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RANDOM DIARY TOUR
鳴海諒一日記 SINCE 6/18.2000



5月31日

▼殺菌とお風呂の温度

 うちにあった雑誌「with」(昨年10月号)の特集「体に安心な食べ物の見抜き方」
を読んだ。その中の「低温殺菌の牛乳はおいしい?」に対する表示問題アドバイザー
K氏の回答が非常に変だった。以下本文。

「低温といっても65度。お風呂だったらとても入れない温度で、30分も殺菌する
のです。通常の120度で2〜3秒とどちらがいいとは言えませんね。ただ、低温殺
菌の方が賞味期限は短いですから注意してください」

 K氏は、牛乳の殺菌温度とお風呂の温度は、相関関係があると思っているのだろう
か。人が入って気持ち良いと感じるお風呂の温度での殺菌は有効だというのだろうか。
きっとこれはK氏が不勉強なのではなく、温泉卵の作り方を書く場所を間違えたのか
もしれない。んなわけないか。

 この特集記事には、輸入レモンに使用されている防カビ剤(イマザリルとOPP)が
発ガン性の危険があると書かれている。これは僕も普段から気になっている。以前、
メルマガにも書いたが、当店ではレモンの皮を丸ごと1個分、螺旋(らせん)剥きに
してグラスに入れるカクテル「ブランデー・ホーセズネック」を時々オーダーされる。

 レモンの皮は、学者によってはたった1個分で発ガンすると言い切る人もいるくら
いなので、僕としてはこのカクテルをお客様に提供したくない。メニューにも載せて
いない。しかしお客様は、このカクテルを連れの方に見せたくてオーダーする。そし
て僕は、オーダーされる度にいつも憂鬱な気分でレモンの皮を剥くのである。

 ブランデー・ホーセズネックは、ブランデーのジンジャーエール割りである。1個
分のレモンの皮をグラスに入れると、清涼感と共に皮のエグみも存分に味わえる。こ
んなカクテルより、レモンカットを搾り入れただけのブランデーバックを100倍く
らいお奨めしたい。こっちの方が全然おいしいのである。

 この日記をお読みになった方は、決してホーセズネックをお飲みにならないでいた
だきたい。じゃ、飲んでみようか、という天の邪鬼な方は、ぜひ一度ご賞味下さい。
あっ、またひねくれたことを書いてしまった。僕とはこういう人間なのさ(と開き直っ
て、今日はおしまい)。


5月30日

▼指名手配

 今日、街頭で武富士の社員が「犯人逮捕にご協力お願いしま〜す」と言いながらポ
ケットティッシュを配っていた。受け取って即座に裏を返すと、犯人の絵と特徴が載っ
ていた。何をしでかしたのかは書いてない。そこが知りたいのに〜。連絡先は弘前警
察署までとなっている。弘前って青森県じゃん。全国一斉配布なのかもしれない。よ
ほどのことをしたんだろう。武富士に強盗に入ったか。う〜ん、最近ニュースを見な
いのでさっぱりわからない。


5月29日

▼大マヌケバイトMの日記

 19日に書いた当店の大マヌケバイトMは、レンタル日記サイトで日記を書いて毎
日アップしているのだそうだ。店のことも書いているらしい。読みて〜〜〜。本人が
URLを教えてくれないからちょっと探してみたんだけど、そのサイトは登録者が5万
人もいるのでまるで見つからない。

 Mはたぶんかなりのナルシストだから、きっと僕にしこたま怒られたことが形を変
えて綴られていることだろう。どんなふうに現実が歪められているのか知りたいなあ。
Mはもちろん僕に読まれたくないのだろうが、そのわりに「さるさる日記っていうサ
イトに書いてます」とか、「バイトに入ってる日は深夜の2時前後にアップしてるの
で、その時間帯に新着日記欄に掲載されてますよ」と、なぜかポロポロとヒントを出
すのだ。「そんなこと言って、読まれてもいいのかよ」と言ったら、「あっ、しまっ
た!」と慌てていた。Mは本物のアホかもしれない。


5月28日

▼正直と自分勝手

 昨日、久し振りに来た常連客(31歳)の連れが、酔っぱらって僕に言った。

「僕はよく上司と飲みに行くんだけど、会社の外へ一歩出たらもう仕事じゃないから、
外では絶対に敬語は使わないよ。社長にだってそう。鳴海さんは、ゴマをする人間と
正直な人間、どっちがいい?」

