敬遠され出したアメリカのイラク統治2003/08/239月1日から英米以外の軍隊として唯一イラクに派兵することを決めていたポーランド軍が、8月19日のバグダッドでの国連事務所爆破テロを受け、バグダッド周辺の「高度危険地域」には展開しないことを決めた。代わりに米軍がこの危険地域を守り続ける。 ポーランド軍がイラクに来ることで、米軍の一部がアメリカに帰れると考えられており、ポーランドに続いて他の国々も派兵してくれれば、今は大きすぎる状態になっている米軍の負担が減らせると米政府は考えていた。ポーランド軍が高度危険地域には展開しないということは、米軍の負担は今後も減らないということだ。米軍にとって、国際的な協力が得られないまま、ベトナム化する危険がどんどん高まっている。 ポーランド軍は、米軍が展開しているバグダッドと、英軍が展開しているバスラとの間の、イラク中南部に展開し、2500人の兵士が少なくとも2年間は駐留することになっている。だが国連事務所の爆破テロのあと、ポーランドではイラク駐留に反対する世論が拡大し始めており、ポーランド政府は慎重な姿勢になっている。 Poland to withdraw troops from 'high-risk area' near capital http://news.independent.co.uk/world/middle_east/story.jsp?story=435687 開戦時には米英の側につき、反戦系の独仏と対立したスペインでも、イラクから自国軍を撤兵すべきだという議論が高まっている。スペインは800人近くの兵士をイラクに派遣しているが、国連事務所の爆破で1人が死亡した。たった1人が死んだだけで「断固戦う」と言っていたのが「撤兵すべきだ」というトーンに変わってしまうあたりが、いかにもラテンの政府らしい。(スペイン国民の多くは、最初から反戦だった) Spain under pressure to pull out troops from Iraq http://sify.com/news/international/fullstory.php?id=13229498 国連では、パウエル国務長官が、世界各国に対してイラク派兵を要請するための国連決議を提起した。だが、今年2月にイラクが大量破壊兵器を持っているということを主張するために、中身のない証拠を公開してヨーロッパをわざと反戦に持っていったときと同様、今回もまた、パウエルらしい「わざと失敗させる」ための伏線が張られている。アメリカは各国に派兵を求めるが、全軍の統帥権や、イラク統治の主導権はあくまでアメリカが握り、その点で譲歩することはない、とパウエルは言っている。 これでは、統帥権や統治権の一部を国際化しない限りアメリカと一緒にやれない、と言ってきた独仏中ロなどが納得しない。パウエルはまたもや、わざと国連決議を流れさせ、米軍が単独でイラクの泥沼にはまることで、宿敵である国防総省のタカ派やネオコンをたたき潰そうとしているのではないか、と感じられる。 Powell Bids for Help in Iraq Through UN Resolution http://reuters.com/newsArticle.jhtml?type=topNews&storyID=3316149 2003/08/23(土) タイトル一覧へ | |