JAZZ and BAR  = BARの雰囲気が楽しめるCD =



 
   



 BARの雰囲気は、BGMによって様々に変化します。当店では、時間帯、客層、
賑わい度に合わせて、その時々の雰囲気に合った演奏を流しています。今までにジャ
ズ、クラシック、環境音楽など、いろいろ試してみましたが、やはりBARにはジャ
ズがよく似合います。このコーナーでは、御家庭でBARの雰囲気をお楽しみいただ
けるジャズの名盤の数々を紹介してゆきます。

 一部のアルバムはCDジャケットをクリックすると、amazon.comの同C
Dページにジャンプします。そこで収録曲の数曲〜全曲が1分くらいずつ試聴できま
す。お聴きいただくとアルバムの雰囲気が味わえるでしょう。また僕が紹介したCD
を購入しようとお考えの方のために、アマゾン・ジャパンの同CDページにもジャン
プできるようにしておきました。念のため書き添えておきますが、アマゾンで購入す
るのをおすすめしているわけではありません。お好きなところでお買い求め下さいま
せ。


 
   



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バーブラ・ストライサンド「ザ・ムーヴィー・アルバム」
BARBRA STREISAND 「THE MOVIE ALBUM」

2005年夏にNHK-BSで放送された「アクターズスタジオ・バーブラストライサンド・
自らを語る」で、ひさびさにバーブラとご対面。その魅惑的な容姿と声の素晴らしさ
に惚れ惚れとしました。翌日すぐにこのアルバムを入手し、聴いてびっくり。あまり
にも良すぎてトロトロに溶けてしまいました。歌唱力、表現力、インパクト、その全
てにノックアウト。彼女の偉大さを表現するのは僕の文章力では無理ですね。諦めます。

カヴァー曲集は、リスナーを時空を超えた想い出の地へ誘ってほしいと常々考えてい
ます。そのためには、原曲を壊さないように繊細に優しく大切に歌う、そういう配慮
が必要だと思います。1曲まるまる原曲と同じように歌ってほしいと言ってるわけで
はありません。オリジナリティを盛り込むことは大変重要です。つまりそれが楽曲に
とって必然であれば良いのです。

バーブラは全ての曲を完璧に歌い上げています。僕は彼女の歌声にただただ身を委ね
ていればいいだけ。至福のひとときを楽しめます。

このCDはスローナンバーがほとんどなので、毎日、営業中に店でも流しています。
店内がバーブラの愛で満ち溢れ、ふんわりと包まれます。

「ザ・ムーヴィー・アルバム」を聴いて、61歳の歌声だとわかる人はいないでしょう。
若い頃より声の張りが適度に抑えられていて、より表現力が増しているように思います。
奇跡的名盤です。 ぜひ一度お聴きになってみて下さい。

【amazon.japan】→「ザ・ムーヴィー・アルバム」



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ジョン・コルトレーン(ts) 「 バラード 」
JOHN COLTRANE QUARTET 「Ballads」

 最初に御紹介するCDは、テナーサックス奏者:ジョン・コルトレーンの「バラー
ド」です。このアルバムは1961〜62年に録音されました。20数年前、まだジャ
ズを聴き始めたばかりの頃に僕はこのアルバムに出会い、そのゆったりとした深みの
あるサウンドに大変感動を覚えました。「バラード」は、落ち着いたBARのムード
をつくり出します。これから御紹介していくCDもそうですが、静かにグラスを傾け
たい時や、お相手とのお喋りを楽しみたい時は、ステレオのボリュームを小さめに絞っ
て下さい。「バラード」は、お酒を大変気分良くお飲みいただける名盤なので、楽し
い時間があっという間に過ぎることでしょう。このアルバムの合計タイムは32分ほ
どなので、あらかじめリピート設定してしてお聴きになることをおすすめします。
「バラード」は、外国映画のBARのシーンでもBGMによく使われています。また、
日本テレビ「爆笑問題のススメ」のあとがきコーナーに7曲目が流れます(2004
年7月現在)。

【amazon.japan】→「バラード」



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ビル・エヴァンス(p)・トリオ 「 ワルツ・フォー・デビイ 」
BILL EVANS TRIO 「Waltz for Debby」

