北京の北朝鮮会議の本質2003/08/30北京で開かれた北朝鮮の交渉が始まった8月27日、イギリスのBBCテレビのニュースを見ていたら、その日の交渉が始まる前、6カ国の6人が並んでマスコミに記念写真を撮らせるとき、中国の代表が残りの5人をうながして円形に並ばせ、各人が右手を前に出して6人が手を握りあい、みんなでカメラの方を向いて笑う、ということをさせたシーンが映っていた。ちょうど、バレーボールの試合が始まるときに選手たちが円陣になって右手を重ね合い、力を合わせて頑張ろう、というポーズである。円形の真ん中には、北朝鮮代表の金永日・外務次官が立っていた。 【写真】手を取り合った6カ国協議の首席代表ら(韓国・中央日報) http://japanese.joins.com/html/2003/0827/20030827210257500.html 私はこのシーンを見て、やっぱり中国が主導して東アジアの安定を作るために今回の会議が開かれたのだ、と感じた。アメリカが中国に下働きをさせて北朝鮮を封じ込める、というのではなく、北朝鮮をなだめすかしてこの問題を解決した後、中国がゆるやかな覇権を握る安定した東アジアを生み出すための交渉ではないか、と私は感じている。 6カ国の6人が円陣を組んでカメラに向かって笑うシーンが日本のテレビでも放送されるかどうか関心があったので、この日のNHKニュースを何回か注意して見ていたが、出てこなかった。日本では、今回の北京会議は「北朝鮮に厳しい態度をとるための交渉」というイメージになっており、特に拉致問題では外務省は一歩も引きません、という態度を国民に見せようと努力しているようで、そのために日本のテレビは「みんなで頑張ろう」という円陣のシーンを流さなかったのではないか、と感じた。 おそらく日本の外務省も、中国が主導する「みんなで頑張ろう」の意味を十分に知っている。しかし日本国内では拉致問題で感情的になっている人々がおり、マスコミがそれに動かされている現実がある。外務省は、国内向けと外交の現場とで、違った態度を見せていると思われる。 一方アメリカでも、日本のヒステリックな状態と似た、タカ派の議会やマスコミがあり「北朝鮮に対して譲歩するなんてとんでもない」という態度をとっている。だから、日本外務省と同様、アメリカの国務省も、表向きは厳しい態度をとっているかのように振る舞いながら、落としどころは中国(とその従者となりつつある韓国)が求める穏和的な解決へと向かっていこうとしているように見える。 静かに進むアジアの統合 http://tanakanews.com/d0718asia.htm 2003/08/30 タイトル一覧へ | |