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★ 突然イタリア語講座  
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◆ペペロンチーノとペペロンチーニの違い      (1999年12月10日)

イタ飯屋で食事をすると、パスタ名がペペロンチーノだったりペペロンチーニ
だったりします。これはペペロンチーノ(peperoncino:トウガラシ)が単数形、
ペペロンチーニ(peperoncini)が複数形という違いです。日本ではこのどちら
かの言い方をするようですが、イタリアではアーリオ・オーリオ・ペペロンチー
ノと呼んでいます。アーリオ(aglio:ニンニク)、オーリオ(olio:油)とい
う意味から、パスタに入っている材料を並べただけであることがわかります。

日本でよく食される3大パスタといえば(独断ですけど)、ペペロンチーノ、
ポモドーロ(トマト)、カルボナーラ(木炭:すごい名前ですね)ですが、こ
れらはイタリアでは家庭料理なので、リストランテのメニューには載っていな
いそうです。知らずにオーダーすると「常識知らずの田舎もん旅行者が!」と
ひんしゅくを買ってしまうらしいので御注意を!

もう1つおまけに、カップッチーノを食後や夜に飲むことは、イタリアではタ
ブーとされているそうです。知らずに飲むと、アホな外国人だと思われるそう
なので御注意下さい。イタリア人は朝食時以外には、皆エスプレッソを飲むそ
うです。外国人がよく来るBAR(バール:カフェ)などでは、イタリア人ウェ
イターが自ら「カップッチーノ?」と聞いてくる場合があるそうですが「Yes」
などと言うと、向こうへ歩きながら嘲笑を浮かべるという話です。こわいこわ
い。

そういえば、僕がシンガポールのラッフルズホテルの「ロングバー」(シンガ
ポールスリング発祥の地)に何度か行ったとき、ウェイターがオーダーを取り
に来る度に「シンガポールスリング?」と聞いていました。それに対して毎回
「Yes」と答えていたのですが、これも嘲笑されていたのかもしれませんね(笑)
言い訳をさせてもらえるならば、本物のシンガポールスリングの味をしっかり
と記憶するために、何杯もお代わりをしていたのですが・・・言い訳でしたね。


◆突然イタリア語講座 vol.2         (1999年12月20日)

今回も「突然」をタイトルに使ってしまいました。今日で2回目なので、もう
突然でもなんでもありません。このタイトルは、ある日「突然」終わってしま
う「突然」と解釈して下さいね(笑) 

皆様御存知の通り、イタリアの通貨の単位はリラ(Lira)です。日本では10
0リラ、1000リラと言いますが、イタリアでは違います。2以上はリレ(
Lire)と言うのが正しい使い方です。「リラ」と呼べるのは1リラの時だけで
す。ですからイタリアの通貨単位は「リレ」といっても過言ではないのです。

よく演奏会などで「ブラボー!」(Bravo:ブラーヴォ:すごい、うまい)と
叫んでいる人がいますが、この言い方は男性1人に対して褒める言い回しなの
です。女性1人を賞賛するときにはBrava!(ブラーヴァ!)と言わなければい
けません。更に、オーケストラなどの複数の人たちにはBravi!(ブラーヴィ!
)、複数の女性たちにはBrave!(ブラーヴェ!)と言い換えなければなりませ
ん。ややこしいですね。

イタリア人という意味の「イタリアーノ」も同様で、イタリアーナ、イタリア
ーニ、イタリアーネと変化します。イタリア語はほとんどの単語がこのように
変化するので、とても厄介です。知らない単語が変化していると、単語の原型
を見つけるのが大変です。イタリア語の辞書には原型しか載っていないんです
よ。

オリーブオイルはイタリア料理に欠かせませんが、さてこのオリーブ、イタリ
ア語で「オリーヴァ」(oliva:単数形)と発音します。複数形は「オリーヴェ
」(olive)です。なんとイタリアではオリーブと呼ばないんですね。よく耳に
するエクストラヴァージン・オリーブオイルは「Olio extra vergine di oliva」
(オーリオ・エクストラ・ヴェルジーネ・ディ・オリーヴァ)といいます。


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