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「イラクは混乱していない」と言わざるを得ないブレマー

2003/08/17


イラクで最近行われた記者会見で、アラブ人の記者が、占領軍政府トップのポール・ブレマーに「イラクがこんな混乱に陥っているのに、なぜ米軍を増派しないのか」と尋ねたところ、ブレマーは「混乱なんかしていない。イラクはほとんど平和な状態だ」と答えたという。
U.S. can't order a round of patience

ブレマーは、混乱を認めることができない。認めると、米軍が増派せざるを得ないからだ。米軍には、もうお金がない(ということになっている)。国防総省は今年4月から、イラクとアフガニスタンに派兵している兵士たちに、特別危険手当と家族手当の増額分として、1人あたり月額225ドルを通常の給料に上乗せして出していた。だが、もう予算がないので、今後はこれを再びなくすことを検討している。

Troops in Iraq face pay cut
http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/c/a/2003/08/14/MN94780.DTL

これでは、米軍の士気が落ちて当然だ。米軍兵士は、変化のない携帯用配給食と、1日あたり1人2本の水だけで生活させられており、こんな生活はもういやだというメールを実家や友人に送っている兵士もいる。

Local Soldier E-mails From Iraq, Asking For Help

ネオコンのシンクタンクであるPNACは、米軍の規模を拡大すべきだと主張しているが、ラムズフェルド国防長官は、これに反対している。ネオコンとラムズフェルドの同盟関係に、ここにきて亀裂が入ったのか。もしくは、米軍の急拡大は来年の選挙にとってマイナスだからダメだとブッシュやカール・ローブあたりが言っているのか。

Rumsfeld on a Bigger Military
http://www.newamericancentury.org/defense-20030806.htm

Rumsfeld Not Sold On a Bigger Military
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A21684-2003Aug5.html

しかもその一方でホワイトハウスは、国連にイラク復興のための援軍を求めることもしないと決めたという。全体として、アメリカはわざとイラクの情勢を悪化させ、自国の兵士を自暴自棄に陥らせ、イラク人を乱射するような行動をとらせようとしている。アメリカ政府は、イラクをわざとベトナム化しようとしているように見える。なぜなのか。

U.S. Abandons Idea of Bigger U.N. Role in Iraq Occupation
http://www.nytimes.com/2003/08/14/international/worldspecial/14DIPL.html

そういえば、ベトナム戦争のときも、米軍がベトコンの拠点を急襲するとき、なぜか事前に敵方に急襲の情報が漏れ、拠点を襲撃してみたらベトコン兵士は逃げた後だった、ということが相次いだ。これは、CIAの秘密部隊など、だれかがベトコン側に情報を流し、戦況をわざとアメリカにとって不利にしようとしているのではないか、という憶測を呼んだ。イラクの現状は、こうしたベトナム戦争時の状況を思わせるものがある。

国務省vs国防総省の戦いで見ると、イラク復興に国務省が参加しないのは、国防総省との戦いに負けた結果というより、国務省側の意志として参加したくない、というのが考えられる。米軍の中に復興を妨害しようとする勢力があり、イラク復興はうまくいかないと早い段階で分かっていたとしたら、国務省が復興に協力したがらなかったのは当然と思えてくる。

2003/08/17(日)



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