 BARにはビル・エヴァンスの都会的で洗練された極上ピアノサウンドがよく似合
います。このCDは1961年6月にニューヨークのヴィレッジヴァンガードで録音
されたライブアルバムです。ビル・エヴァンスは生涯に約130枚のアルバムをリリー
スしていますが、「ワルツフォーデビイ」はいつでもどこでもベスト5に入っている
名作です。どの曲もあまりにも美しく、心を奪われます。このライブCDの面白いとこ
ろは、演奏中にお客が喋っている、笑い声も聞こえてくる、グラスや皿のガチャガチャ
音が響いている、料理が出来上がったことを知らせるベルがチーンと鳴る、などです。
つまりジャズクラブの雰囲気が生々しく伝わってくるので、御家庭がジャズライブハ
ウスに早変わりします。そういう意味も含めてライブ感抜群です。CDは全10曲入
りで、そのうち3曲の別テイクが含まれていますが、同じ曲が流れてきても全く気に
なりません。優れた演奏とはそういうものなのだと思います。また、この日のライブ
を録音したCDがもう一枚「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジヴァンガード」とい
うタイトルで発売されています。こちらも大変素晴らしいアルバムですが、BARに
は「ワルツフォーデビイ」の方が合うと思います。

【amazon.japan】→「ワルツフォーデビイ」





アイリーン・クラール(vo) 「 ホエア・イズ・ラヴ 」
IRENE KRAL 「 where is love? 」

 これは1974年に録音されたヴォーカル&ピアノアルバムです。僕はテクニック
をぎゅうぎゅう詰め込んで声を張り上げてゴリゴリ歌い上げるタイプのヴォーカリス
トが苦手です。アイリーン・クラールやアン・バートンのような、さりげなく歌う上
手い歌手に惹かれます。このアルバムはまさに僕の好みにピッタリな、しっとりとし
ていて憂いを秘めた素晴らしいアルバムです。アイリーンの歌声はもちろんのこと、
アラン・ブロードベントの絶妙なピアノプレイが、楽曲をいっそう際立たせています。
全ての曲がバラードなので、静かな夜を楽しみたい時にはピッタリです。また、ヴォー
カルにほとんどリヴァーブ(エコー処理)がかかっていないので、まるで目の前で歌っ
ているような雰囲気を楽しめます。このCDを店内に流している時に、ジャズミュー
ジシャンから「これ誰ですか?」と興味を持たれる頻度が一番高いアルバムの1枚で
す。アマゾンドットコムではこのアルバムは試聴できませんので、他のアルバムから
雰囲気の似た曲を数曲、御紹介しておきます。でもこのアルバムの方が数段良いです。

注)調べてみたらこのCDの日本盤は現在廃盤になっていました。お買い求めになる
場合、「amazon.com」または輸入盤取扱店を御利用下さい。ちなみに僕は
タワーレコードで買いました。
【amazon.com】→「 YOU ARE THERE 」より2、3、5曲目

【amazon.com】→「 KRAL SPACE 」より2、4曲目

【amazon.com】→「 ホエア・イズ・ラヴ 」



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キース・ジャレット(p) 「 メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー 」
KEITH JARRETT「 THE MELODY AT NIGHT WITH YOU 」

 このCDは1998年12月に録音されたキース・ジャレット(p)のソロピアノ
アルバムです。キース・ジャレットのソロと聞くと、バリバリのインプロヴィゼーショ
ンアルバム「ケルン・コンサート」を思い出す方もいるでしょう。しかし今回御紹介
するアルバムは「メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー」というタイトルどおり、
大変聴きやすい内容になっています。曲目はスタンダードナンバー中心でどの曲も
音数を減らしてメロディを大切にし、優しく切なく演奏しています。並のピアニスト
がこのような手法で演奏すると、非常に凡庸でつまらない曲になりますが、キースの
テクニックと音楽性の豊かさが、楽曲をより魅力的に輝かせています。大切な方との
語らいや最愛の方と過ごす時に、このアルバムは最適です。聴いて良し、聞き流して
良し、の素敵な演奏を、心ゆくまでお楽しみ下さい。なお、このアルバムにはキース
が演奏中にいつも発するあの“嫌な声”は入っていません。御安心下さい。

