「CITICパシフィックを中国地方政府の金儲け主義者から守れ」主義

 香港最大の「紅い資本家」、CITICパシフィックのラリー・ユン会長(中国副総理の息子)が、パシフィックの親会社であるCITIC香港からパシフィックの持ち株16億ドル分を、市場価格の24%引きの安さで譲渡を受けた。CITICパシフィックはいずれ、香港テレコムやキャセイ・パシフィック航空などの香港の有力企業の親会社になると目されている。株の移動により、ユン会長のパシフィック持ち株比率は4%から18%に上がり、逆にCITIC香港の持ち株は42%から26%に下がった。
 この移動は、中国政府の最上層部が、香港返還後に北京や広東の勢力によってCITIC本体が乗っ取られても、CITICパシフィックに影響が及ばないようにする措置ではないかとみられている。香港では今、中国の地方政府や軍など、中央政府以外のさまざまな勢力が香港を使って金儲けを企んでいることが懸念されており、その対策の一つと思われる。(96.12.31 AWSJ)