 ゴマをするだけのお調子者は嫌いだけど、正直と自分勝手がこの歳になってまだ判
別できないお前のことはもっと嫌いだ。がはははは。オレにもタメ口をきくな、まぬ
け。


5月24日

▼雑記

 しばらく日記を書かなかった。なぜならここに書きたいことは何かに対する文句や
批判ばかりだからだ。書きたいコラムも「こうあるべきではない」「これはおかしい
んじゃないか」等の批判めいた内容ばかりである。これらを書くためにはかなりのテ
ンションの低さが要求される。つまり、家に帰ってきてから胸糞悪い気分に陥らなけ
ればならない。これが今は辛い。家でまで嫌な気分になりたくないのだ。

 先日の日記に書いたように、現在クラシックにのめり込んでいる。ピアノの練習も
毎日欠かさず行っているが、それがもう楽しくて楽しくてしょうがない。ショパンの
プレリュード20番をつっかえずに弾けるようになり、今はシューマンの「子供の情
景・詩人のお話」と、ショパン・プレリュード9番を練習している。

 ピアノはタッチやペダルの使い方次第で、様々な音色に変化する。曲にふさわしい
美しい音色をコンスタントに奏でられるように、ああでもないこうでもないと練習し
ているのだが、これが実に楽しい。初心者のくせに僭越ながら言わせてもらうと、美
を追求することは、僕にはとても前向きで発展的なことに感じられるのだ。

 店でのバイト指導は、僕自身がわかりきっていることを注意したり教えたりしてい
ることがほとんどなので、僕にとってあまり発展的とはいえない。指導力を向上させ
るという意味では得る部分もあるが、それ以外は自分のストックから小出しにするだ
けで、たいてい事足りてしまう。また、仕事中はバイトに対して大いに干渉するわけ
だが、実は僕はあまり人に干渉したいタイプではない。これについて書き始めるとか
なり膨大な文章量になってしまうので、今日のところは触れないでおこう。

 最近、僕がよく訪れるサイトの掲示板に誹謗中傷カキコが数多く書き込まれている。
書き手が何を考えているのかという人間ウォッチングには最適なのだが、時に低次元
すぎて読んでいてもつまらない。世の中には様々な思考レベルの人たちがいて、みん
な自分の考えこそ正しいと思っていろんなことを書いている。まるでスポーツ新聞を
読んでいるようだ。上げたり下げたり忙しい。


5月19日

▼大マヌケバイトM

 2ヶ月ほど前に入店したアルバイトM(男)の仕事の覚えが遅くて遅くて、ほとほ
と手を焼いている。働きはじめて1〜2週間程度の初心者並の仕事ぶりを、現在まで
ず〜っと続けているのだ。僕の簡単な指示も聞き間違えたり理解できずにおろおろし
ているばかりでなく、言われたことがわかっていないのに聞き返さず(せず?)「た
ぶんこう言ったんだろう」と予測で行動するから、いつでも指示を全うすることが出
来ない。その度に「何でこんなことが出来ないんだよ!ばかやろ〜!」と僕はブチ切
れまくり、そのため精神状態の悪いことおびただしい。

 この大マヌケ野郎Mはなぜこんなにダメなのか、その思考回路を知るために、以前
購入した本「気がきく人 気がきかない人」を読み返した。しかし、この本に答は出
ていない。そりゃなぜ気がきかないのかなんて、書いてあるはずもない。気配りが出
来ないから気がきかないのだ。正しい判断力が欠乏しているのである。

 今日、女性バーテンダーSさんと買い物に出かけたときに、「あいつが何をどうい
うふうに考えたり解釈してるのかっていう思考回路を知りたくて、あれこれ考えてる
んだ」と話しかけた。Sさんは「えっ!」と驚き、僕を見据えて言った。

「彼は何も考えてないから仕事が出来ないんじゃないですか」

 うっ・・・鋭い。僕は言葉に詰まった。そりゃそうなんだけど、そうかもしれない
んだけど、でも考えてないヤツだって、考えてないなりに何かを考えているはずだ。
僕はそれが知りたいのだ。僕の話を頭の中で乱反射させて取り違えてしまうMの思考
回路を理解しなければ、Mは今後も変わらない。それでは当店での存在価値がないと
いうことになってしまう。まあそんなことを言ったらもうとっくに教育の限界は超え
ている。この状態ではMは現世でバーテンダーになることは到底不可能だが、もう少
し何とかならないものか考えてみたい。

