香港の新聞、星島日報(6月5日)によると、上海で「たまごっち」が流行っている。「電子蛋」(「蛋」とは、卵という意味)と呼ばれ、今年これまでで最も売れているおもちゃなのだそうだ。多くのおもちゃ屋で、品切れ状態になっているという。たまごっちはすでに、香港、台湾で人気となっており、その流れが、中国で流行の最先端を行く上海にも波及したというわけだ。
たまごっちが日本で流行るのは、日本の大都市ではペットが飼えないため、ペットの代用品として流行している、と、少し前のウォールストリート・ジャーナル(アジア版、5月28日)に書いてあった。ほんまかいな、という感じである。英字新聞によくあるこじつけ分析記事のようにも見受けられた。
一方、中国でのたまごっち流行についても、星島日報はなかなか興味深い分析をしている。中国では一人っ子政策の徹底で、兄弟のいない子供たちが多い。そんな子供たちにとって、たまごっちのひよこを育てるのは、弟や妹をいつくしむ行為の代わりになり、教育的な意味がある、と上海の親たちは考えているというのである。
これまた、ほんまかいな、という感じだ。実は、上海の親たちも、たまごっちが欲しいのだが、自分が欲しいとは言えないので、子どもの教育にいい、と言って買っているのかもしれない。子どもが一人しか産めない親たちにとっても、たまごっちは、2人目の子どもを育てる行為の代わりとなっている、などという勝手な分析もできそうだ。
上海のたまごっちの値段は、一つ180元から650元程度(1元は約10円)で、買う場所によってかなりの差があるという。中国のことだから当然、ニセモノも多いに違いない。この価格が高いのかどうか、実は筆者はたまごっちをやったことがないので、知らない。読者の皆さん、判断してください。