■ 柔軟&前向きな思考を!

たまに行くスターバックスで僕が注文するのは「アイスカフェ・アメリカーノ、エス
プレッソ増量・水抜き(つまりエスプレッソのロックスタイル)」である。 僕はか
なり濃いアイスコーヒーが好きなので、あるスタバでこのスタイルをすすめられて以
来、どこのスタバでも注文している。しかしこの注文方法は店員を戸惑わせるようだ。
必ず皆「なにそれ?」と言わんばかりのうっすら怪訝そうな顔、または戸惑いを隠せ
ない表情に変化する。

僕は毎回、メニューを指差しながら、

「このアイスカフェ・アメリカーノのTallに、このエスプレッソ追加を1杯追加して、
氷だけ入れて水は入れないで下さい」

と注文している。しかし店員は「アメリカーノ(アメリカン)なのに水を加えないな
んて??」と思うようだ。今までこのような注文を聞いたことが無いため アレンジ
がきかない。「そんな注文、受けていいのかな」と不安そうな顔になる。で、必ず
「少々お待ち下さい」と言ってどこかへ聞きに行く。しばらく戻ってこない時もある。
で、やっと戻ってきたと思ったら、お待たせしましたの言葉もなく、「ご用意できま
すので」と言う。その「用意してあげられますので」とも受け取れる言い方に、僕の
心はいつもクシュッと凹むのであった。なのでそこで一言言わせてもらう。

「これは他のスタバで店員さん側からおすすめされた飲み方だよ」

このスタバで七面倒な注文をしなければならないアイスコーヒーと同じものが、フレッ
シュネスバーガーでは普通のアイスコーヒーとして出てくる。だからスタバへ行くた
びに「フレッシュネスが近くにあったらなぁ」とフレッシュネスを思い出す。ちなみ
に僕の地元のフレッシュネスバーガーは今年2月に閉店してしまった。ハンバーガー
もアイスコーヒーも大好きだったのに、こんなに素敵な店よりも値段が安いだけのファ
ストフードが繁栄しているのが悲しいし辛い。

で、今日は何を言いたかったのかというと、スタバの店員さんたち、たったこれしき
のアレンジが自分の判断で行えなくてどうするのか、ということだ。顔は笑顔だが頭
をからっぽにして働くのはやめてほしい(スタバに限らないが)。

優れたサービスとは、柔軟な対応をいかに素早く的確に行えるかということでもある。
つまり機転の良さが必要なのだ。とはいえ、これはやや高度なレベルの仕事なのかも
しれない。もし店員が突出することを目指していないなら、それを望むのは酷かもし
れない。しかし僕が言っていることは難しいことではない。将棋でいうと二手か三手
先を読んでほしいという話である。とてもささやかな願いだ。

日頃から少しだけ柔軟で前向きな思考を心がけるだけで、今まで見えなかったことが
見えてくる。お客の要望にできるだけ応えようと考えながら働けば、対処方が広がる。
いくつかのアイデアが発想できて取捨選択ができるほどになる。アレンジ精神が養わ
れる。サービス力がみるみる向上していく。お客の要望に難なく答えられる場面が増
えていく。気の効いたことがサラッと自然に言えるようになる。と、良いことづくめ
である(上手に思考すればの話だが)。だが、「それはできない」と考えてしまうと、
そこからはもう何も生まれない。

相手の希望を叶えるために「ではどうしたらいいか」「どうしなければならないか」
と強く考える(念じる)と、そこから夢が広がり始める。思考することを楽しむこと
ができれば、仕事はどんどん楽しくなる。つまり前向きって本当はとても楽しいこと
なんだ。
                             (2006年4月27日)






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