 彼のアホアホぶりは、最近では常軌を逸しているといっても過言ではなく、それは
ある意味、笑えるほどだ(もちろん後でだけど)。そのうちメルマガで御紹介するか
もしれない。


5月15日

▼スタインウェイを弾きに行った

 数ヶ月前からクラシックにどっぷりと浸かっている。書籍も「ホロヴィッツの夕べ」
「ウラディーミル・ホロヴィッツ―あるピアニストの神話」「チャイコフスキーコン
クール(中村紘子)」を立て続けに読み、現在は「スタインウェイとニュースタイン
ウェイ」を読んでいる。

 今日は、都内にあるスタインウェイサロンへ、スタインウェイを弾きに行ってきた
(正確にはそのサロンへ行く妻にくっついて行った)。予約したスタジオには、コン
サートホールで使用するフルサイズのスタインウェイが2台並んでいた。1台はシリ
アルナンバーが50万番台の新しめ。もう1台は40万番台の少々古めの艶消し仕様
で、鍵盤が象牙だった。音色はどちらも素晴らしかったが、やはり古めの方が優れて
いるようだ。ピアノの状態は、さすがスタインウェイの正規代理店が所有しているだ
けあって、調律もタッチも最高だった。うちのヤマハのグランドとは月とスッポンだ。

 妻が練習中の曲を弾き出した。僕はスタインウェイの本でも読んでいようと思って
いたのだが、そのあまりに素晴らしい音色とバランスの良さに耳を奪われ、たちまち
虜になった。なんたって名ピアニストが弾いているCDと同じ音が生で聞こえて来る
のだ。本など読んでいる暇はない。僕はピアノから流れ出る音の洪水を漏らさず聴く
ため、全神経を耳に集中した。すっげ〜いい音だ。感動の連続・・・

 妻の休憩中に、練習中のプレリュードをドキドキしながら弾いた。家では付点音符
の移動がスムーズに出来ないのに、スタインウェイでは軽々と弾けてしまう。なんと
いう素晴らしいタッチなのだろうか。ボキャ貧だが、素晴らしいの一語に尽きる。

 ピアニスト以外の演奏家は、皆自分の楽器を持ち運び、どこでも自分の楽器で演奏
するのに、ピアニストだけはその会場に備え付け、もしくは現地で調達したピアノを
弾かなければならない。海外に自分の愛用ピアノを持って行ったのは、ホロヴィッツ
ぐらいだろう(その多くはスタインウェイ社が自費で運んだ)。ピアニストは自分が
慣れ親しんだ愛器を使用することが出来ないのだ。

 うちのピアノなんて優れたピアノのベストの状態にはほど遠いため(ほとんど無理)
、妻が練習する時は我が家のピアノの癖を把握して弾くタッチを変え、少しでも良い
バランスに聞こえるように努めている。ある程度優れた楽器を所有していれば、こん
なつまらないことに翻弄されずにどんどん進歩してゆけるのに、非常に残念でならな
い。スタインウェイがあれば、もっと楽しく弾けてもっと上手になれるのに・・・

 でもスタインウェイは高い! 新品で800万から1千万円以上。中古でも400
万以上で、良い状態ならそれ以上だ。おまけに調律やメンテナンスもすこぶる高いら
しい。スーパー金食いピアノなのだ。だからこそスタインウェイを所持するというの
は凄いことなんだろうな。いつか購入できる日を夢見て、細々と積み立て預金を始め
てみようかな。みようかなと言ってる時点でアウトだな。


5月14日

▼アチチナルド

 今日から副店長が復帰するので、久し振りに休みをとった。ずっと働きっぱなしだっ
たから、我が家の食材は底をついてしまっている(いったいどこに住んでんだ!)。
食品の買い出しの前に、珍しくうちの近所のマクドナルドへ腹ごしらえに行った。

 そのマックで働く従業員は年齢層が高い。レジに立っているのは40〜50代のお
ばさんたちだった。彼女たちはやる気に満ち満ちており、バリバリ働いていた。一応
マニュアル通りの受け答えをしながらも、レジを「あっ、打ち間違えちゃった!」と
言ったり、注文したハンバーガーを「アチチアチチ」と運んだり、レジの釣り銭を
「急げ急げ」と詰め込んでいた。そんな光景を目にした僕は、ある意味これは人間ら
しくていいなあと感じたのであった。

