強まるブッシュ叩き2003/08/27アメリカの外交政策の奥の院と目される「外交評議会」が出している隔月刊誌「フォーリンアフェアーズ」の新しい号が出た。前回の号よりさらにブッシュ政権を批判し、ネオコンや政権内のタカ派が提唱してきた「一強主義」に異論を呈する内容の論文ばかりが並んでいる。「EUとの関係を好転させ、中東を安定化させるべきだ」(Rebuilding the Atlantic Alliance)とか「アメリカは国連を必要としている」(Why America Still Needs the United Nations)といった言説が飛び交っている。思想界ではネオコンがなりを潜め、中道派が復活している。 http://www.foreignaffairs.org/current/ この号の筆頭の記事では、オルブライト前国務長官が「ブッシュ政権が、親米でなければテロリストの仲間とみなすという外交政策をとってきたことのつけが出ている」とブッシュ批判を展開している。 だが気になるのは、オルブライト自身、クリントンの国務長官だったときは「ならず者国家」の考え方を振り回し、ブッシュ的な強硬策の原型を自ら実行していたことである。しかもイラク戦争後、彼女はCSISを拠点に、ヨーロッパに対して「EUはアメリカが歓迎できるような統合をしなければならない」という提案を行い、西欧側から強く拒絶されている。ブッシュとオルブライトは、大した差がない。 「良きライバル」を求めるアメリカの多極主義 http://tanakanews.com/d0715euus.htm ブッシュ政権がイラク戦争を泥沼化させ、弱くなってきたので、政権交代を視野に、民主党の一強主義者がブッシュ叩きに群がってきた、という感じがする。 一方、911直後から「アメリカは大英帝国時代のイギリスと似た状態にあるのだから、帝国であることを認めるべきだ」と主張してきたイギリスの学者ニアル・ファーグソンは、書評という場を借りて、改めて同じ主張を繰り返している。 米英で復活する植民地主義 http://tanakanews.com/b1114colony.htm ファーグソンは7月、ネオコン系シンクタンクAEIで、ネオコンのロバート・キーガンと討論し、ファーグソンが「ネオコンさんも、アメリカが帝国だと認めちゃいなさいよ」と誘ったのに対し、キーガンは「いやいや、うちは帝国じゃありません」と拒否していた。 The United States Is, and Should Be, an Empire http://www.aei.org/events/filter.,eventID.428/summary.asp アメリカが帝国だと認めると、帝国として世界に対する「責任」が出てくる。ネオコンとしては、都合のいいときだけ覇権を行使できる今の状態が望ましいのか。それとも「革命家」の末裔であるネオコンは「帝国」として祭り上げられてはたまらない、革命家の究極の目的は、むしろ従来のアメリカ隠然帝国主義をぶち壊すことにあるのだから、ということなのか。私にはまだ、結論が見えていない。 2003/08/27(水) タイトル一覧へ | |