【amazon.japan】→「 メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー 」





ザ・シンガーズ・アンリミテッド 「 ア・カペラ 」
THE SINGERS UNLIMITED「 A CAPELLA 」

 僕にとって非の打ちどころのないパーフェクトなCDを紹介します。これは197
2年に録音された4人編成(女性1人 男性3人)のコーラスグループ、シンガーズ
アンリミテッドによるアカペラ(「礼拝堂風に」の意:器楽の伴奏のない合唱曲や重
唱曲の様式。無伴奏体)アルバムです。コーラスはもちろんのこと、選曲、コーラス
アレンジの全てがとてつもなく素晴らしく、心をがっちりと掴んで離しません。この
アルバムではジョニ・ミッチェルの「青春の光と影」、ビートルズの「ヒア・ゼア・
アンド・エブリホエア」「ミッシェル」「フール・オン・ザ・ヒル」など、皆様にも
お馴染みのナンバーが、見事なジャズアレンジ、素晴らしいハーモニーで歌い上げら
れています。全曲がスローナンバーなので、ゆったりとした至福のひとときを、必ず
お楽しみいただけるでしょう。

 このアルバムは「ア・カペラ2」「ア・カペラ3」と続編が発売されていますが、
アルバム1枚のトータルバランスは、このアルバムが圧倒的に優れています。完璧な
までに素晴らしい「ア・カペラ」を心ゆくまで御堪能下さい。なお、このCDはam
azon.comで試聴できませんでしたので、曲の雰囲気がわかるよう他CDより
何曲か聴ける曲をセレクトしました。また、「ア・カペラ」が一番売れているのは日
本のようで、海外のサイトでは日本盤が売られていることが多いです。もちろん日本
では極めて入手しやすいCDですので、ぜひ一度お聴きになってみて下さい。

【amazon.com】→「 MAGIC VOICES 」より2曲目

【amazon.de】→「 MASTERPIECES 」より3、10、14,18曲目

【amazon.japan】→「 ア・カペラ 」



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「ジョン・コルトレーン & ジョニー・ハートマン」
「JOHN COLTRANE & JOHNNY HARTMAN」

 このアルバムは1963年に録音された極上の男性ヴォーカルアルバムです。ジョ
ニーハートマンは、そのとろけるような甘さと低音が魅力的なバリトン歌手で、コル
トレーンのアルバム「バラード」を彷彿とさせる、ゆったりとした流れに溶け込み、
見事に調和しています。ジョニーハートマンの歌唱力は抜群です。これ見よがしにテ
クニックをひけらかすのではなく、とても素直に自然に歌い、じっくりと聴かせます。
実はこのような歌い方が一番難しいのではないかと思います。この素晴らしいアルバ
ムは、BARの静かな雰囲気に花を添え、ムードを高めます。

【amazon.japan】→「ジョン・コルトレーン & ジョニー・ハートマン」



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ハービー・ハンコック(p)「スピーク・ライク・ア・チャイルド」
HERBIE HANCOCK 「SPEAK LIKE A CHILD」

 店が空いていて静かな雰囲気を保っている時は、ゆったりとしたジャズが大変心地
良く感じられます。しかしある程度席が埋まり、店内がにぎやかになってくると、ゆっ
たり系スローナンバーでは曲と店の賑わいが調和しなくなる場合があります。そんな
時にこのアルバムは重要です。このCDを流すとお客様のさざめきとサウンドがピタ
リと調和(中和)するのです。

 このCDは1968年に録音されたピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)+
ブラスセクション(フリューゲルホーン、ベーストロンボーン、アルトフルート)ア
ルバムです。非常に画期的なことにブラスセクションは誰もソロをとらず、ブラスア
ンサンブルに徹しています。また、ピアノトリオでは当たり前のベースソロ、ドラム
スソロもありません。つまり、ハービー・ハンコックだけがソロを弾くのです。この
CDは大変素晴らしいピアノアルバムなのです。

 演奏はとてもクールでカッコ良く、ステレオのボリュームを上げれば、ジャズクラ
ブの雰囲気を味わうことができます。体調や御気分に合わせて、時にこのCDを流し
ていただくと、新鮮でひと味違った素敵なムードをお楽しみいただけます。

【amazon.japan】→「スピーク・ライク・ア・チャイルド」





 

 
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