 彼女たちの発する言葉は、マニュアル的には全く以て不適切と言わざるを得ない。
しかし巷のファストフードの徹底したマニュアル言葉のみでは、まるでロボットが喋っ
ているようで味気ない。不必要にデカイ声、やりすぎの深々おじぎ、愛想はいいがど
こを見ているのかわからない目、必要以上の懸命な態度。マニュアルを100%守ろ
うという彼女たちの意気込みはいったい誰に向けられているのか、と不思議に思って
しまう時がある。

 素人をある程度の状態まで引き上げるためにはマニュアルは功を奏するが、その先
へ進むためにはマニュアルが足かせになる場合がある。なぜならいつまでも同じ言葉
を繰り返していればよいため、多くの人はマンネリ化し、次第にテクニックだけで楽
に一生懸命風の声を発するようになる。そして言葉は乾き、相手に届かなくなってし
まう。

 原則的にマニュアルとはサービスを向上させるものではなく、その通りにやってい
ればそれ以上悪くならない、という代物である。だから僕が時々行くファミレスやコ
ンビニの店員の言葉は皆死んでいる。決まり切ったセリフを無味乾燥に繰り返してい
るだけである。何も言わないより言った方がいいんだろうけど、でも無感情にしまり
のない口の開け方で平坦に言葉を発している店員は、アホに見える。

 というわけで、前述の「アチチアチチ」おばさんたちは、そんな言葉を発しながら
も一生懸命やる気を持って働いていたので、オッケー(三角に近いけど)なのだ。そ
れにしてもこのおばさん、1日に何回ぐらいアチチアチチを連発しているのだろうか。


5月12日

▼ぼんやりフェチだよ、うちの従業員

 副店長の病欠が続いており、今月はまだ1日も休みをとれない。こんな時にこそバッ
チリ働いて穴を埋めるのが責任者である僕の務めであることは重々承知しているが、
しかしいい加減、心身共に少々疲れがたまってきた。これはゴールデンウィークの忙
しさの後にホッと一息つけなかったせいだろう。体内時計が狂ってしまった。

 今週の平日は比較的暇だったのだが、そんな暇な日には従業員の粗(あら)が思い
切り目立ってしまい、すこぶるイライラする。なぜこんな簡単なことがいつまでも出
来ないのか、なぜいつまでも気がきかないのか、なぜそんなにカンが悪いのか、等々、
頭を悩ませられっぱなしなのである。いくら何でももう覚えろよと憤ってしまう。

 僕は確かに仕事カンは悪い方ではないが、ずば抜けて優れているというわけでもな
いだろう。まあ自分が優れていると思った時点で成長は止まってしまうわけだが、ど
ちらにせよ、僕の仕事ぶりは自分にとって常に標準(=1=普通)なわけで、その上
少しずつ向上している。そのためあまりにもカンが悪い者の気持ちを察することが、
次第に出来なくなってきた。他者の気がきかない仕事ぶりが、なぜそうなのかまるで
わからない。

 従業員には僕と全く同じような仕事をさせようとしているわけではなく、かなり簡
単で最低限のことばかりさせているつもりだが、それすらクリア出来ないようではス
マートなサービスなどほど遠い。ワンランク上のサービスを目指していても、これで
はその辺の店と同じになってしまう。

 全ては僕の指導力が至らないせいなのだが、それにしても皆突然いままでと違うこ
とをポンとやり始めたりするので、時折唖然としてしまうのだ。なぜそんなことを急
に始めてしまうのかと目が点になる。いつもと同じことをやるだけなのに、それって
そんなに難しいことなのだろうか。いや、そうではない。ぼんやりしているからイー
ジーミスしてしまうのだ。彼らは常に気を張ってはいられないのか。気を張るポイン
トがわかっていないのか。

 ぼんやりしている場合ではない者たちばかりが、ぼんやりと凡ミスを繰り返し続け
ている。


5月7日

▼緊急手術

 ゴールデンウィークはずっと働いていた。やっと今日は休みだと思っていたら、午
前中に副店長から電話がかかってきて、緊急扁桃腺手術のため、今日からしばらく休
ませてほしいと言う。少し前から体調が悪いのは知っていたが、せ、せめて明日入院
してくれ〜〜、などと言えるはずもなく、休日返上で今日も働いた。入院期間は1週
間くらいらしいが、10日から2週間くらい余裕をみておいた方がいいだろう。当分
休みはなさそうだ。ぐっすん。

▼ピアノ練習

 4月29日の日記に書いたとおり、ショパンの前奏曲20番を練習し始めた。この
曲はほとんど和音だけで構成されている厳かな短い曲だ。たった12小節しかないう
えに5〜8小節を2回繰り返すので、正味8小節を覚えればいいだけなのだが、それ
がもう、笑っちゃうほど覚えられない。何度弾いても次の和音が出てこない。あれれ
何だっけと思い出そうとするのだが、頭の中がすぐ真っ白い霧で覆われてしまう。1
つ前に弾いた和音も忘れる。次の和音も思い出せない。まあ最初だから仕方ないんだ
ろうけど、しかしそれにしても、オレには学習能力がないのか!

