないことに苛
立ちを覚える。ムカムカした。それでも何とか仕事をこなして帰宅した。妻の容態が
気にかかる。まだ苦しんでいるのか。大丈夫なんだろうか。心配でたまらない。頑張
れ頑張れ負けるな頑張れ、と何度も気を送ってみた。こんなことぐらいしか出来ない
自分がもどかしかった。

 今日は正午以降に来るように言われていたので、正午に病院に到着。ドキドキしな
がら病室に入ると、そこには穏やかな表情の妻がいた。心底ホッとし、体の力が抜け
た。昨日のことを尋ねてみると、妻は僕がいたことも、声をかけていたこともちゃん
とわかっていた。よかった、励まし続けてよかった。

 順調に回復すれば、妻は2週間ほどで退院できるそうだ。退院後もしばらく安静が
必要らしい。当分の間、妻の手となり足となり、懸命に尽くそう。


5月6日

▼天誅殺(ふる〜)

 毎日訪れて下さる奇特な皆様、更新をサボりにサボっているため、毎日はらわたが
煮えくりかえる思いかもしれません。って、そんな熱狂的なファンはいないか。鳴海
は4月25日以降、あまりの忙しさに精神的トンズラをぶっこいておりました。現実
逃避って気持ちいい〜ですよね。山形弁では「きもずえーなー」ですか?(誰に聞い
てんだよ!) 

 というわけで、ようやく魔の、いや、皆様が満喫された楽しいゴールデンウィーク
が終了し、鳴海にもやっと平常心が戻ってまいりました。そう、僕にはずっと心の余
裕が無かったのでした。あっ、久し振りに書いたら、書き方が丁寧語になってる。い
かんいかん、キャラが違うゾ。戻そ。

 何がショックだったって、先月末、会社から預かってる日常の買い物代を紛失した。
紛失金8万円也〜〜。オレとしたことが、いったいどうしちゃったのかと愕然&呆然
としてしまった。買い物代はいつも自分のバッグに入れてあり、その辺に放置するこ
とは絶対にあり得ない。まあ「絶対」というのも絶対にあり得ないわけだから断定す
るのは禁物だが、しかし、しかし、どこいったかわかんねーよーー!ばかやろーー!
(号泣) 結局、損失を自腹で補填したのだが、おかげで店用マックの購入はしばら
くお預けになった。イコール、マックを使う店の仕事は今までどおり帰宅後にサービ
ス残業だい!ちくしょーめ。誰か哀れな鳴海小羊にノートパソコンを恵んでくれ〜〜。
このままでは他のことが何もでけん。他力本願おわり。

 そんでもって明日から妻が数週間、入院する。ああブルーじゃブルーじゃ。きっと
こういうのを“ついてない”っていうんだろーな。って、そんまんまやんけ! ああ
ギャグも冴えないことおびただしい。とほほのほ!


 ヤBACK  ↓NEXT