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サウジアラビアがユーロ化を破棄、ドル回帰を宣言

2004年05月18日00時02分


英サンデー・テレグラフ紙によると、アメリカのイラク侵攻の前後から通貨備蓄の一部をユーロに変える方向に動いていたサウジアラビアの中央銀行は、ユーロへのシフトを止め、ドル重視の姿勢に戻ることを明らかにした。

Riyadh scraps euro foreign reserves policy
http://www.washtimes.com/world/20040515-111510-7459r.htm

中央銀行に当たるサウジアラビア通貨局の副局長は、欧州の金融市場がもっと競争力を持つようにならないと備蓄通貨に占めるユーロの割合を増やす価値がないと指摘し、アメリカは財政赤字の問題を抱えているものの、現状では米ドルが最も安全な投資先であると述べた。

サウジは外貨準備と政府投資資金の合計として2000億ドル分の外貨を持っているが、このうち約15%を2003年4−6月にユーロに切り替え、300億ユーロを保持するに至ったとされる。だが、EU各国の財政赤字の増大を防いでいた安定化協約が破綻し、イタリアのように財政赤字が増えてインフレになるかもしれない国がユーロ圏内に出てきた。ユーロは今後5年以内に解体を余儀なくされるという見方も出ている。こうした不安定さが、サウジ政府を心変わりさせたという。

とはいうもののその一方で、この発表は、政治的な動きかもしれないとも思われる。というのは、サウジアラビア当局の発表に呼応して、EU(欧州委員会)の広報担当者が、サウジの指摘は厳しいが当たっていると述べているためだ。EUはサウジにユーロシフトしてほしいがサウジの側だけが心変わりしたのであれば、EU側のコメントはダメージを抑えるため「事実無根で遺憾だ。サウジ当局によく説明したい」といった感じになるはずだ。

それとは逆の「おっしゃるとおりです」というコメントが出てきたことは、EUがドル高ユーロ安を進行させたいのか、それともドルに対して潜在的な危機感が増しており、それを回避するためにEUとサウジアラビアがアメリカのためにテコ入れしたのか。サウジ当局が単に「ユーロはまだ弱い」と思い直しただけなら、黙ってユーロを売ればいいだけなのに、そうしなかったところに何か意図が感じられる。

米通貨当局(FRB)のグリーンスパン議長は5月6日、米の財政赤字の増大は経済に悪影響を与えると改めて警告している。

Greenspan Issues Warning of Deficit's Impact on Economy
http://www.nytimes.com/2004/05/06/business/06CND-GREE.html



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