 練習は毎朝7時頃から行っている。アップライトなら弱音ペダルを踏めば深夜に練
習できるのだが、グランドの音とタッチが気に入ってるので、妻が起きてからガンガ
ン弾いている(音だけがデカイという意味)。練習してると2時間なんてあっという
間に過ぎ、今日も大して弾けるようにならなかったと失意の念を胸に抱き、慌ててベッ
ドに潜り込む。おかげで寝不足の日が続いている。

 昨日は20番を練習し始めてから初めてこの曲のCDを聴いた。うちにはポリーニ、
アルゲリッチ、キーシンの前奏曲集があるので、まずは「20世紀の名盤」1位(前
奏曲部門)に輝くポリーニから聴いてみた。すると3小節目の4拍目の和音が僕の弾
いてる音と違うのを発見。あれれ僕が覚え間違えたか、と譜面を確認してみたら、な
んと間違っていなかった。こりゃ譜面のミスかなと思ってアルゲリッチとキーシンを
聴いてみたら、どちらも譜面通りに演奏している。ポリーニが違っているのだ。

 妻曰く、譜面には時々間違いがあるし、また、譜面によっては曲の解釈が違う場合
があるので、こういうことは珍しいわけではないとのこと。ふ〜ん、でも短調の曲な
のに、ポリーニの和音はそこだけ長調になっていて、ちょっと違和感を感じる。何ら
効果的に聞こえないのだ。ショパンはここでこんな展開はしないんじゃないかな、と
素人のくせに偉そうなことを口に出してみたら、ちょっと気持ちが良かった(笑)

 あのポリーニが単純ミスを犯しているとは到底思えない。この長調の和音を弾いた
のは、きっと何か理由があるんだろう。く〜〜、そこが知りたい! でもどうやって?


5月6日

▼ヒデゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ル!!!!

3位の対ユベントス戦に後半13分途中出場したヒデが、また大活躍した。2−0で
負けていたところにミドルシュートを決め、ロスタイムにも敵ゴールキーパーがボー
ルを弾くようなシュート! それが2点目に結びつけた。結局試合は2−2のドロー。
このドローはヒデのおかげだ!2位との差5ポイントを守り、優勝に望みを繋いだ。

 ヒデはなんてヤツだ! チャンスを絶対にものにする。セリエ移籍後の初試合でも、
このユベントス相手にいきなりの2ゴールをあげ、チームメイトの信頼を得た。そし
て今期、非EU枠問題でほとんど試合に出られなかった鬱憤を、この試合で完全に晴ら
した。この大試合で不調のトッティを下げてヒデを投入したカペッロ監督もさすがだ
が、チャンスを絶対に逃さない天才ヒデに拍手! サッカーが人生の一部であるイタ
リア人も、この試合のヒデを心から賞賛するだろう。たぶんユーベファンもすげ〜と
か言ってるぜ。本当に凄い男だ!


5月5日

▼バカ店長

 お客様の接客をしていてたまにおちゃらけることがある。そんな時、お客はバイト
に向かって「こんな店長じゃ一緒に働くの大変だね〜」とか言うのだが、バイトは返
答に屈して固まってしまう。なぜなら僕は普段、従業員にはかなり厳しいのだ。裏で
は「こんな」ではない。たまにしか。

 お客はそんなことを知る由もなく「店長バカで困っちゃうね〜」なんてのほほんと
言ってるが、バイトは何と答えていいのかわからず、「いえ!」とか「そんな!」と
焦っている。僕もバイトが何を言うのかなと見ていると、皆一様にうつむいて話題が
変わるのを待っている。誰か「店長は腑抜けかもしれませんが、断じてバカではない
と思います!」とかフォローしないかな。「腑抜けかよ!」とか「思いますかよ!」っ
て“さま〜ず”の三村ばりのツッコミいれるのに。ってお笑い教室じゃないっつーの。


