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拙速分析について


私は毎日インターネット上で何十本かの英文情報を読み込み、それをもとに国際情勢の分析記事を書いてきました。読み込んだ各情報について、その場で簡単な分析をしてメモを書くのですが、これまで書いたメモは自分のパソコン上に保存するだけでした。メモの中には、毎回の解説記事に生かされずに退蔵されていくものも多く、もったいないと思ってきました。

最近、私の英文を読み込む速度がしだいに向上し、毎週の長文の解説記事とは別に、英文情報を読み込んだ時点で書ける短い分析記事を、日刊に近い頻度で配信していけるのではないかと思うようになりました。1本の英文情報を読んですぐに1本の短い分析を書いて配信すると、何本もの情報をもとに時間をかけて1本の記事を書くのに比べ、誤読や勘違いが多くなりがちで、私に対する読者からの信頼性が落ちるのが心配でした。しかし、やや信頼性が落ちたとしても、読んですぐに書いてその日のうちに配信するのは、多くの読者にとって歓迎だろうと思いました。

そこで、このやり方を「速いけどややつたない(拙い)」という意味を込めて「拙速分析」と名づけ、試験的に実行していくことにしました。「拙速」という用語は、私がかつて共同通信社(特に新人時代の京都支局)に勤めていた時期に、上司の編集者(デスク)から「拙速でいいから、できるだけすぐに記事を出せ」と言われていたことに基づきます。

まず2010年12月からツイッターでつぶやく形式で分析を開始しました。1カ月ほどの間に350本以上を発信し、毎週の長文解説記事を書きながら、それほどの誤読もなく、毎日何本かの拙速分析を書き続ける能力が私にあることを自ら確認できました。ツイッターは1回の発信が140文字までしか入らないので、私にとって短すぎることもわかりました。

2010年末には、ツイッターで発信したことを、数日ごとに分野ごとにまとめて短い解説記事を書こうとしましたが、1本の情報から1本の分析を書くことに徹しないで、やや長い短信の解説記事を書こうとすると、私の凝り性が災いし、毎週書いている長文解説記事と変わらない手間と長さになってしまうことがわかり、失敗しました。今回は、ツイッターに似た文字数制限のない仕掛けを自分のサイト内に作り、そこに書き込んでいくことで、1本の情報から1本の分析記事を書く態勢を作り、それをできるだけ毎日まとめて配信していく試みをやることにしました。この拙速分析は、日刊を目指していますが、必ず毎日やれるとは限りませんので、日刊を読者に約束するものではありません。



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