「防波堤」としての拉致問題2003/09/05今しがた「北朝鮮とミサイル防衛システムの裏側」 http://tanakanews.com/0905korea.htm を書いて、その後でふと気づいたことがある。アメリカは日韓の駐留米軍兵力を減らしたいがために北朝鮮を取り巻く緊張関係を緩和しようとしているのではないか、ということである。そうだとしたら、本当はアメリカは、日本に穏健な北朝鮮政策を採ってほしいのではないか。 を書いて、その後でふと気づいたことがある。アメリカは日韓の駐留米軍兵力を減らしたいがために北朝鮮を取り巻く緊張関係を緩和しようとしているのではないか、ということである。そうだとしたら、本当はアメリカは、日本に穏健な北朝鮮政策を採ってほしいのではないか。 以前、日本では日中国交正常化後、ロシア(ソ連)との国交も正常化せざるを得ない流れになることを防ぐため「4島返還しか認めない」という運動を起こし、北方領土問題を解決不能にする、という「自主鎖国政策」もしくは「防波堤政策」ともいうべき戦略を採った。ニクソン政権が中国、ソ連と和解して冷戦を終わらせようとしたときのことだ。 そのときと今は似ている。中国を中心とした「アジア統合」の流れが始まっているからだ。そして、ニクソンの「雪解け」の時代に「北方領土」という問題を作ってソ連との和解を拒んだ日本は、今回は「拉致」という問題を作り、アジア統合の流れの中に入ることを拒否しようとしている。これは、敗戦後「外交」を捨てた日本人の特性なのか、それとももっと以前の「鎖国」時代からの習性なのか。起源は分からないが、そういう仮説があり得る。 日本と韓国に駐留している米軍の兵力を減らすという方向性は「冷戦」から「テロ戦争」への米軍のシフトを意味している。沖縄から出ていった海兵隊は、フィリピン、オーストラリア、シンガポールなどに移転する構想だ。いずれの地域も、イスラム世界とそれ以外の世界の境界線の近くに位置している。イスラム世界を「巨大な敵」に仕立てるテロ戦争の布陣である。 アメリカではタカ派・中道派を問わず、テロ戦争を何十年も続く「冷戦バージョン2」にしようとする考え方がある。「テロ戦争」というと911事件以後のことだと考えられているが、日韓駐留米軍を減らす話は、911の前から決まっていた。2001年の初め、ネオコン系の人物であるザルマイ・カリルザドがホワイトハウスのアフガン担当になる前、ランド研究所にいたときに「アメリカとアジア」という報告書を書いており、その中で、グアム島など後方の基地から直接「敵」を攻撃するかたちにすることで、沖縄の兵力を減らすという構想を描いている。 以前の記事「アメリカのアジア支配と沖縄」 http://tanakanews.com/b0605okinawa.htm 2003/09/05(金) タイトル一覧へ | |