5月4日

▼ノイズストッパー

 昨年、耳鳴りがしていた時ににつけていた耳せん「ノイズストッパー」だが、耳鳴
りが治った今でも電車通勤時には欠かせない。ノイズストッパーはシリコーン製の耳
せんで、ガムの噛みカスのような物体である。これで耳の穴の入り口をベタッとふさ
ぐと、周囲のバカデカ声やウォークマンのシャカシャカ音、クソガキのわめき声など
をかなり軽減してくれる。

 僕は電車で読書をするのが習慣なので、耳せんは周囲の騒音を消し去り、僕を一人っ
きりにさせてくれる。おかげで腹が立つことや気が散ることが減って、安定した精神
状態でひとときを過ごせて嬉しい。もう僕はノイズストッパー無しでは生きていけな
いかもしれない(笑)いや、マジで。

 車内の騒音にお嘆き&お悩みの方は、ぜひお試しになってみてはいかがだろうか。
なかなかですぜ〜旦那!


5月3日

▼お気遣い過多なお客様

 今日、知人に勧められたマンガ「Heaven(ヘブン)」の単行本を当店スタッフから
借りて、帰りの電車の中で読んだ。時々猛烈に面白くて、笑いをかみ殺すのに苦労し
た。このマンガは、フレンチレストランで働くギャルソンが毎回様々な問題に巻き込
まれるコメディ仕立てのストーリーだ。

 特に面白かったのは第16話「気を使う客」。ギャルソンが困惑するほどの気遣い
をする客や、反対にとても気を使わない客が、とてもいいコントラストで描かれてい
る。当店にもこの話と同じような、ものすご〜〜く低姿勢なお客が、たまにやって来
る。

「失礼いたします。お飲物をお持ちしました」

「(もじもじ)すいません・・・」

「ギムレットを御注文のお客様?」

「はい!わたくしです!」(元気の良い返事だ)

 コースターを置く

「すいません・・・」

 ドリンクを置く

「あっ、すいません・・・」

「こちらミックスナッツでございます」

「あっ、ありがとうございます!」(あなたが注文したナッツなのに・・・)

 伝票を置く

「す、すいません・・・」 

 一礼する 

「あっ(深々とお辞儀する)」 

 このように、まるで悪いことをして謝っているかのように、ものすご〜〜く低姿勢
なのだ。このテーブルだけ空気がピーンと張りつめていて、ちょっと息苦しい。この
ようなお客には、あまり余分な気遣いをしていただかないように、こちらもものすご
〜く気を使ってしまう。で、どうするかというと、明るく振る舞って素早く立ち去る
のである。僕が近くにいる限り、そのお客様のカッチンコッチンは直らない。

 先日、当店で結婚式の2次会を催された主役の方が、菓子折とパーティーの時の写
真(スクラップブック2冊)を抱えてやって来た。

「先日はお世話になりました。これはお世話になったお礼です。皆さんでお召し上が
り下さい。それと、これはパーティーの時に撮った写真です。どうぞ(ご覧下さい)」

 何だ何だ、と思ったが、ありがとうございます、と礼を言って受け取った。厨房へ
行き、スクラップブックを開くと、そこには幸せそうな新郎新婦の写真がてんこ盛り
で並んでいる(お二人の写真ばっかり)。パーティー当日、僕はこの会場にいたので、
パーティーの一部始終を見ている。お気遣いはとても嬉しいのだが、なんで僕に写真
を見せるのか全くわからない。でもこれはきっと、新郎新婦の感謝の気持ちの表れな
のだ。表れなのだ。表れなのだ。表れなのだ。僕は自分に言い聞かせた。


5月1日

▼「今週のナカータ」がサイトを休止!

ガ〜ン、ショック! 僕の超お気に入りHP「今週のナカータ(中田英寿)」がサ
イト運営を休止してしまった。このHPでは、毎週セリエAのローマ戦の詳細を的確
にレポート&解説していて、スカパーに加入していない僕としては、とても頼りにな
る情報仕入先だったのだ。とても良質なサイトだっただけに非常に残念!

 主宰者の休止理由は、「試合自体に夢中になれず、内容を事細かに把握する集中力
が欠けているのと、書いている時もモティベーションが上がらない。(中略)それは
ヒデが出場し、ゴールを決めても同じこと」とのこと。

昔、野球の王さんが引退した時も「ホームランを打っても嬉しくなくなった」とい
う理由からだったなあ。それにしてもとほほ。数少ないブックマークがまた1つ減っ
てしまった・・・


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