イラクをわざと内戦に陥らせるアメリカ2003/09/01ナジャフのモスクでハキーム師らを殺害した爆破テロは、自爆テロではなく、モスクの近くの路上に駐車してあった自動車に爆弾が仕掛けてあり、犯人は近くのホテルから見ていて、ハキーム師らがモスクから出てきたときを狙い、リモコン操作で爆破した可能性が大きいことが分かってきた。自動車は、爆破の24時間以上前から駐車してあったという。 爆破に使われた爆薬は旧ソ連製で、イラク軍が使っていた大砲の弾や手榴弾の中身として使われていた火薬だという。同じ火薬が、8月19日のバグダッド国連事務所の爆破テロと、その前におきた在バグダッド・ヨルダン大使館の爆破テロでも使われていた。つまり、この3つは同一組織による犯行である可能性がある。 そして、いずれも自爆テロではなく、リモコン操作による爆破だった可能性もある。イラクでは、フセイン政権がイスラム原理主義の国内への浸透を嫌っていたため、イスラム教的な「聖戦」の概念で自爆テロの実行犯を養成することが難しい。自爆テロだと、イラク人ではなく、パレスチナ人やアルカイダ系のイスラム原理主義者が犯人である可能性が高くなる。だがリモコン爆弾だったとなると、イラク人による犯行の可能性が高くなる。組織的な連続テロであるなら「ムカバラット」などイラク前政権の治安当局や軍隊の残存組織がやった可能性が大きい。 Bombing at Iraqi Shrine Appears Carefully Planned http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A5408-2003Aug30.html 半面、アメリカ側は、イラクが混乱していく状況を止めようとする素振りがほとんど見られない。占領軍政府のブレマー長官は夏休みをとってアメリカ本土に戻ったままで、占領軍政府内では、ブレマーがいつ戻ってくるか、はっきり答えられる人がいない状況だ。 Bremer absent; no one seems to have a plan http://www.azstarnet.com/star/Sat/30830iiraqroundup.html その一方で、アハマド・チャラビが提案していた「イラク前政権の秘密警察など治安部隊を再組織化し、米軍に代わってイラク全土の治安維持を任せる」という計画が、どんどん進んでいる。現在、米軍による治安維持の手が回らない地域では、地元のイラク人が自警団を作って警備しているが、それらを解散させ、代わりに旧フセイン政権の治安部隊を再配備する計画だ。これをやると間違いなく、シーア派やクルド人の自警団と、旧政権の治安部隊との間で内戦に陥る。 U.S. and the Iraqis Discuss Creating Big Militia Force http://www.nytimes.com/2003/08/31/international/worldspecial/31IRAQ.html 下手をすると、9月下旬ぐらいまでに、イラクは完全な内戦状態に陥り、その中で米軍が撤退を始める、ということになる。イラクを長い内戦状態に陥らせるのは、開戦前からのネオコンの作戦だった。アメリカは、ブッシュ大統領らホワイトハウスが判断不能に陥っている間に、ネオコン系の勢力がイラク情勢をどんどん悪化させようとしている、と感じられる。 2003/09/01(月) タイトル一覧へ | |