★ パッカヤロー!
昨夜、日本を代表するベテラン・ジャズ・ベーシストCさんが、奥様&お友達と飲み
に来てくれた。Cさんは2ヶ月前まで当店に毎月出演し(9月で本格ジャズライブは
終了)、多くの一流ジャズピアニストに声をかけて当店で共演してくれた。おかげで
僕の耳は相当肥えた。(耳デカになったわけではない。念のため)当店はBARだが2年半の間、普通では考えられない大物ミュージシャンが続々と出演
し、ライブ日は大いに盛り上がった。たぶんBARでのジャズ演奏としては、日本でも
トップレベルだったんじゃないかと思う。Cさんはとてもユーモアに富んだ素敵なおっさん、いや、じじい、いや、おじさまだ。
最初に会ったその日から僕とCさんはギャグの応酬オンパレードで、すぐに打ち解け
た。ジャズミュージシャンはホントにギャグがよく通じる。返しもいい。きっと演奏でイ
ンプロヴィゼーションを繰り広げてるから、ジャズもギャグも感覚が一緒なんだと思
う。演奏では相手がこう来たからこっちはこう出ようって感じだから、それがギャグ
にも反映されているに違いない。演奏中はミュージシャン同士でインプロヴィゼーショ
ン。そして演奏の合間の時間は、ミュージシャンと僕とのインプロヴィゼーションタ
イムが始まる。つまり当店に出演する方々は、気の休まる暇がないのであった(笑)昨日もCさんがお友達に、いつものセリフで僕を紹介した。
「鳴海はいいやつなんだけどさ、ホント馬鹿で変なヤツなんだよ〜」
「Cさんの方が変なんで、そんなこと言われても全然平気です」
「なっ、なっ!?バカだろ〜」
「僕はバカにバカって言われても全然平気なんで(笑)」
「なんだと!バッカヤロー!パッカヤロ!」
「バッカヤロ!パッカヤロー!」
文章では細かいニュアンスが表現できない。書いていて我ながら二人ともかなりのバ
カのようにみえる。でも続ける。その後、Cさんにジンソーダ、ライムピール入りを
オーダーされて、ライムピールをグラスに振りかけようとしたら、Cさんが言った。「ねえそれ(ライムピール)、鼻くそつけてこなかった?」
「いえ、鼻くそはつけてきませんでしたけど、似て異なるものはつけてきました。えっ
と、トリカブ〜何とかというものが付いてます」「死んじゃうよパッカヤロ!」
「パッカヤロー」
ジンソーダのお代わりで、
「ねえそれ(ライムピール)、鼻くそつけてきただろう?」
「はい今度は鼻くそつけてきました。(ピールを振りかける)でもこの鼻くそ、僕の
じゃなくて、バイトの女の子のですから」「ええっ?女の子のだって鼻くそは汚いよパッカヤロ!」
「パッカヤロー」
さらにジンソーダのお代わりで、今度はCさんに聞かれる前に、
「今度はう◯こ付けてきましたから(ピールを振りかける)」
「がはははは!汚ねえなパッカヤロ!」
「パッカヤロー」
なんか書けば書くほど皆様に僕の品性を疑われているような気がする。こんなお下劣
な会話は、もちろん普段他のお客様とはしていない。えっと、確かしていない。えー、
していないような気がする(笑)もっと品のある小気味よいギャグのやりとりを書け
ばよかったが、今はこれしか浮かんでこないので仕方ない。Cさんは大御所ミュージシャンなので、他店(ジャズクラブ、ライブハウス)ではこ
んな扱いは受けないらしい(当たり前だ)。だからこそ僕とのハチャメチャなやりと
りが楽しいようだ。他の大物ミュージシャン数人も同じ気持ちらしい。そんな話を聞
くと、僕はよけいはしゃいで悪のりしてしまう。よその店で絶対に誰も彼らに言わな
いこと、今まで言われたことのないギャグを、毒舌を浴びせようとしまう。たまにムッ
とされる時もあるけど、それはご愛敬。フォローモードで切り抜ける。で、また元通
り。めでたしめでたし。昨夜の閉店後、Cさんに来店のお礼メールを打ったら、すぐさま返信が届いた。
バカヤロ〜〜 ♪
大好きだよ…。
今日はご馳走様でした…♪
♪C♪ジーーーン(涙) やっぱ素晴らしいミュージシャンはハートも素晴らしい。感動。
(2005年11月22日)
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